住宅ローン金利上昇はマンション購入予算をどう変えるのか 物件価格が同じでも返済負担が増える理由編

FP
緑 赤 セミナー ブログアイキャッチ - 1

マンション価格が変わっていなくても、住宅ローン金利が上昇すれば購入者の負担は増えます。

例えば5,000万円のマンションを購入する場合、住宅ローン金利が1%のときと3%のときでは毎月返済額が大きく違います。

つまり、住宅ローン金利が上昇するということは、実質的には同じ予算で購入できる住宅の価格が下がることを意味します。

住宅購入を考えるときには、物件価格だけを見てはいけません。

重要なのは、住宅価格と住宅ローン金利を組み合わせた毎月返済額です。

金利上昇時代には、「いくらのマンションを買いたいか」から考えるのではなく、「毎月いくらなら無理なく返済できるか」から購入予算を逆算することが重要になります。

同じ5,000万円でも負担は同じではない

マンションの価格が5,000万円なら、いつ購入しても5,000万円の負担だと思うかもしれません。

しかし、住宅ローンを利用する場合にはそうではありません。

住宅ローンには利息がかかるためです。

金利が低ければ利息負担は小さくなります。

金利が高くなれば、同じ金額を借りても毎月返済額と総返済額は増えます。

そのため、住宅価格がまったく変わらなくても、住宅ローン金利が上昇しただけで実質的な住宅購入負担は大きくなります。

金利が上がると毎月返済額が増える

例えば4,000万円を35年間、元利均等返済で借りるケースを考えてみます。

金利が年1%なら、毎月返済額はおおむね11万円台です。

年2%なら13万円台になります。

年3%になると15万円台になります。

借入額は同じ4,000万円でも、金利が1%から3%へ上昇すれば、毎月の返済負担には数万円の差が生じます。

毎月4万円程度の差でも、年間では約48万円です。

住宅ローンは数十年間返済するため、金利差の影響は長期間続きます。

購入予算を下げれば返済額を維持できる

金利が上昇しても毎月返済額を増やしたくない場合には、借入額を減らす必要があります。

例えばこれまで5,000万円まで購入できると考えていた人でも、金利上昇後には4,500万円や4,000万円程度まで予算を下げる必要が出てくることがあります。

頭金を増やして借入額を減らす方法もあります。

つまり、金利上昇は住宅ローンの返済額だけの問題ではありません。

購入できる物件価格そのものにも影響します。

住宅価格が下がっていなくても、家計から見た購入可能額は下がることがあるのです。

年収から購入価格を決めない

住宅購入では、「年収の何倍まで買えるか」という考え方が使われることがあります。

しかし、同じ年収でも金利水準によって安全に借りられる金額は変わります。

年収800万円の人が金利1%の時代に4,000万円を無理なく返済できたとしても、金利が上昇すれば同じ借入額の負担は重くなります。

さらに、教育費や生活費なども考える必要があります。

そのため、「年収800万円だから5,000万円の住宅まで大丈夫」というように、年収だけから購入予算を決めるのは適切ではありません。

毎月返済額から逆算することが重要です。

変動金利なら将来の上昇も考える

変動金利型住宅ローンでは、借入時の金利だけを使って購入予算を決めないことが重要です。

例えば現在の適用金利なら毎月返済額が12万円だったとしても、将来金利が上昇すれば負担が増える可能性があります。

そこで、金利がさらに1%上昇した場合や2%上昇した場合にも返済を続けられるかを試算します。

現在の低い返済額で限界まで住宅ローンを借りてしまうと、金利上昇時に家計の余裕がなくなります。

変動金利を利用する場合ほど、購入予算に余裕を持たせる必要があります。

マンションでは住宅ローン以外の費用も増える

マンション購入では、住宅ローンだけを見て購入予算を決めることにも注意が必要です。

住宅ローン返済とは別に、管理費や修繕積立金などが必要です。

駐車場を利用すれば駐車場代もかかります。

固定資産税などの負担もあります。

特に修繕積立金は将来引き上げられる可能性があります。

住宅ローン金利が上昇して返済額が増え、同時に管理費や修繕積立金も増えれば、住宅関連費全体が家計を圧迫します。

マンションの購入予算は住宅ローン返済額だけではなく、住宅関連費全体で考える必要があります。

物件価格が下がるまで待てばよいとは限らない

住宅ローン金利が上昇すると、「金利が上がればマンション価格も下がるのではないか」と考えることがあります。

確かに金利上昇によって住宅購入者の負担が増えれば、住宅需要を弱める要因になります。

しかし、マンション価格は金利だけで決まるわけではありません。

土地価格、建築費、人件費、供給量、立地、所得などさまざまな要因が影響します。

そのため、住宅ローン金利が上昇したからといって、マンション価格が同じ割合で下落するとは限りません。

金利上昇と住宅価格下落が相殺してくれることを前提に購入計画を立てることには注意が必要です。

頭金を増やす方法にも限界がある

金利上昇への対策として、頭金を増やして住宅ローン借入額を減らす方法があります。

借入額が減れば毎月返済額と利息負担を抑えることができます。

しかし、購入予算を維持するために貯蓄の大部分を頭金へ回してしまうと、購入後の手元資金が不足する可能性があります。

教育費や生活防衛資金、住宅修繕などに必要な現金は残しておかなければなりません。

頭金を増やして無理に高いマンションを購入するのではなく、物件価格そのものを見直すことも選択肢になります。

毎月返済可能額から物件価格を逆算する

金利上昇時代には、住宅購入の順番を変えることが重要です。

最初に欲しいマンションを決め、その価格に合わせて住宅ローンを組むのではありません。

まず家計から無理なく支払える住宅費を考えます。

そこから管理費や修繕積立金などを差し引き、住宅ローンに使える毎月返済額を決めます。

さらに金利上昇を想定し、その返済額で借りられる住宅ローンの金額を計算します。

最後に頭金を加えて購入可能な物件価格を決めます。

この順番なら、住宅価格に家計を合わせるのではなく、家計に住宅価格を合わせることができます。

結論

住宅ローン金利が上昇すると、マンション価格が変わっていなくても購入者の負担は増えます。

同じ4,000万円を借りても、金利が1%の場合と3%の場合では毎月返済額と総返済額が大きく違います。

そのため、金利上昇時代には住宅購入予算そのものを見直す必要があります。

重要なのは、年収から「いくら借りられるか」を考えることではありません。

管理費や修繕積立金なども含めた住宅費として、「毎月いくらまでなら無理なく支払えるか」を先に決めることです。

そして変動金利を利用する場合には、現在の金利だけではなく、さらに金利が上昇した場合でも返済できる借入額に抑える必要があります。

住宅価格が高いから住宅ローンを増やすのではなく、金利が上昇した分だけ購入予算を引き下げるという考え方も必要になります。

金利上昇時代のマンション購入では、欲しい物件の価格から住宅ローンを考えるのではなく、家計が負担できる返済額から購入価格を逆算することが重要です。

参考

日本経済新聞 2026年9月26日 朝刊 住宅ローン金利上昇に備え 借入額抑制や貯蓄が重要に

タイトルとURLをコピーしました