オルタナ投資で高い利回りを期待するほどリスクも高くなるのか リターンの裏側にあるリスクを考える編

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オルタナティブ投資の魅力として、高いリターンへの期待が挙げられることがあります。

例えばPEでは、上場株式を上回るリターンを目指す運用が行われます。

個人向けの商品でも、預金や一般的な債券などより高い利回りが示されていれば、魅力的に感じるかもしれません。

しかし、投資の世界では、高いリターンだけが独立して存在するわけではありません。

高いリターンが期待されるのであれば、なぜそれだけのリターンを期待できるのかを考える必要があります。

その裏側には、流動性リスク、信用リスク、価格変動リスクなど、投資家が引き受けている何らかのリスクが存在することが一般的です。

リスクとリターンは表裏一体

投資では一般に、より高いリターンを求めれば、それに応じて何らかのリスクを引き受けることになります。

例えば預金は、一定の条件のもとで元本の安全性が高い一方、大きなリターンを期待するものではありません。

株式では企業の成長による大きなリターンを期待できますが、株価が大きく下落する可能性もあります。

オルタナ投資も同じです。

高い期待リターンが示されているのであれば、そのリターンがどのようなリスクを引き受ける対価なのかを見る必要があります。

PEには上場株式とは違うリスクがある

PEは非上場企業へ投資します。

企業へ投資するという点では上場株式と共通していますが、大きな違いがあります。

非上場株式には、証券取引所で毎日売買できる市場がありません。

そのため、投資先企業の業績が悪化したからといって、すぐに売却できるとは限りません。

さらに、企業価値を高めて将来売却するという運用では、計画通りに企業が成長しない可能性もあります。

上場株式より高いリターンを期待できるとしても、それは追加的なリスクを取っていることと無関係ではありません。

流動性リスクがリターンの源泉になる

オルタナ投資で特に重要なのが流動性リスクです。

流動性リスクとは、売りたいときに売れなかったり、希望する価格で換金できなかったりするリスクです。

投資家にとって、いつでも現金化できることには価値があります。

その便利さを手放すのであれば、その対価として追加的なリターンが求められます。

これが流動性プレミアムです。

つまり、オルタナ投資の高い期待リターンの一部は、「長期間お金を自由に使えないこと」への対価である可能性があります。

信用リスクを取っている場合もある

投資商品の高い利回りが、信用リスクから生まれている場合もあります。

信用リスクとは、お金を貸した相手などが予定通り返済できなくなるリスクです。

一般に、返済能力への不確実性が高い相手へ資金を提供する場合、投資家はより高い利回りを求めます。

したがって、高い利回りが提示されている場合には、

誰に資金を提供しているのか

返済原資は何なのか

事業が悪化した場合にどうなるのか

などを確認する必要があります。

利回りの高さだけでは、その投資が有利かどうかは判断できません。

価格変動リスクが見えにくい場合もある

オルタナ資産では、価格変動リスクそのものが見えにくいことがあります。

上場株式は毎日市場価格がつくため、値下がりすればすぐ数字に表れます。

一方、非上場企業や現物不動産などでは、毎日価格がつくわけではありません。

評価額が一定期間変わらなければ、価格が安定しているように見えることがあります。

しかし、経済環境が変化していれば、実際の資産価値も変化している可能性があります。

価格変動が見えないことと、価格変動リスクがないことは違います。

高い利回りが保証されているわけではない

もう1つ重要なのが、「期待リターン」という言葉です。

例えば、ある投資で高いリターンが期待されていても、その数字が将来必ず実現するわけではありません。

事業環境が変わることがあります。

金利が上昇することもあります。

投資先企業の業績が悪化する可能性もあります。

不動産であれば空室率や賃料が変化することがあります。

高い期待リターンを、預金金利のように確実に受け取れる数字として考えてはいけません。

リスクを取れば必ず高いリターンになるわけではない

ここで特に注意したいのが、リスクとリターンの関係です。

「高いリターンを期待するには高いリスクを取る必要がある」

という考え方は、

「高いリスクを取れば必ず高いリターンが得られる」

という意味ではありません。

大きなリスクを取った結果、大きな損失になることもあります。

リスクとは、利益を保証するものではありません。

期待していた結果から外れる可能性を引き受けることです。

この違いを理解することが重要です。

何の対価として高いリターンがあるのかを見る

高い期待リターンの商品を見つけたときには、まず「なぜ高いのか」と考えることが重要です。

資金を長期間動かせないからなのか。

投資先の信用リスクが高いからなのか。

企業価値が大きく変動する可能性があるからなのか。

投資対象そのものが複雑だからなのか。

高いリターンの理由を分解していくと、自分がどのリスクを引き受けているのかが見えてきます。

説明できない高いリターンを、そのまま魅力と考えるべきではありません。

自分が取れるリスクかを考える

同じリスクでも、投資家によって受け入れられるかどうかは違います。

10年以上使わない資金を持つ人であれば、一定の流動性リスクを取れるかもしれません。

一方、数年以内に生活費として使う予定の資金であれば、長期間換金できないことは大きな問題になります。

重要なのは、

「この商品はリスクが高いか低いか」

だけではありません。

「このリスクを自分は引き受けられるか」

という視点です。

リスクの大きさだけでなく、リスクの種類を見る必要があります。

結論

オルタナ投資で高いリターンが期待される場合、その裏側には何らかのリスクが存在すると考える必要があります。

流動性リスク。

信用リスク。

価格変動リスク。

事業リスク。

こうしたリスクを引き受ける対価として、追加的なリターンが期待される場合があります。

しかし、リスクを取れば必ず高いリターンが得られるわけではありません。

リスクを取った結果、大きな損失になる可能性もあります。

そのため、高い利回りを見たときに最初に考えるべきなのは「どれだけ儲かるか」ではありません。

「なぜこのリターンを期待できるのか」です。

高いリターンの裏側にあるリスクを理解し、そのリスクを自分が引き受けられるかを判断することが、オルタナ投資では重要なのです。

参考

日本経済新聞 2026年9月26日朝刊 何のためのオルタナ投資か

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