フィボナッチ分析とは何か 相場の節目を予測するテクニカル分析編

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株式や為替のチャートを見ていると、「38.2%戻し」や「61.8%戻し」といった言葉を目にすることがあります。これらは、テクニカル分析の代表的な手法である「フィボナッチ分析」で用いられる水準です。

2026年夏の日米協調介入後の円相場でも、市場関係者は「155円前後が重要な節目になる」と指摘しました。その根拠の一つとして挙げられたのがフィボナッチ分析です。

今回は、フィボナッチ分析の基本的な考え方や為替市場での活用方法について解説します。

フィボナッチ分析とは

フィボナッチ分析とは、相場が上昇や下落を続けた後、どの程度戻す可能性があるかを予測するテクニカル分析です。

その根拠となるのが「フィボナッチ数列」です。

フィボナッチ数列とは、

1、1、2、3、5、8、13、21、34……

のように、前の二つの数字を足すと次の数字になる数列です。

この数列から導き出される比率は、自然界にも数多く存在するとされ、植物の葉の並び方や貝殻の形状、台風の渦などにも見られることから、「黄金比」として知られています。

金融市場では、この比率が投資家心理にも反映されるという考え方から、売買の目安として利用されています。

フィボナッチ比率とは

フィボナッチ分析で特に重要なのが、次の三つの比率です。

・38.2%

・50.0%

・61.8%

このうち61.8%は黄金比と呼ばれる最も重要な比率です。

38.2%は比較的浅い押し目や戻りを示し、61.8%は深い調整局面を示すことが多いとされています。

なお、50%はフィボナッチ数列から直接導かれる数字ではありませんが、市場参加者が意識する水準として広く利用されています。

38.2%戻し・50%戻し・61.8%戻しとは

例えば、ドル円相場が160円から150円まで10円下落したとします。

その後の戻り局面では、

・38.2%戻しなら約153.8円

・50%戻しなら155円

・61.8%戻しなら約156.2円

が意識されます。

これらの水準では利益確定や新たな売買注文が集まりやすく、相場が反転するケースが少なくありません。

もちろん必ず反転するわけではありませんが、多くの投資家が注目するため、実際に節目となることが多くあります。

為替市場での活用方法

為替市場では、大きな相場変動が起きた後にフィボナッチ分析がよく利用されます。

例えば、大幅な円安が進んだ後には、「どこまで円高へ戻るのか」という目安として利用されます。

反対に、大きく円高になった後には、「どこまで円安方向へ反発するのか」を考える際にも活用されます。

2026年夏の日米協調介入後も、多くの市場関係者が155円前後を重要な節目として注目しました。

これは、直前までの円安局面を基準にフィボナッチ比率を当てはめた結果、38.2%戻し付近に相当すると考えられたためです。

他のテクニカル分析と組み合わせる

フィボナッチ分析は単独で使うよりも、他のテクニカル分析と組み合わせることで精度が高まります。

例えば、

・移動平均線

・一目均衡表

・サポートライン

・レジスタンスライン

などと重なる価格帯は、多くの投資家が注目する重要なポイントになります。

複数の分析結果が一致するほど、市場参加者の売買が集中しやすくなるためです。

フィボナッチ分析の注意点

フィボナッチ分析は将来の価格を保証するものではありません。

市場では重要な経済指標や中央銀行の政策変更、地政学リスクなどによって、一瞬で相場が予想外の方向へ動くことがあります。

また、どの高値と安値を基準に計算するかによって、水準が変わる場合もあります。

そのため、フィボナッチ分析は「売買ポイントを考えるための目安」として利用し、ファンダメンタルズ分析や他のテクニカル分析と組み合わせて判断することが重要です。

結論

フィボナッチ分析は、相場の押し目や戻りの目安を探るために世界中の投資家が利用する代表的なテクニカル分析です。

38.2%、50%、61.8%といった水準は、市場参加者が意識する価格帯となりやすく、為替市場でも重要な節目として注目されています。

ただし、これらの比率は将来の値動きを確実に予測するものではありません。経済情勢や金融政策などのファンダメンタルズも踏まえながら総合的に判断することで、より精度の高い投資判断につながります。

参考

日本経済新聞 2026年8月5日 朝刊
「ポジション〉『円売り停止』、介入後に兆候 チャート分析、3年連続『8月円高』現実味 相場の節目は155円」

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