選択的週休3日制とは何か 1日8時間週5日勤務だけを正社員の標準にしない仕組み編

人生100年時代
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正社員の働き方というと、

1日8時間

週5日勤務

週休2日

という形をイメージする人が多いでしょう。

例えば月曜日から金曜日まで働き、土曜日と日曜日を休む働き方です。

しかし、正社員だからといって必ず週5日働かなければならないわけではありません。

働き方を柔軟にする方法の一つとして注目されているのが「選択的週休3日制」です。

会社が一律に週休3日にするのではなく、希望する社員が一定の条件の下で週3日の休日を選べるようにする考え方です。

ただし、週休3日制にはいくつかの方法があります。

休日が1日増える代わりに労働時間そのものを減らす方法もあれば、1日の勤務時間を長くして週全体の労働時間を維持する方法もあります。

同じ週休3日でも、仕組みによって賃金や働き方への影響は大きく異なります。

選択的週休3日制とは何か

選択的週休3日制とは、希望する社員が週3日の休日を選択できる働き方です。

例えば通常の社員が、

月曜日から金曜日まで勤務

土曜日と日曜日が休日

だとします。

選択的週休3日制を利用する社員は、

月曜日

火曜日

木曜日

金曜日

に働き、

水曜日

土曜日

日曜日

を休むといった働き方が考えられます。

週の途中に休日を入れることもできますし、会社の制度によっては3連休にすることも考えられます。

全社員を週休3日にする制度とは違う

重要なのが「選択的」という点です。

会社全体を一律に週休3日にする制度ではありません。

週5日働きたい人は従来通り働く。

週4日勤務を希望する人は週休3日を選ぶ。

このように複数の働き方を用意します。

社員によって生活事情が違うためです。

育児や介護のため平日に1日休みたい人もいれば、週5日勤務を続けたい人もいます。

会社が一つの働き方を全社員へ当てはめるのではなく、社員に選択肢を持たせる考え方です。

労働時間を減らす方式とは何か

週休3日制の一つが、休日を増やすと同時に週全体の労働時間も減らす方式です。

例えば通常勤務が、

1日8時間

週5日

なら、週の労働時間は40時間です。

これを、

1日8時間

週4日

にすれば、週の労働時間は32時間になります。

労働時間は20パーセント減ります。

この場合、会社の制度によっては労働時間の減少に応じて賃金も変わることがあります。

短時間正社員の一つの形として制度設計することも考えられます。

1日の勤務時間を長くする方式もある

一方、週全体の労働時間を維持しながら休日を増やす考え方もあります。

例えば週40時間働くことを維持し、

1日10時間

週4日

働けば、週の労働時間は40時間になります。

週5日勤務から週4日勤務になりますが、週全体の労働時間は変わりません。

その代わり、勤務する日の労働時間が長くなります。

同じ週休3日でも、

1日8時間で週4日

と、

1日10時間で週4日

では大きく違います。

制度を見るときには、休日の日数だけではなく週全体の労働時間を見ることが重要です。

給料が減るとは限らない

週休3日になると、

給料も必ず減る

と思われることがあります。

しかし、これも制度によって異なります。

例えば労働時間を週40時間から32時間へ減らし、それに合わせて基本給を調整する会社も考えられます。

一方、業務の生産性を高めることで労働時間を減らしても一定の給与水準を維持する制度設計も考えられます。

また、週4日勤務でも週全体の所定労働時間を維持する方式なら事情は異なります。

つまり、

週休3日だから給与はいくらになる

と一律には決まりません。

勤務先の就業規則や賃金制度を確認する必要があります。

育児との相性がよい

選択的週休3日制は、育児との両立にも利用できます。

例えば水曜日を休日にすれば、

子どもの通院

学校行事

行政手続き

家事

などを平日に行うことができます。

週5日勤務の場合、こうした予定のたびに有給休暇を取得する必要があります。

毎週平日に休日があれば、生活の予定を組みやすくなります。

介護にも利用できる

介護でも平日の時間が必要になることがあります。

例えば、

親を病院へ連れて行く

ケアマネジャーと面談する

介護施設を訪問する

行政手続きをする

といった用事です。

これらは平日に行われることが少なくありません。

毎週決まった曜日を休みにできれば、介護と仕事を両立しやすくなる場合があります。

介護を理由に仕事を辞めるのではなく、働く日数を調整して仕事を続ける選択肢になります。

学び直しにも使える

週休3日制は育児や介護だけの制度ではありません。

例えば、

大学院へ通う

資格の勉強をする

専門技術を学ぶ

副業に取り組む

といった時間にも利用できます。

