ショッピングモールは、単なる「買い物施設」なのでしょうか。
現在、多くのショッピングモールでは、
- 飲食店
- 映画館
- フードコート
- 子ども向け施設
- イベントスペース
- 医療施設
- フィットネス
- 行政窓口
まで併設されています。
休日になると、
- 家族連れ
- 高齢者
- 学生
- カップル
など、多くの人が集まります。
一方で、かつて地域コミュニティの中心だった、
- 商店街
- 個人商店
- 地域市場
は減少しています。
では現在、ショッピングモールは「地域の居場所」になったのでしょうか。
今回は、「疑似コミュニティ」という視点から考えてみます。
ショッピングモールは「生活インフラ化」した
かつてショッピングモールは、
「大型買い物施設」
という位置づけでした。
しかし現在では、
- 食事
- 娯楽
- 医療
- 教育
- 行政サービス
まで集約されています。
特に地方では、
「生活機能の集積地」
になっているケースも少なくありません。
つまりショッピングモールは、
「モノを買う場所」
から、
「生活時間を過ごす場所」
へ変化したのです。
商店街が持っていた「地域性」
以前の商店街には、
- 顔なじみ関係
- 世間話
- 地域情報交換
- 常連文化
がありました。
店主と客の関係も長期的で、
- 子どもの成長
- 家族構成
- 地域行事
なども共有されていました。
つまり商店街は、
「地域コミュニティ」
そのものでもあったのです。
しかし現在では、
- 個人商店減少
- 後継者不足
- 郊外化
- EC拡大
などによって、こうした関係性は弱まりました。
モールは「匿名空間」である
ショッピングモールでは、多くの人が集まります。
しかしそこでは、
- 店員と客
- 客同士
の関係は比較的匿名的です。
商店街のように、
「顔を覚えられる関係」
は少なくなります。
つまりモールは、
「人は集まるが、深い関係は生まれにくい空間」
とも言えるのです。
これは現代社会の特徴とも重なります。
現在は、
- SNS
- リモート化
- 単独世帯増加
などによって、
「浅く広い接点」
は増えましたが、
「深い地域関係」
は減少しています。
それでも人は「居場所」を求める
一方で、現代人は孤独感も抱えています。
特に、
- 高齢単身世帯
- 子育て孤立
- 地域関係希薄化
が進む中で、
「誰かがいる空間」
への需要は高まっています。
そのためショッピングモールは、
- 涼める
- 座れる
- 人がいる
- 安全
- トイレがある
という理由で、
「滞在空間」
として利用されるようになっています。
特に高齢者では、
「買い物目的」
より、
「外出目的」
として利用するケースもあります。
フードコートは「現代の広場」なのか
象徴的なのがフードコートです。
フードコートでは、
- 勉強する学生
- 会話する高齢者
- 子ども連れ家族
- 一人で過ごす人
など、多様な人が同じ空間にいます。
これは昔の、
- 商店街
- 公園
- 地域広場
に近い側面もあります。
つまりフードコートは、
「消費空間」
であると同時に、
「滞在空間」
にもなっているのです。
モールは「天候に左右されない街」になった
ショッピングモールの強みは、
- 空調完備
- 駐車場完備
- バリアフリー
- 全天候型
である点です。
特に地方では、
- 猛暑
- 豪雨
- 積雪
などの影響も受けやすいため、
「安全に長時間滞在できる場所」
として機能しています。
つまりモールは、
「人工的な街空間」
を形成しているとも言えるのです。
「疑似コミュニティ」という側面
ただし、ショッピングモールのコミュニティには特徴があります。
それは、
「消費を前提にしたコミュニティ」
である点です。
モールでは、
- 店舗
- 飲食
- イベント
などを通じて人が集まります。
しかし、その基盤には常に「商業」があります。
つまりモールは、
「地域共同体」
というより、
「商業によって維持される疑似コミュニティ」
とも言えるのです。
地域の公共空間は減っている
現在、
- 公園縮小
- 商店街衰退
- 公民館利用減少
なども進んでいます。
その結果、
「無料で人が集まれる場所」
が減少しています。
その空白を、ショッピングモールが埋めている面があります。
つまりモールは、
「公共空間の代替」
になっているのです。
しかしモールは永続するのか
一方で、ショッピングモールも永遠ではありません。
人口減少が進めば、
- テナント撤退
- 空床増加
- 集客低下
も起こります。
またEC拡大によって、
「物販機能」
だけでは厳しくなっています。
そのため最近では、
- 体験型施設
- 医療連携
- 教育施設
- 行政窓口
などを増やすモールもあります。
つまりモール自身も、
「単なる商業施設」
から、
「地域滞在空間」
へ進化しようとしているのです。
結論
ショッピングモールは、単なる買い物施設を超え、
- 滞在空間
- 娯楽空間
- 疑似公共空間
として機能するようになっています。
特に現代社会では、
- 孤独化
- 地域関係希薄化
- 単独世帯増加
が進んでおり、
「人がいる場所」
への需要が高まっています。
その結果、ショッピングモールは、
「地域の居場所」
としての役割を持ち始めているのです。
ただし、それは、
「商業によって支えられたコミュニティ」
でもあります。
つまり現代社会では、
- 商店街
- 地域共同体
が弱まる一方で、
- ショッピングモール
- 商業空間
が「新しい居場所」の役割を担い始めているのかもしれません。
参考
・国土交通省「まちづくり関連資料」
・総務省「地域コミュニティに関する調査」
・経済産業省「商業動態統計」
・各種流通・商業施設関連資料・報道資料