老後にリゾート会員権を持つメリットは何か 時間が増える60代以降ほど利用価値が高まりやすい理由編

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リゾート会員権というと、現役時代に高所得者が購入するぜいたく品というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、実際の利用価値という視点から考えると、むしろ60代以降に相性のよい面があります。

理由は時間です。

現役時代にはお金があっても、旅行へ行く時間がありません。

土日や大型連休に旅行が集中します。

一方、退職後や勤務日数を減らした後には平日も旅行できるようになります。

リゾート会員権は購入価格だけで価値が決まるものではありません。

何年間で何泊利用できるかによって価値が大きく変わります。

時間という資産が増える60代以降だからこそ、会員権を有効活用できる可能性があるのです。

現役時代は旅行できる日が限られる

会社員として働いていると、旅行できる日はどうしても限られます。

土曜日と日曜日。

祝日。

ゴールデンウイーク。

夏休み。

年末年始。

多くの会社員が同じような日に休むため、旅行需要も集中します。

ホテル料金が高くなりやすい時期であり、道路や観光地も混雑します。

会員制ホテルでも人気日には予約が集中します。

つまり現役時代は、

会員権を持っているのに利用できる日が少ない

ということが起こりやすいのです。

退職すると時間の使い方が変わる

60代以降になり、退職したり勤務日数を減らしたりすると、生活の中で大きく変わるものがあります。

自由に使える時間です。

これまで土曜日に出発して日曜日に帰っていた旅行を、

月曜日に出発して水曜日に帰る

という形に変えられます。

混雑する連休を避けることもできます。

天気予報を見てから旅行日を決めることもできます。

旅行に使える時間の自由度が高くなることは、会員制リゾートを利用するうえで大きなメリットになります。

平日に利用できることが大きな強みになる

前回取り上げたように、会員制ホテルでは客室数に限りがあります。

特に繁忙期には予約が集中します。

しかし、旅行日を平日にずらせる人なら選択肢が広がります。

火曜日から木曜日まで滞在する。

連休の翌週に旅行する。

夏休みのピークを避ける。

こうした使い方ができます。

同じ会員権でも、土日しか旅行できない人と平日も利用できる人では、実際の利用価値が違ってくるのです。

利用回数が増えるほど購入費を薄められる

リゾート会員権には購入費があります。

さらに年会費などの固定的な負担が必要になる場合があります。

これらの費用は、利用回数が少ないほど1泊あたりの負担が大きくなります。

たとえば300万円の会員権を10年間利用するとします。

10年間で50泊しか利用しなければ、購入費だけでも1泊あたり6万円です。

一方、10年間で200泊利用すれば、

300万円割る200泊で1万5000円

です。

同じ300万円でも、利用回数によって1泊あたりの負担は大きく変わります。

年会費も利用回数が多いほど薄まる

年会費についても同じです。

仮に年間12万円の固定的な負担があるとします。

年間4泊なら、

12万円割る4泊で3万円

です。

年間12泊なら、

12万円割る12泊で1万円

です。

年間24泊なら、

12万円割る24泊で5000円

です。

実際には会員権ごとに料金体系や利用条件が異なりますが、固定費を利用回数で考えるという基本は変わりません。

時間に余裕があり頻繁に利用できる人ほど、固定費を多くの宿泊へ振り分けられます。

老後は長期滞在もしやすくなる

現役時代の旅行は、

1泊2日

2泊3日

になりやすいでしょう。

月曜日から仕事があるからです。

しかし退職後なら、

3泊4日

4泊5日

といった旅行も選びやすくなります。

一つの地域にゆっくり滞在する旅行ができます。

観光地を次々と回るのではなく、ホテルそのものを楽しむ旅行もできます。

会員制リゾートは、このような滞在型の旅行との相性がよい場合があります。

旅行回数そのものを増やせる

現役時代は年間2回しか旅行できなかった人でも、退職後なら毎月旅行することも可能になります。

春は温泉。

夏は高原。

秋は紅葉。

冬は暖かい地域。

このように季節に合わせて旅行先を変えることができます。

系列の複数施設を利用できる会員権なら、一つの施設だけではなく各地のリゾートを利用できる場合があります。

会員権の価値を、

年に一度の旅行

ではなく、

年間を通じた余暇の基盤

として考えることもできるのです。

海外旅行との価格差も考える

2026年に国内リゾートへの関心が高まっている背景には、海外旅行の負担増があります。

円安になれば、海外ホテルや食事などを円換算した金額が大きくなります。

現地の物価上昇も加わります。

航空運賃や燃油サーチャージも旅行費用に影響します。

JTBの2026年夏の旅行動向では、海外旅行の平均費用は1人32万3000円、国内旅行は4万8500円とされています。

もちろん旅行日数や内容が違うため単純比較はできません。

それでも海外旅行の金銭的なハードルが高くなっていることは、国内リゾートを選ぶ理由の一つになります。

年齢を重ねると移動負担も変わる

海外旅行では長時間の飛行機移動が必要になることがあります。

空港まで移動する。

出国手続きをする。

長時間飛行機に乗る。

現地で時差に対応する。

帰国後に再び移動する。

若いころには苦にならなかった旅行でも、年齢を重ねると身体的な負担を感じることがあります。

その点、国内旅行なら比較的短時間で移動できる場所を選べます。

国内リゾートへの需要は、価格だけでなく移動負担の面からも考えることができます。

車で行ける距離にも価値がある

自宅から数時間で行けるリゾート施設なら、旅行の心理的なハードルはさらに下がります。

