リゾート会員権の価格が暴落することはあるのか バブル期の高級会員権から学べること編

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中古リゾート会員権の価格が上昇しています。

2026年7月の平均価格は411万円となり、比較可能な2019年1月以降で最高値を更新しました。

価格が上昇していると、

これからも値上がりするのではないか

と思いたくなります。

しかし、リゾート会員権の価格は保証されているものではありません。

買いたい人より売りたい人が増えれば価格は下がります。

過去には、資産価格の上昇を背景に高額な会員権などが人気を集め、その後の環境変化によって大きく価格を下げた例もあります。

現在の価格上昇を考えるうえでも、バブル期の経験から学べることがあります。

会員権には市場価格がある

リゾート会員権は、一度購入したら価格が変わらない商品ではありません。

中古市場で売買される会員権には市場価格があります。

買いたい人が増えれば価格は上がりやすくなります。

反対に売りたい人が増えれば価格は下がりやすくなります。

株式ほど頻繁に売買されるものではありませんが、価格が需給によって動くという基本的な仕組みは同じです。

したがって、

300万円で買ったから300万円の価値がある

とは限りません。

バブル期には高額な会員権が注目された

日本では1980年代後半から1990年代初めにかけて、土地や株式などの資産価格が大幅に上昇しました。

いわゆるバブル経済です。

資産価格が上がり、人々や企業の間に強い楽観論が広がると、高額な消費や資産購入も活発になります。

ゴルフ会員権やリゾート関連の権利などにも高い価格が付くものがありました。

施設を利用する価値だけではなく、

将来もっと高く売れるかもしれない

という期待が購入を後押しすることもあります。

実需とは何か

ここで重要になるのが実需です。

実需とは、実際にその商品やサービスを利用するための需要です。

リゾート会員権なら、

家族旅行で使いたい

温泉へ頻繁に行きたい

老後に国内旅行を楽しみたい

という理由で購入する人です。

仮に中古価格が上昇しなくても、本人は施設を利用することで価値を得られます。

会員権本来の目的に沿った需要といえます。

投機需要とは何か

一方、投機需要では購入目的が変わります。

ホテルを利用したいから買うのではなく、

今300万円で買えば来年500万円で売れるかもしれない

と考えて購入します。

この場合、会員権の利用価値より将来の値上がり期待が重要になります。

価格が上昇している間は、この行動がさらに価格を押し上げることがあります。

値上がりする。

値上がりを見て新しい買い手が入る。

さらに価格が上がる。

この循環が続くと、実際の利用価値から離れて価格だけが上昇することがあります。

値上がりが値上がりを呼ぶことがある

たとえば本来300万円程度で取引されていた会員権が400万円になったとします。

それを見た人が、

人気があるから500万円になるかもしれない

と購入します。

500万円になると別の人が、

600万円になるかもしれない

と購入します。

この段階になると、

この施設を年間何泊利用するのか

より、

次にもっと高く買ってくれる人がいるか

が重要になってきます。

これが投機的な価格上昇の怖いところです。

価格上昇には限界がある

しかし価格が永遠に上昇することはできません。

500万円。

700万円。

1000万円。

と価格が上昇すれば、買える人は少なくなります。

さらに普通のホテルを利用する場合との価格差も大きくなります。

年間数泊しか旅行しない人なら、

そこまで高い会員権を買う必要があるのか

と考えるでしょう。

利用価値に対して価格が高くなりすぎれば、実際に使いたい人の需要が弱くなる可能性があります。

買い手が減ると市場は変わる

価格上昇を支えるためには、新しい買い手が必要です。

ところが高値になりすぎて買い手が減ると、市場の需給が変わります。

500万円で売りたい人はいる。

しかし500万円で買いたい人はいない。

買い手は400万円なら買うと言う。

すると売却したい人は価格を下げる必要があります。

一人が400万円で売れば、それが新しい市場価格の目安になることがあります。

価格上昇とは逆の動きが始まるのです。

値下がりが値下がりを呼ぶこともある

価格が下落すると、

もっと下がる前に売りたい

と考える保有者が増える可能性があります。

売り物件が増えます。

一方、買い手は、

まだ安くなるかもしれない

と購入を待ちます。

すると売り手が増える一方で買い手が減ります。

需給はさらに悪化します。

価格上昇局面で起きた循環が、今度は逆方向に働くわけです。

これが短期間で大きな値下がりにつながることがあります。

暴落すると含み益は消える

300万円で購入した会員権が500万円になれば、単純な含み益は200万円です。

しかし売却しないまま市場価格が250万円まで下落したとします。

200万円あった含み益は消え、購入価格と比べれば50万円の含み損になります。

500万円だったときに、

200万円儲かった

と感じていても、売却していなければ利益は確定していません。

以前取り上げた含み益と実現した利益の違いが、価格下落局面では特に重要になります。

高値で買った人ほど影響が大きい

同じ会員権が100万円から500万円へ上昇した後、200万円まで下落したとします。

100万円で購入した人は、それでも購入価格を上回っています。

しかし500万円で購入した人は300万円の値下がりです。

同じ200万円という市場価格でも、

いつ買ったか