企業側から見ても、社員が新しい知識や技術を身につけ、それを本業へ生かせればメリットがあります。

人生が長くなり、働く期間も長くなるほど、仕事を続けながら学び直す必要性は高まります。

週休3日制は、そのための時間を確保する方法にもなります。

時短勤務との違い

時短勤務では、

1日8時間から6時間へ短くする

というように、1日の勤務時間を短縮する形が一般的です。

一方、週休3日制では、

働く日そのものを1日減らす

という方法があります。

例えば週32時間働く場合でも、

1日6時間24分で週5日

という方法と、

1日8時間で週4日

という方法があります。

週全体の労働時間が同じでも、生活への影響は違います。

毎日早く帰りたい人には1日の時短勤務が合うかもしれません。

平日にまとまった1日の時間が必要な人には週休3日制が合うかもしれません。

多様な正社員との関係

選択的週休3日制は、正社員の働き方を多様化する考え方とも関係します。

従来は、

正社員なら週5日フルタイム

という前提が強くありました。

しかし、短時間正社員という考え方が広がれば、

週5日で1日の時間を短くする

だけでなく、

週4日働く

という形も考えられます。

重要なのは、

正社員であること

と、

週5日働くこと

を必ずしも同じにしないことです。

企業の採用力にも影響する

求人条件が、

週5日フルタイム勤務必須

であれば、その条件では働けない人は応募できません。

しかし、

週4日勤務も選択可能

となれば応募できる人が増える可能性があります。

例えば、

育児中の人

介護中の人

学び直しをしている人

一定の時間だけ働きたいシニア人材

などです。

人手不足が進む中では、

会社の標準的な勤務形態に合わせられる人だけを探す

よりも、

働ける人に合わせて勤務形態を増やす

という考え方が重要になります。

仕事の見直しも必要になる

週5日で行っていた仕事を、そのまま週4日に押し込めばよいわけではありません。

例えば毎週40時間必要な仕事を32時間勤務の社員へそのまま渡せば、勤務日だけが過密になります。

必要なのは、

不要な仕事を減らす

会議を短くする

業務を標準化する

仕事をチームで共有する

デジタル化する

といった業務改善です。

これは時短勤務と同じです。

勤務時間を柔軟にするためには、仕事の仕組みも柔軟にする必要があります。

休みの日に仕事をさせてはいけない

週休3日制を導入しても、

休日にメールを見る

休日に電話対応する

休日にオンライン会議へ参加する

という状態になれば、本当の意味で休日が増えたとはいえません。

特定の社員しか対応できない仕事が多ければ、休みの日でも連絡が来てしまいます。

そのため、

情報共有

副担当者の配置

業務の標準化

権限委譲

なども重要になります。

週休3日制は、業務の属人化を見直すきっかけにもなります。

全員が同じ働き方をする必要はない

ある社員は週5日勤務。

別の社員は週4日勤務。

別の社員は1日6時間勤務。

さらに別の社員は始業時間を早める。

こうした働き方が同じ会社の中に存在することも考えられます。

これまでの会社では、

全員が同じ時間に働く

ことが管理しやすい仕組みでした。

しかし、人手不足や働く人の価値観の多様化が進めば、

全員を同じ働き方へ合わせる

のではなく、

異なる働き方の人を組み合わせて仕事を回す

マネジメントが重要になります。

結論

選択的週休3日制とは、希望する社員が週3日の休日を選択できる働き方です。

重要なのは、週休3日といっても一つの仕組みではないことです。

1日8時間で週4日働き、週全体の労働時間を減らす方法があります。

一方、1日の勤務時間を長くして週全体の労働時間を維持する方法も考えられます。

そのため、

休日が増えるのか

労働時間が減るのか

給与はどうなるのか

を分けて考える必要があります。

選択的週休3日制には、育児や介護との両立だけでなく、学び直しなどの時間を確保できるメリットもあります。

企業にとっても、週5日勤務が難しい人を採用し、働き続けてもらうための選択肢になります。

ただし、週5日分の仕事をそのまま週4日に押し込めればよいわけではありません。

仕事量を減らし、業務を共有し、仕事の進め方そのものを見直す必要があります。

正社員だから1日8時間週5日働かなければならない。

その前提を外せば、働ける人の範囲は広がります。

選択的週休3日制は、正社員の標準的な働き方を一つに固定せず、一人ひとりが生活に合わせて働き方を選べるようにする仕組みの一つなのです。

参考

日本経済新聞 2026年8月31日朝刊 「時短」勤務者は重要な戦力 人員確保に効果 管理職の意識変わる

厚生労働省 多様な正社員

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