飛行機を予約する必要がない。

海外旅行保険を考える必要もない。

為替を気にする必要もない。

数日前に予定を決めることもできます。

特に何度も利用することを前提にするなら、

一生に一度行きたい場所

より、

毎年何度も行きやすい場所

の方が会員権との相性はよくなります。

夫婦で使えば利用価値も変わる

老後の旅行では夫婦で利用するケースも多いでしょう。

会員権の価値を考えるときには、一人だけの利用回数ではなく家族全体の利用状況を見る必要があります。

夫婦で毎月旅行する。

子どもや孫と旅行する。

家族の記念日に利用する。

このような使い方ができれば、施設を利用する機会は増えます。

単純な金融資産の利回りとは違い、家族が一緒に過ごす時間そのものが会員権から得られる価値になります。

孫との旅行という使い方もある

60代以降では、子どもだけでなく孫との旅行を考える人もいるでしょう。

夏休みに孫と旅行する。

三世代で温泉へ行く。

誕生日や記念日に家族で集まる。

自宅とは違う場所で家族が一緒に過ごす機会をつくれます。

リゾート会員権を単に本人のレジャーとしてではなく、

家族が集まる場所

として考えることもできます。

これは市場価格だけでは測れない価値です。

ただし高齢になれば利用回数が減る可能性もある

一方、老後なら必ず会員権がお得になるわけではありません。

60代では年間20泊できても、70代、80代と年齢を重ねれば旅行回数が減る可能性があります。

長距離運転が難しくなる。

体力が低下する。

家族の介護が必要になる。

自分自身が遠出をしにくくなる。

さまざまな変化が考えられます。

購入時の利用回数が生涯続くという前提で計算しないことが重要です。

車を運転しなくなった後も行けるか

老後のリゾート会員権では、交通手段も重要です。

60代では自家用車で簡単に行ける施設でも、将来運転免許を返納すれば状況が変わります。

鉄道駅から近いのか。

送迎バスがあるのか。

タクシーで無理なく移動できるのか。

家族に送ってもらわなければ利用できないのか。

長期保有を考えるなら、

今行きやすいか

だけでなく、

80歳になっても行きやすいか

という視点が必要です。

会員権を何歳まで持つかも考える

リゾート会員権は、必ず一生持ち続けなければならないものではありません。

中古市場で売却できるものであれば、

60代から70代まで十分利用する。

旅行回数が減ったら売却する。

という考え方もできます。

重要なのは出口をあらかじめ考えておくことです。

何歳ごろまで利用する予定なのか。

利用回数が年間何泊まで減ったら売却を考えるのか。

子どもは相続したいのか。

こうした基準を持っておけば、利用しなくなった会員権を漫然と保有し続けることを防ぎやすくなります。

老後資金を使いすぎないことも重要

もちろん老後に時間があるからといって、会員権へ多額のお金を使ってよいとは限りません。

老後には生活費が必要です。

医療や介護に備える資金も必要です。

住宅の修繕費などが発生することもあります。

長生きすれば、それだけ長期間の生活資金が必要になります。

リゾート会員権は生活必需品ではありません。

余裕資金の範囲で楽しむことが基本になります。

購入価格ではなく生涯利用額で考える

老後のリゾート会員権で最も重要なのが、この視点です。

300万円だから高い。

100万円だから安い。

という購入価格だけの判断ではありません。

たとえば100万円で購入して5泊しか利用しなければ、購入費だけでも1泊20万円です。

一方、300万円で購入して200泊利用すれば、購入費は1泊あたり1万5000円です。

もちろん年会費や利用料金、将来の売却価格なども考える必要があります。

それでも、

いくらで買うか

より、

生涯で何泊使うか

の方が会員権の価値を考えるうえで重要になる場合があります。

時間も老後の重要な資産になる

現役時代には、

お金はあるけれど時間がない

という人がいます。

老後には逆に、

時間はあるけれど、その時間をどう使うか

という問題が出てきます。

旅行。

趣味。

家族との時間。

学び。

地域活動。

老後の豊かさは金融資産の残高だけでは決まりません。

自由になった時間をどのように使うかも重要です。

リゾート会員権は、その時間を旅行へ振り向けたい人にとって一つの選択肢になります。

結論

老後にリゾート会員権を持つ最大のメリットは、単に会員向け料金でホテルを利用できることではありません。

時間の自由度が高くなることで、会員権を実際に使いやすくなることです。

平日に旅行できる。

繁忙期を避けられる。

長期滞在できる。

年間の旅行回数を増やせる。

こうした条件がそろえば、購入費や年会費などの固定的な負担を多くの宿泊へ振り分けることができます。

一方、年齢を重ねれば旅行回数が減る可能性があります。

運転できなくなった後の交通手段も考える必要があります。

そして老後資金のすべてを旅行に使うことはできません。

だからこそリゾート会員権は、

値上がりするか

だけで選ぶものではありません。

何歳から何歳まで使うのか。

年間何泊するのか。

夫婦や家族でどの程度利用するのか。

利用しなくなったらどう手放すのか。

ここまで考えて購入する必要があります。

60代以降に増える最大の資産の一つは、自由に使える時間です。

リゾート会員権は、その時間を旅行という体験へ変えるための一つの道具と考えることができます。

購入価格ではなく、生涯でどれだけ利用し、どれだけ豊かな時間を得られるのか。

その視点で考えることが、老後のリゾート会員権選びでは最も重要なのです。

参考

日本経済新聞 2026年9月5日朝刊 リゾート会員権 最高値 7月411万円 円安で国内旅行回帰

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