フレックスプラス20時間とは何か 月ごとの労働時間を増減させて働ける仕組み編

人生100年時代
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フレックスタイム制というと、朝早く仕事を始めて早く終えたり、遅く仕事を始めて遅く終えたりする制度をイメージする人が多いと思います。

しかし、カオナビが導入している働き方には、さらに特徴的な仕組みがあります。

フレックスプラス20時間です。

元記事では、月間の所定労働時間をプラスマイナス20時間の幅で調整できる働き方として紹介されています。

つまり、単に一日の始業時刻や終業時刻を変えるだけではなく、月単位で働く時間そのものに一定の幅を持たせています。

仕事が多い時期と少ない時期、あるいは生活上の予定が多い時期と少ない時期に合わせて勤務時間を調整できるところが特徴です。

月間所定労働時間とは何か

フレックスプラス20時間を理解するためには、まず月間の所定労働時間について考える必要があります。

所定労働時間とは、会社の就業規則や労働契約などによって定められている労働時間です。

たとえば一日8時間働く会社であれば、勤務日数に応じて一カ月に働く時間が決まります。

一般的な働き方では、この所定労働時間を基準として社員が勤務します。

フレックスタイム制を導入している会社であれば、毎日の始業時刻や終業時刻をある程度変更することができます。

ただし、始業時刻や終業時刻を変更できることと、一カ月に働く時間そのものを増減できることは別の話です。

ここがフレックスプラス20時間を理解するポイントになります。

プラスマイナス20時間とは何か

元記事では、カオナビのフレックスプラス20時間について、月間の所定労働時間をプラスマイナス20時間の幅で調整できる制度として紹介されています。

たとえば、ある月は通常より勤務時間を少なくし、別の月は通常より勤務時間を多くするといった調整が考えられます。

重要なのは、毎月まったく同じ時間だけ働くことを前提にしない点です。

会社の仕事量は一年を通じて一定とは限りません。

忙しい時期もあれば、比較的余裕のある時期もあります。

社員の生活も同じです。

家庭の予定が多い月もあれば、仕事に時間を使いやすい月もあります。

月単位の勤務時間に一定の幅を持たせることで、こうした変化に対応しやすくする考え方です。

ただし、元記事では制度の概要としてプラスマイナス20時間の幅で調整できることが示されていますが、具体的な精算方法など詳細な運用ルールまでは説明されていません。

そのため、制度を利用する際には会社が定める具体的なルールを確認することが重要になります。

通常のフレックスとは何が違うのか

通常のフレックスタイム制とフレックスプラス20時間は、どちらも働く時間を柔軟にする制度です。

ただし、柔軟にする対象が異なります。

通常のフレックスタイム制では、主に一日の中で働く時間帯を調整します。

今日は早く仕事を始める。

明日は遅く仕事を始める。

ある日は早めに仕事を終える。

このように、始業時刻や終業時刻を調整することが中心になります。

一方、元記事で紹介されているフレックスプラス20時間は、月間の所定労働時間そのものをプラスマイナス20時間の幅で調整できる仕組みです。

つまり、

一日の中でいつ働くか。

一カ月でどれくらい働くか。

この二つは別の問題です。

働く時間帯だけでなく、月単位の勤務時間にも柔軟性を持たせているところに特徴があります。

スーパーフレックスとも役割が違う

前回取り上げたスーパーフレックスとも違いがあります。

元記事では、スーパーフレックスについて、従来のコアタイムを廃止し、朝5時から夜10時までの間で任意の時間帯を選択して働ける制度として紹介されています。

こちらは、主として一日のどの時間帯に働くかという自由度を高める仕組みです。

一方、フレックスプラス20時間は、月間の所定労働時間を調整する仕組みです。

働く時間についての自由といっても、一種類ではありません。

何時から何時まで働くのかという自由があります。

一日の途中で仕事を抜ける自由もあります。

さらに、一カ月の勤務時間を調整する自由もあります。

カオナビでは、こうした複数の仕組みを組み合わせることで、社員が自分に合った働き方を選択できるようにしています。

仕事量に合わせて勤務時間を調整する

仕事には波があります。

毎月まったく同じ仕事量になるとは限りません。