によって損益は大きく違います。

価格上昇局面の終盤で購入した人ほど、相場が反転したときの影響が大きくなりやすいのです。

年会費があることが株式との大きな違い

さらにリゾート会員権には、株式とは違う問題があります。

価格が下落しても、保有している間は年会費などが必要になる場合があります。

500万円で購入した会員権が100万円まで下落した。

売りたくないので価格が戻るまで待つ。

その間にも年間の維持費が発生する。

ということがあり得ます。

価格下落による含み損に加えて、保有コストも続く可能性があるのです。

売却したくても買い手がいないことがある

価格が暴落したときに、

損切りすればよい

と考えるかもしれません。

しかし会員権は上場株式ほど流動性が高いとは限りません。

100万円なら売りたい。

しかし80万円でも買い手がいない。

ということも考えられます。

市場価格とは、

その値段で確実にいつでも売れる価格

ではありません。

売却したい人が急増する局面では、実際に現金化できる価格が想定以上に低くなる可能性があります。

施設の老朽化も価格に影響する

会員権価格を左右するのは景気だけではありません。

リゾート施設そのものも年を取ります。

新築時には最新だった施設も、20年、30年たてば老朽化します。

大規模な修繕が必要になることもあります。

一方で新しく魅力的なリゾート施設が登場します。

古い施設の人気が低下すれば、その施設を利用する会員権への需要も弱くなる可能性があります。

長期保有する場合には、施設の将来性も考える必要があります。

運営会社の信用力も重要になる

会員権の価値は施設だけで決まるものでもありません。

運営会社が安定して事業を継続できるかも重要です。

特に預託金制の会員権では、運営会社の信用力が預託金の返還にも関係します。

どれほど豪華な施設でも、運営主体に問題が生じれば会員権の価値に影響する可能性があります。

リゾート会員権を長期資産として見るなら、

ホテルの人気

と

運営会社の信用力

の両方を見る必要があります。

2026年の価格上昇は何が違うのか

今回の記事で注目されるのは、現在の価格上昇が実際の宿泊需要に支えられているとみられる点です。

円安。

海外の物価上昇。

航空運賃。

燃油サーチャージ。

こうした要因によって海外旅行の負担感が大きくなっています。

その結果、国内旅行へ需要が向かい、会員制リゾートを実際に利用したい人が増えています。

さらに株高による資産効果も、高額消費を後押しする要因になっています。

中価格帯の取引が増えていることにも注目する

記事では、100万円以上300万円未満の中価格帯が取引全体の42%を占め、前月から8ポイント上昇したとされています。

一方、300万円以上の高価格帯の割合は40%から25%へ低下しました。

これは、

高ければ高いほど売れている

という単純な市場ではないことを示しています。

実際に利用することを考えながら、手の届きやすい価格帯を選ぶ動きが強まっていると考えることができます。

実需中心かどうかを見るうえで興味深い動きです。

実需中心でも価格は下がる

ただし、

今回は実需だから暴落しない

と考えるのも危険です。

実需も変化するからです。

円高になれば海外旅行へ需要が戻るかもしれません。

景気が悪化すれば高額消費を控える人が増えるかもしれません。

株価が大幅に下落すれば、逆資産効果が生じる可能性があります。

高齢の保有者が増え、一斉に会員権を売却することも考えられます。

実需に支えられている市場でも、需給が逆転すれば価格は下がります。

買うなら値上がりしなくても満足できるかを考える

リゾート会員権を購入するときの一つの判断方法があります。

それは、

購入後に価格が一度も上がらなくても、この会員権が欲しいか

と考えることです。

300万円で購入して、10年後も300万円。

あるいは200万円になっている。

それでも10年間十分に施設を利用できれば満足できる。

そう考えられるなら、価格変動だけに依存した購入ではありません。

反対に、

500万円になると思うから300万円で買う

のであれば、値上がり期待への依存度が高くなります。

結論

リゾート会員権の価格が大きく下落する可能性はあります。

中古会員権の価格も、基本的には買いたい人と売りたい人の需給によって決まるからです。

価格上昇が続くと、

もっと高く売れる

という期待から投機的な買いが増えることがあります。

しかし買い手が減り、売り手が増えれば流れは逆転します。

さらに会員権には、

施設の老朽化

旅行需要の変化

景気悪化

運営会社の信用力

継続的な維持費

といった独自のリスクがあります。

2026年の価格上昇は、円安などを背景とした国内旅行への回帰という実需が支えている点で、単純な投機相場とは違います。

それでも将来の価格が保証されているわけではありません。

リゾート会員権を購入するときに重要なのは、

これから値上がりするか

だけを予想することではありません。

仮に値下がりしても、その施設を十分利用して満足できるかを考えることです。

価格が上がらなくても持っていたい。

何年も使うことで購入した価値を回収できる。

そう考えられる会員権を選ぶことが、価格変動に振り回されないための基本になります。

リゾート会員権の本当の価値は、中古市場の価格だけではありません。

その権利を持っている間に、どれだけ実際に使えるかによっても決まるのです。

参考

日本経済新聞 2026年9月5日朝刊 リゾート会員権 最高値 7月411万円 円安で国内旅行回帰

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