会員制ホテルはなぜ予約が取りにくくなるのか 会員が増えても部屋数は簡単に増えない理由編

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数百万円を支払ってリゾート会員権を購入したのだから、好きなときにホテルへ泊まれる。

そう考えてしまうかもしれません。

しかし、会員権を持っていることと、希望する日に必ず予約できることは別の問題です。

特にゴールデンウイークやお盆、年末年始など、多くの人が旅行したい日は予約が集中します。

会員が増えてもホテルの客室数はすぐには増えません。

そのため会員権を購入するときには、

どんなホテルを利用できるのか

だけでなく、

自分が利用したい日に本当に予約できるのか

を確認することが重要です。

会員権は客室そのものではない

まず理解したいのが、会員権を購入することとホテルの一室を自由に所有することは同じではないという点です。

会員権の仕組みによって違いはありますが、多くの場合、契約で定められた条件に従って施設を利用します。

つまり、

この部屋は自分のものだから365日いつでも泊まれる

という仕組みとは限りません。

同じ施設を多くの会員が利用します。

そのため利用したい日が重なれば、予約の競争が生じます。

客室数には限りがある

たとえば100室の会員制ホテルがあるとします。

ある日に宿泊できるのは、基本的にはその客室数の範囲です。

200人の会員が同じ日に宿泊を希望しても、客室を突然200室に増やすことはできません。

これが会員制ホテルの予約問題の基本です。

会員権という権利は増やせても、物理的なホテルの客室を増やすには時間と多額の資金が必要です。

土地を取得する。

建物を建設する。

設備を整える。

従業員を確保する。

新しいホテルを一つ増やすだけでも大きな事業になります。

会員数と客室数のバランスが重要

会員制ホテルでは、

会員が何人いるか

だけを見ても十分ではありません。

その会員数に対してどの程度の客室が用意されているかが重要です。

仮に1000人の会員が100室を利用する仕組みと、5000人の会員が100室を利用する仕組みでは、予約環境は同じではありません。

もちろん実際には全会員が同じ日に利用するわけではありません。

それでも会員数が増えるほど、人気日に予約希望が集中する可能性は高くなります。

旅行したい日は多くの人が似ている

ホテル予約で難しいのは、人によって旅行したい日が完全にばらばらではないことです。

ゴールデンウイーク。

夏休み。

お盆。

年末年始。

連休。

土曜日。

こうした日に需要が集中します。

年間を通じた客室数が十分でも、特定の日だけ需要が供給を大幅に上回ることがあります。

会員制ホテルでも同じです。

年間の平均だけを見て、

客室は十分ある

と判断することはできません。

平日は空いていても土曜日は取れないことがある

たとえば年間を通じてホテルの稼働率に余裕があったとしても、平日と休日では状況が違います。

火曜日や水曜日には空室がある。

しかし土曜日は毎週のように満室になる。

ということがあり得ます。

会社員で土日しか旅行できない人にとっては、

年間では空室が多い

という情報にあまり意味がありません。

自分が利用できる日に予約できるかどうかが重要だからです。

会員権の価値は予約の取りやすさでも変わる

同じ300万円の会員権でも、予約の取りやすさによって実際の利用価値は変わります。

毎年20泊利用したいと思って購入した。

しかし希望日に予約が取れず、年間5泊しか利用できなかった。

この場合、購入前に想定していた経済性は大きく変わります。

会員権購入費や年会費などの固定費を5泊で負担することになるからです。

予約の取りやすさは単なる利便性の問題ではありません。

1泊あたりの実質負担にも影響する重要な要素なのです。

利用可能日数が決められている場合もある

リゾート会員権には、年間に利用できる日数や利用方法などについて条件が設けられているものがあります。

そのため、

会員になれば年間何泊でも使える

とは限りません。

年間の利用可能日数。

予約できる時期。

利用できる客室。

繁忙期の扱い。

こうした条件を確認する必要があります。

購入価格が安くても、自分の旅行スタイルに合わない利用条件なら価値は低くなります。

予約方法も確認する

予約方法も会員権選びでは重要です。

何カ月前から予約できるのか。

先着順なのか。

抽選があるのか。

キャンセル待ちはできるのか。

繁忙期には特別なルールがあるのか。

こうした制度によって、実際の使いやすさは変わります。

特に毎年決まった時期に旅行したい人は、繁忙期の予約ルールを確認する必要があります。

人気施設ほど予約が集中しやすい

会員制ホテルのネットワークに複数の施設があっても、人気は均等ではありません。

交通の便が良い。

景色が良い。

温泉がある。

新しく開業した。

観光地として人気が高い。

こうした施設には予約が集中しやすくなります。

10カ所のホテルを利用できる会員権でも、

実際に行きたいホテルは2カ所だけ

ということもあります。

その2カ所が非常に人気なら、利用できる施設数が多いことがそのまま予約の取りやすさにつながるわけではありません。

客室のグレードでも予約状況が変わる

同じホテルでも、客室にはさまざまなタイプがあります。

広い部屋。

眺望の良い部屋。

家族向けの部屋。

少人数向けの部屋。

