結婚資金はいくら必要なのか 結婚式より新生活の準備が若者の壁になる理由編

人生100年時代
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結婚にはお金がかかると聞くと、多くの人が結婚式や披露宴の費用を思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし、若い世代が結婚を考えるとき、本当のハードルは結婚式だけではありません。

2025年の出生動向基本調査では、1年以内に結婚するとした場合のハードルとして、男女とも資金面の問題を挙げる割合が3割程度で最も多くなりました。2番目は住居の問題でした。

結婚とは一日のイベントではなく、その後何十年も続く生活のスタートです。

そのため、結婚資金を考えるときには、結婚式だけではなく新生活全体を見る必要があります。

結婚資金とは何か

結婚資金という言葉に明確な一つの定義があるわけではありません。

一般的には、結婚を機に必要となる様々な支出をまとめて考えることになります。

挙式や披露宴、新婚旅行などに使うお金があります。

一方で、実際の生活を始めるためのお金も必要です。

新しい住居を借りるための費用、引っ越し費用、家具や家電などです。

さらに結婚後の生活費を考えれば、一定の預貯金を残しておきたいと考える人もいるでしょう。

つまり、結婚資金は結婚式に使うお金だけではありません。

家庭をつくり、生活を安定させるための準備資金という側面があります。

結婚式の費用は調整できる

挙式や披露宴には大きなお金がかかる場合があります。

ただし、結婚式の費用にはある程度の選択肢があります。

大規模な披露宴を開くこともできますし、家族だけで小規模に行うこともできます。

結婚式そのものを行わない選択もあります。

新婚旅行についても同じです。

予算に合わせて規模を変えたり、時期をずらしたりすることができます。

その意味では、結婚式にかかる費用のかなりの部分は自分たちで調整することができます。

一方で、結婚後の生活に必要なお金は簡単にはなくせません。

新生活にはまとまったお金が必要になる

結婚を機に二人で暮らし始める場合、新しい住居を確保する必要があります。

賃貸住宅であれば、敷金や礼金などの初期費用が必要になることがあります。

仲介手数料や保証料などが発生する場合もあります。

さらに引っ越し費用がかかります。

冷蔵庫、洗濯機、ベッド、テーブルなど、生活に必要な家具や家電を購入することもあります。

一つ一つの支出はそれほど大きく見えなくても、同じ時期に重なるとまとまった金額になります。

若い世代に十分な貯蓄がなければ、この初期費用だけでも結婚をためらう要因になり得ます。

問題は結婚した後にも続く

さらに重要なのは、新生活を始めれば終わりではないことです。

毎月の家賃や住宅ローンがあります。

食費、水道光熱費、通信費などもあります。

将来子どもを持つのであれば、出産や育児、教育にかかる費用も考えるようになります。

結婚を考える若者は、目の前の結婚費用だけを見ているわけではありません。

数年後、十数年後まで続く家計を意識します。

今の収入で二人の生活を維持できるのか。

子どもが生まれても大丈夫なのか。

住宅を購入できるのか。

こうした将来の支出への不安が、現在の結婚判断にも影響します。

住居問題が2番目の壁になる理由

2025年の出生動向基本調査で、資金面に次ぐ結婚のハードルとなったのが住居でした。

結婚と住宅は密接に関係しています。

一人暮らしなら比較的小さな部屋でも生活できます。

夫婦二人になれば、もう少し広い住居が必要になるかもしれません。

さらに子どもが生まれれば、間取りや周辺環境まで考えるようになります。

広い住宅ほど一般的には家賃や購入価格が高くなります。

特に住宅価格や家賃が上昇している都市部では、結婚して家庭を持つことと住居費の増加が直結しやすくなります。

結婚資金の問題は住宅問題でもあるのです。

貯蓄が少ないと将来への不安も大きくなる

結婚するときに必要なのは、支出するためのお金だけではありません。

ある程度のお金を手元に残しておくことも重要です。

病気や失業などによって収入が減ることがあります。

妊娠や出産を機に夫婦のどちらかが働く時間を減らすことも考えられます。

こうした事態に備えるための貯蓄がほとんどなければ、結婚後の生活への不安は大きくなります。

収入だけではなく貯蓄も結婚意思に影響する理由はここにあります。

2025年の調査でも、結婚を望まない人のうち一定数が、収入や貯蓄が増えれば結婚希望に転じる可能性を示しています。

共働きなら安心とは限らない

夫婦二人が働けば、一人暮らしより世帯収入を増やせる可能性があります。

家賃や水道光熱費などを二人で負担できるため、結婚によって生活が効率化する部分もあります。

ただし、将来子どもを持つ場合には事情が変わります。

出産や育児によって一時的に収入が減る可能性があります。

保育園への送迎や子どもの病気への対応など、仕事との両立も必要です。

結婚時点では二人ともフルタイムで働けていても、その状態がずっと続くとは限りません。

若い世代が考えているのは、現在の世帯収入だけではなく、将来の収入の安定性なのです。

結婚支援を結婚式支援だけにしない

若者の結婚を支援すると考えた場合、結婚時に一時金を給付する方法も考えられます。

もちろん、初期費用の負担を軽くする効果はあります。

しかし、それだけで結婚への不安がなくなるわけではありません。

重要なのは、その後の生活です。

継続的に所得を得られること。

無理なく住居を確保できること。

夫婦とも働き続けられること。

子どもを持った後も家計が大きく悪化しないこと。

こうした条件が整って初めて、結婚後の生活を具体的に描きやすくなります。

結婚支援は、一日のイベントを支援することではなく、その後の生活基盤を支援する視点が必要です。

結論

2025年の出生動向基本調査では、1年以内に結婚するとした場合のハードルとして、男女とも資金面の問題を挙げる割合が3割程度で最も多くなりました。

結婚資金というと挙式や披露宴の費用が注目されがちですが、本当に重要なのは新生活を始め、その後も維持していくためのお金です。

住居、引っ越し、家具や家電、毎月の生活費、そして将来の出産や教育への備えがあります。

結婚式の規模は調整できますが、生活そのものをなくすことはできません。

若い世代が結婚をためらう背景を考えるときには、結婚式にいくらかかるのかだけではなく、結婚後の人生にどれだけのお金が必要になるのかを見る必要があります。

結婚したい人が資金不足を理由に諦めなくてもよい社会をつくるには、一時的な結婚支援だけではなく、所得、貯蓄、住宅、働き方まで含めた生活基盤を安定させることが重要なのだと思います。

参考

日本経済新聞 2026年9月12日 朝刊 一生結婚しない2割超

日本経済新聞 2026年9月12日 朝刊 生活不安で結婚ためらう 家庭築く準備、支援薄く

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