オルタナ投資で最初に決めるべきことは何か 商品選びより投資目的を先に考える理由編

FP
緑 赤 セミナー ブログアイキャッチ - 1

オルタナティブ投資の商品が個人にも広がると、どうしても「どの商品を買えばよいのか」に関心が向きます。

PEなのか。

不動産なのか。

どの商品なら高いリターンを期待できるのか。

しかし、オルタナ投資を考えるときに最初に決めるべきなのは商品ではありません。

何のためにオルタナ資産へ投資するのかという目的です。

高いリターンを狙うのか、株式などとの分散効果を求めるのかによって、選ぶべき資産も引き受けるリスクも変わります。

商品選びから始めるのではなく、投資目的から逆算して資産配分を考えることが重要です。

オルタナ投資には2つの大きな目的がある

オルタナ投資を利用する目的は、大きく分けると2つあります。

1つは、より高いリターンを狙うことです。

PEなどでは、流動性リスクなど上場株式にはない追加的なリスクを引き受けることで、追加的なリターンを狙います。

もう1つは、分散投資です。

不動産など、株式や債券とは異なる収益源を持つ資産を組み入れることで、ポートフォリオ全体のリスクを分散できる可能性があります。

同じオルタナ投資でも、この2つでは目的が違います。

高いリターンが目的ならリスクを見る

高いリターンを狙うのであれば、まず「なぜ高いリターンを期待できるのか」を考える必要があります。

流動性を手放すからなのか。

投資先企業の事業リスクを取るからなのか。

信用リスクを引き受けるからなのか。

企業価値を高めることで追加的な収益を生み出すからなのか。

高いリターンには、その源泉があります。

期待リターンだけを見て商品を選ぶのではなく、そのリターンを得るためにどのようなリスクを取る必要があるのかを理解することが重要です。

分散が目的なら値動きの理由を見る

分散投資が目的であれば、単に「株式との相関が低い」という数字だけでは十分ではありません。

なぜ値動きが違うのかを見る必要があります。

例えば、不動産には賃料収入があります。

株式とは異なる収益源を持つため、分散効果が期待できる場合があります。

一方、オルタナ資産には毎日の市場価格がないものもあります。

そのため、価格評価の頻度が低いことによって、株式との相関が低く見えている場合があります。

本当に異なるリスクを持つのか、それとも価格のつき方が違うだけなのかを区別する必要があります。

商品を先に選ぶと目的が逆転する

例えば、高い利回りを示すオルタナ商品を見つけたとします。

魅力を感じて購入した後で、

「これは長期的な資産形成のため」

と目的を考えるとどうでしょうか。

本来は目的に合わせて商品を選ぶべきところを、購入した商品に合わせて目的を作っていることになります。

これでは順番が逆です。

まず自分が何を実現したいのかを決めます。

その目的を達成するために必要な資産を考えます。

最後に、その資産へ投資するための商品を選びます。

この順番が重要です。

資産配分から考える

投資商品を選ぶ前に、自分の資産全体を見ることも必要です。

預金はいくらあるのか。

株式や投資信託はいくらあるのか。

債券を保有しているのか。

自宅や賃貸不動産などを持っているのか。

そして、それぞれのお金をいつ使うのか。

こうした情報を整理したうえで、現在の資産配分に何が不足しているのかを考えます。

オルタナ資産を追加することで不足している機能を補えるのであれば、投資する意味が出てきます。

長期間使わない資金かを確認する

オルタナ投資では、投資目的だけでなく投資期間も重要です。

PEなどには、長期間資金を動かせない商品があります。

そのため、生活費や近い将来に使う資金を投資することには注意が必要です。

例えば、10年後まで使う予定のない資金なら、一定の流動性リスクを引き受けられるかもしれません。

一方、3年後に住宅購入などで使う予定の資金であれば、長期間解約できない商品とは相性がよくありません。

商品の運用期間と、自分がお金を使う時期を合わせる必要があります。

オルタナ投資をしないという選択肢もある

投資目的から考えると、オルタナ投資をする必要がないという結論になる場合もあります。

例えば、世界の株式へ幅広く分散された投資信託を長期保有することで、自分が求める資産形成を実現できるのであれば、無理に複雑な商品を追加する必要はありません。

また、十分な流動資産を持っていない段階では、換金しにくい資産を増やさない方が自分の目的に合う場合もあります。

オルタナ投資は、資産運用に必ず必要なものではありません。

目的を達成するための選択肢の1つです。

他人の資産配分をそのまま真似しない

機関投資家がオルタナ資産への投資を増やしているという情報は参考になります。

しかし、その投資比率を個人がそのまま真似する必要はありません。

大学基金には大学基金の目的があります。

年金基金には年金基金の目的があります。

個人には生活や老後など、それぞれのお金を使う目的があります。

投資期間も必要な流動性も違います。

したがって、他人の資産配分ではなく、自分の目的から自分の資産配分を作る必要があります。

定期的に目的へ戻る

投資した後も、最初に決めた目的へ戻ることが重要です。

市場環境が変化すると、別の商品が魅力的に見えることがあります。

高いリターンの商品が話題になることもあります。

しかし、そのたびに商品を追加していけば、いつの間にか資産全体が当初の目的から離れてしまう可能性があります。

そこで、

なぜこの資産を持っているのか

どのリスクを分散するためなのか

いつまで保有するのか

という点を定期的に確認します。

目的が変われば、資産配分を見直す必要もあります。

結論

オルタナ投資で最初に決めるべきなのは、商品ではなく投資目的です。

高いリターンを狙うのか。

分散効果を求めるのか。

長期間使わない資金を活用するのか。

目的によって、選ぶべき資産も許容できるリスクも変わります。

そのうえで、資産全体の配分、投資期間、流動性、手数料などを確認し、目的に合う商品を選びます。

話題になっているから投資する。

機関投資家が増やしているから投資する。

高い利回りだから投資する。

こうした商品起点の考え方ではなく、「自分の資産運用に何が必要なのか」から逆算することが重要です。

オルタナ投資は目的ではありません。

自分の投資目的を実現するために利用する手段の1つなのです。

参考

日本経済新聞 2026年9月26日朝刊 何のためのオルタナ投資か

タイトルとURLをコピーしました