大きなプロジェクトが動いている時期には仕事量が増えることがあります。

反対に、比較的仕事量が落ち着いている時期もあります。

毎月同じ勤務時間を前提にすると、仕事が少ない時期でも同じ時間働き、忙しい時期には残業が増えるということが起こり得ます。

月間の勤務時間に一定の幅を持たせる考え方であれば、こうした仕事量の変化に勤務時間を合わせやすくなります。

働く時間を固定するのではなく、実際の仕事の状況に合わせて調整するわけです。

これは、働いた時間そのものよりも、どのように仕事の成果を出すかを重視する働き方とも相性がよい考え方です。

生活に合わせて調整する意味

勤務時間を調整する理由は、会社側の仕事量だけではありません。

社員側の生活にも波があります。

たとえば子どもの学校行事が多い時期があります。

家庭の事情によって、仕事に使える時間が通常より少なくなる月もあるでしょう。

反対に、生活上の予定が少なく、仕事に時間を使いやすい時期もあります。

毎月同じ働き方しか認められなければ、生活側の事情を仕事に合わせなければなりません。

働く時間に一定の幅を持たせることができれば、社員側が仕事と生活のバランスを調整しやすくなります。

カオナビが導入しているMy Work Styleは、社員が時間や場所にとらわれず、自分のワークスタイルに合った環境でパフォーマンスを発揮できることを目指しています。

フレックスプラス20時間も、そのための選択肢の一つと考えることができます。

一つの制度ですべてを解決しない

元記事で興味深いのは、一つの柔軟な勤務制度だけを導入しているわけではないことです。

出社とリモート勤務を選択できるハイブリッド勤務があります。

勤務途中で家事や育児などのために仕事を抜けられるスイッチワークがあります。

月間の所定労働時間を調整できるフレックスプラス20時間があります。

そして、コアタイムをなくしたスーパーフレックスがあります。

社員が抱えている事情は一人ひとり違うため、一つの制度ですべてに対応することは難しいからです。

働く場所を変えたい人もいます。

働く時間帯を変えたい人もいます。

一日の途中で仕事を抜けたい人もいます。

月単位で勤務時間を調整したい人もいます。

複数の選択肢を用意し、社員自身が自分に合ったものを選択できるようにすることが制度全体の特徴です。

柔軟になるほど勤怠管理は複雑になる

一方、月ごとの勤務時間まで柔軟にすると、会社側の勤怠管理は複雑になります。

社員ごとに働く時間が異なるからです。

誰がどれだけ働いたのか。

月間の勤務時間はどの程度になっているのか。

働きすぎている社員はいないのか。

こうした情報を会社側が正確に把握する必要があります。

元記事でも、社員ごとに働き方が異なることで勤怠管理は複雑になるものの、自社の勤怠システムによって対応していることが紹介されています。

働き方の自由度を高めるためには、それを支える勤怠管理の仕組みが必要です。

社員に自由を与えることと、労働時間を管理しなくてよいことは同じではありません。

むしろ自由度が高くなるほど、会社側には正確な管理が求められます。

結論

フレックスプラス20時間とは、元記事で紹介されているカオナビの制度で、月間の所定労働時間をプラスマイナス20時間の幅で調整できる働き方です。

通常のフレックスタイム制が主として始業時刻や終業時刻を柔軟にするのに対し、フレックスプラス20時間では月単位の勤務時間にも一定の幅を持たせています。

仕事には忙しい時期と落ち着いている時期があります。

社員の生活にも、仕事に時間を使いやすい時期と使いにくい時期があります。

毎月まったく同じ働き方を求めるのではなく、こうした変化に勤務時間を合わせられるようにすることに意味があります。

一方、社員ごとに勤務時間が異なれば、勤怠管理は複雑になります。

柔軟な働き方を実現するためには、社員自身による時間管理と、それを支える会社の勤怠管理の両方が欠かせません。

働く時間を会社が一律に決めるのではなく、仕事量や生活に合わせて一定の範囲で調整する。

フレックスプラス20時間は、働く時間を固定されたものから調整できるものへ変えていく仕組みの一つだといえるでしょう。

参考

企業実務 2026年9月号 場所と時間に縛られない働き方で生産性向上を目指す

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