生成AI×Excelとは何か 経理担当者の業務を劇的に効率化する実践活用編

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経理業務では会計システムや経費精算システムの導入が進んでいますが、すべての業務が自動化されているわけではありません。システム同士が連携できない場面やデータ加工、集計、増減分析などでは、依然としてExcelによる手作業が数多く残っています。

こうした「システムでは処理しきれない仕事」にこそ、生成AIが大きな力を発揮します。生成AIとExcelを組み合わせることで、これまで何時間もかかっていた作業を短時間で処理できるようになり、経理担当者はより付加価値の高い業務へ時間を振り向けられるようになります。

本記事では、生成AIとExcelを活用した経理業務の効率化について、基本的な考え方から実践例、今後の展望まで分かりやすく解説します。

なぜ経理ではExcel作業が残るのか

多くの企業では、会計システム、給与システム、経費精算システムなどが導入されています。しかし、システム間で完全にデータ連携できるケースばかりではありません。

例えば、

  • CSVデータの加工
  • 請求書データの整形
  • 売掛金管理
  • 月次決算の増減分析
  • 経費精算のチェック
  • 稟議書と請求書の照合

などは、依然としてExcelによる手作業が中心となっています。

つまり、Excelは「システムとシステムの隙間を埋めるツール」として今でも重要な役割を担っています。

生成AIを活用する最大のメリット

生成AIは文章を作るだけのツールではありません。

Excelデータを読み込み、

  • データを分類する
  • 異常値を抽出する
  • コメントを作成する
  • 集計する
  • 増減理由を整理する

といった作業も得意としています。

これまで人が何十分、何時間もかけていた業務を数分で終えられるケースも少なくありません。

もちろん最終判断は人が行いますが、「下書きを高速で作る存在」と考えると非常に強力なツールです。

良いプロンプトには4つの要素がある

生成AIを上手に活用するには、適切な指示文(プロンプト)が欠かせません。

資料では、最低限次の4項目を記載することを推奨しています。

依頼事項

生成AIに何をしてほしいのかを明確に伝えます。

例えば、

「異常な経費を抽出してください」

など、目的を具体的に記載します。

背景

作業を行う理由や前提条件を説明します。

例えば、

「月次決算レビューで利用する」

「毎月25日締切に遅れる社員が多い」

など背景を伝えることで、より適切な回答が得られます。

制約条件

文字数や文体、判断基準など、守ってほしいルールを指定します。

例えば、

  • 丁寧な文体
  • 表記を統一
  • 判断できないものは「要確認」

などです。

出力形式

最後に、

  • 表形式
  • 箇条書き
  • Excel形式

など、欲しいアウトプットの形を指定します。

プロンプトは一度で完成しない

生成AIは一度の指示だけで完璧な回答を返すとは限りません。

実際には、

「もっと詳しく」

「この部分を除外して」

「表形式に変更して」

など対話を重ねながら改善していくことが重要です。

生成AIとのやり取りは、人に仕事を依頼する感覚に近いと言えるでしょう。

活用例1 仕訳摘要の分類

経費精算では、

  • タクシー
  • TAXI
  • タクシー
  • ハイヤー

など同じ内容でも様々な表記があります。

従来は担当者が目視で分類していましたが、生成AIなら大量データでも短時間で分類できます。

ただし、生成AIの分類結果は「たたき台」です。

判断が難しい項目については、人が必ず確認する必要があります。

活用例2 月次決算の増減分析

経理担当者にとって負担が大きい仕事の一つが増減分析です。

従来は、

  • 試算表を確認する
  • 仕訳帳を見る
  • 原因を探す
  • コメントを書く

という作業を繰り返していました。

生成AIを利用すれば、

「なぜ増えたのか」

「どの部署へ確認すべきか」

「追加で確認すべき質問」

まで整理したコメント案を作成できます。

もちろんAIが示す原因は推測に過ぎないため、実際の原因確認は人が行わなければなりません。

利用するときの注意点

生成AIには便利な面だけでなく注意点もあります。

代表的なのは「ハルシネーション」です。

もっともらしい内容でも誤った情報を生成することがあるため、

  • 数値
  • 固有名詞
  • 法令引用
  • 判断

については必ず人が確認する必要があります。

また、経理データには個人情報や未公表の業績情報が含まれる場合があります。

そのため、社内で承認されたセキュアな生成AI環境を利用し、情報管理ルールを守ることも重要です。

これからの表計算業務はどう変わるのか

生成AIの進化は、Excelそのものの使い方を変えようとしています。

これまでは関数やマクロを覚え、操作方法を習得することが重要でした。

しかし今後は、

「このデータを集計してください」

「グラフを作成してください」

と自然な言葉で指示するだけで、AIがExcelを操作する時代へ向かっています。

さらにAIは会計システムなど他の業務システムとも連携し、人が複雑な操作をしなくても業務を自律的に進める方向へ発展すると考えられています。

結論

生成AIとExcelの組み合わせは、経理業務の効率化を大きく前進させる可能性を持っています。

特に、システムでは処理しきれない周辺業務や、Excelによる集計・分析・分類・コメント作成などでは高い効果が期待できます。

一方で、生成AIはあくまで「補助者」です。最終判断や数値の確認、法令適用、情報管理などは人が責任を持って行わなければなりません。

これから経理担当者に求められる能力は、Excelを操作する技術だけではなく、生成AIへ適切な指示を出し、その結果を正しく評価・活用する力へと変化していくでしょう。

参考

  • 『企業実務』2026年8月号「セミナーレポート すぐに使える!経理担当者のための『生成AI×Excel』最強時短術」
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