会員権の種類によって利用できる客室のグレードが異なる場合もあります。

ホテル全体には空室があっても、

自分の会員資格で利用したい客室は満室

ということも考えられます。

ホテル全体の予約状況だけではなく、自分の会員権でどの客室を利用できるのかを見る必要があります。

系列ホテルを利用できることが助けになる

一方、複数の系列施設を利用できる会員権にはメリットがあります。

第一希望の軽井沢が満室でも、別の地域の系列施設なら予約できる。

このように旅行先を柔軟に変更できれば、会員権を利用する機会を増やせます。

今回の記事でも、会員権によっては熱海の初島や軽井沢など、同等クラスの複数ホテルを利用できる例が紹介されています。

一つの施設だけに利用先が固定されないことは、予約の分散という意味でも重要です。

旅行先を柔軟に変えられる人ほど使いやすい

会員制ホテルとの相性は旅行スタイルによって変わります。

毎年8月第2週に軽井沢へ行きたい。

という人は予約条件の影響を強く受けます。

一方、

日程は平日でもよい。

場所も複数から選べる。

空いている施設へ旅行する。

という人なら利用機会を増やしやすくなります。

同じ会員権でも、利用者の自由度によって価値が変わるわけです。

退職後は平日利用という選択肢が増える

会社員の場合、旅行できる日が土日や大型連休に集中しやすくなります。

しかし退職後は状況が変わります。

月曜日から木曜日までの平日に旅行することもできます。

繁忙期を避けることもできます。

そのため同じリゾート会員権でも、現役時代より退職後の方が利用しやすくなる人もいます。

これは老後にリゾート会員権を考えるうえで重要な特徴です。

平日利用には別のメリットもある

平日は予約が取りやすくなる可能性があるだけではありません。

観光地そのものが比較的空いていることがあります。

道路の渋滞を避けやすい。

レストランに入りやすい。

観光施設も混雑しにくい。

旅行日程を自由に選べる人にとって、会員制リゾートの価値は高まりやすくなります。

単に会員権価格を見るのではなく、自分が持っている時間の自由度も重要なのです。

中古で買う前に実際の予約状況を調べる

中古会員権が魅力的な価格で売られていると、

安いうちに買おう

と思うかもしれません。

しかし購入前には予約条件を確認する必要があります。

年間何泊利用できるのか。

繁忙期はどうなるのか。

予約開始日はいつか。

希望する施設は取りやすいのか。

キャンセル待ちはどのような仕組みか。

こうした情報を確認せずに価格だけで購入すると、

会員権は持っているのに使えない

ということになりかねません。

安い会員権には理由がある可能性も考える

中古市場で極端に安い会員権を見つけた場合には、

なぜ安いのか

を考えることも大切です。

施設の人気が低いのか。

維持費が高いのか。

利用条件が厳しいのか。

予約が取りにくいのか。

単に市場全体の価格が下落しているのか。

価格はさまざまな要因の結果として形成されます。

安いことだけを購入理由にしないことが重要です。

会員が増えれば運営会社にはメリットがある

会員制リゾートの運営会社にとって、会員が増えることにはメリットがあります。

会員権販売による収入。

年会費などの継続収入。

施設利用による収入。

事業を拡大するためには会員基盤を広げることが重要です。

一方で会員を増やしすぎて予約が取りにくくなれば、既存会員の満足度が低下する可能性があります。

運営会社には、

会員を増やすこと

と

会員が実際に利用できる環境を維持すること

のバランスが求められます。

予約の取りやすさは中古価格にも影響する

予約しやすく、実際によく使える会員権なら、

自分も欲しい

という人が増える可能性があります。

反対に、

人気日はほとんど予約できない

という評判が広がれば、中古市場での需要が弱くなる可能性があります。

つまり予約の取りやすさは、現在の利用価値だけでなく将来の売却価値にも関係することがあります。

会員権の価値を考えるときには、施設の豪華さと同じくらい実際の使いやすさを見る必要があります。

結論

会員制ホテルの会員権を持っていても、希望する日に必ず宿泊できるとは限りません。

理由は単純です。

会員が増えても、ホテルの客室数は簡単には増えないからです。

特に、

土曜日

大型連休

夏休み

お盆

年末年始

などは多くの会員の希望が集中します。

さらに利用できる客室のグレードや年間利用日数、予約方法などによっても実際の使いやすさは変わります。

そのため会員権を購入するときには、

どのホテルを利用できるか

だけでは不十分です。

自分が旅行できる曜日に予約できるのか。

繁忙期の予約ルールはどうなっているのか。

複数施設を利用できるのか。

年間何泊程度を現実的に利用できるのか。

ここまで確認する必要があります。

特に退職後など時間に余裕があり、平日に旅行できる人は、繁忙日を避けることで会員権を活用しやすくなります。

リゾート会員権の価値は、

持っていること

では決まりません。

実際に予約して泊まれることによって初めて生まれます。

数百万円の購入価格を見る前に、自分が使いたい日に使える権利なのかを確認することが重要なのです。

参考

日本経済新聞 2026年9月5日朝刊 リゾート会員権 最高値 7月411万円 円安で国内旅行回帰

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