免責額とは何か 保険料を抑える仕組み編

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火災保険の見積書を見ていると、「免責額」という項目を目にすることがあります。

「免責」と聞くと難しい制度のように感じますが、実は家計と保険料のバランスを考えるうえで、とても重要な仕組みです。

保険料を少しでも安くしたいからといって、補償内容を削ることだけが選択肢ではありません。

免責額を適切に設定することで、必要な補償を維持しながら保険料を抑えられる場合があります。

今回は、免責額の基本的な考え方と、利用する際の注意点について解説します。

免責額とは自己負担する金額

免責額とは、保険事故が発生したときに契約者が自己負担する金額のことです。

例えば、免責額を20万円に設定し、住宅に100万円の損害が発生した場合、契約者が20万円を負担し、残り80万円が保険金として支払われます。

反対に、損害額が15万円であれば、免責額の範囲内となるため、保険金は支払われません。

つまり、小さな損害は自分で負担し、大きな損害に備える仕組みが免責額なのです。

なぜ免責額を設定すると保険料が安くなるのか

保険会社は、小規模な事故でも保険金を支払う場合、事故調査や事務手続きなど多くのコストが発生します。

免責額を設けると、小規模な事故では保険金を支払う機会が減るため、保険会社の負担も軽くなります。

その結果、契約者の保険料を低く設定できるのです。

保険会社にとっても契約者にとっても合理的な仕組みといえます。

メリットは保険料を抑えられること

免責額を設定する最大のメリットは、毎年支払う保険料を節約できることです。

火災保険は長期間契約することが多いため、年間ではわずかな差でも、5年、10年と積み重なれば家計への影響は小さくありません。

また、「本当に困る大きな災害にだけ保険を使う」という考え方にも合っています。

保険は頻繁に利用するものではなく、大きな損失に備えるための仕組みだからです。

デメリットは小さな損害を自己負担すること

一方で、免責額を高く設定しすぎると、小規模な損害が発生した際にはすべて自己負担になります。

例えば、台風で屋根の一部が破損したり、飛来物で窓ガラスが割れたりした場合でも、修理費用が免責額を下回れば保険金は受け取れません。

保険料を節約できても、自己負担額が大きくなりすぎれば本来の安心は得られません。

保険料だけではなく、自分が無理なく負担できる金額を考えて設定することが大切です。

免責額が向いている人とは

免責額の設定が向いているのは、一定の預貯金があり、小規模な修理費であれば家計で対応できる人です。

例えば、数十万円程度の修理費を生活費に影響なく支払えるのであれば、高めの免責額を設定して保険料を抑える選択肢があります。

一方、急な出費に余裕がない家庭では、免責額を低めに設定したほうが安心できる場合もあります。

正解は一つではありません。

家計の状況に応じて、自分に合った水準を選ぶことが重要です。

保険は「安心を買う仕組み」

保険は、すべての損害を補償してもらうための商品ではありません。

自分では対応できない大きな損失に備えるための仕組みです。

その考え方に立てば、小さな損害は自己負担し、大きな災害に備えるという免責額の仕組みは合理的な選択ともいえます。

保険料だけを見るのではなく、「どの程度までなら自分で負担できるか」という視点で契約内容を考えることが、賢い保険の選び方につながります。

結論

免責額とは、事故が発生した際に契約者自身が負担する金額のことです。

免責額を設定すると保険料は安くなりますが、その代わり小規模な損害は自己負担になります。

大切なのは、保険料の安さだけで判断するのではなく、自分の家計や貯蓄状況を踏まえて、無理のない自己負担額を設定することです。

保険は万一の大きな損失から生活を守るためのものです。免責額の仕組みを正しく理解することで、必要な補償と家計の負担とのバランスを取りやすくなるでしょう。

参考

日本経済新聞 2026年7月29日夕刊

マネー相談 黄金堂パーラー 自宅の損害に備える 上 火災保険

日本経済新聞 2026年7月29日夕刊

家計全体で支出見直し

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