職場をきれいにする話では、整理整頓という言葉がよく使われます。
整理と整頓を一つの言葉のように考えている人も多いかもしれません。
しかし、倉庫の環境整備を考えると、この二つを分けて考えることが重要になります。
元の記事では、一年以上回転していない在庫や、一年以上使っていない機械や備品を処分することを求める一方、必要な物には表示を付け、取り出しやすい状態にすることも求めています。
つまり、最初に不要な物を減らし、その後で必要な物を使いやすくするという二つの作業が必要なのです。
整理とは何か
今回の記事の内容から整理を考えると、まず必要な物と不要な物を分け、不要な物を取り除くことが基本になります。
倉庫には、さまざまな理由で物がたまります。
以前は売れていた商品。
使わなくなった部品。
古い機械や備品。
保管期限を過ぎた書類。
こうした物を残したままでは、倉庫のスペースは少しずつ失われていきます。
元の記事では、一年以上回転していない在庫について、今後も動く可能性が乏しければ思い切って処分することを勧めています。
整理では、物をきれいに並べる前に、そもそも残す必要があるのかを考えることが重要なのです。
整頓とは何か
不要な物を取り除いた後は、残した必要な物を使いやすい状態にします。
今回の記事では、必要な物には概要を表示し、段ボール箱に入っている物については、箱の表面に中身を書いておくことが示されています。
さらに、すべての物品にアクセスできる通路を確保することや、備品や道具をできるかぎり壁に掛けることもチェック項目になっています。
必要な物がある。
何なのか分かる。
必要なときに取り出せる。
こうした状態をつくることが、倉庫を実際の仕事で使いやすくすることにつながります。
不要品を残したまま整頓する問題
倉庫を片付けようとすると、最初に棚を増やしたり、収納箱を購入したりしたくなることがあります。
しかし、不要な物まできれいに収納してしまえば、見た目は整っても問題の根本は解決しません。
一年以上動いていない在庫を棚へきれいに並べる。
何年も使っていない機械を倉庫の奥へ移動する。
不要な書類を段ボール箱へきれいに収納する。
これでは、不要な物が場所を占めている状態は変わりません。
特に元の記事では、使っていない機械などについて、一番もったいないのはスペースだという考え方が示されています。
収納方法を工夫する前に、その物を残す必要があるのかを考えることが大切です。
整理してから整頓する
倉庫の環境整備では、順番が重要です。
まず、必要な物と不要な物を分けます。
一年以上動いていない在庫はないか。
一年以上使っていない機械や備品はないか。
保管する必要がなくなった物はないか。
こうした点を確認して不要な物を減らします。
その後、残った必要な物について、表示や置き方を整えていきます。
この順番にすれば、不要な物を収納するために時間やスペースを使わずに済みます。
まだ使えると必要は違う
整理を難しくするのが、まだ使えるという感覚です。
壊れていない機械や備品を処分することには抵抗があります。
元の記事でも、まだ使える、買えば高い、もったいないという声があることを紹介しています。
しかし、現在使っていない物を残せば、その分だけ倉庫のスペースを使います。
そこで判断したいのは、まだ使えるかどうかではなく、現在の会社に必要なのかということです。
使える物と必要な物を区別することが、整理の重要なポイントになります。
最終使用日が整理を助ける
必要か不要かを感覚だけで判断するのが難しい場合には、使用状況を記録する方法があります。
元の記事では、倉庫に物品をしまう際に最終使用日を書いておくことを勧めています。
最後にいつ使ったのかが分かれば、後になって要不要を判断するときの材料になります。
何となく最近使っていない気がするという判断ではなく、一年以上使っていないという事実を確認できます。
整理を担当者の感覚だけに頼らないためにも、こうした記録が役立ちます。
整頓では表示が重要になる
整理によって必要な物だけを残しても、何がどこにあるか分からなければ仕事は効率化しません。
元の記事では、必要な物には品名や用途を表示することを求めています。
表示がなければ、探す時間がかかります。
さらに、物の存在を忘れてしまい、同じ物を新しく調達する可能性もあります。
必要な物を残すのが整理だとすれば、その必要な物をすぐに利用できる状態にすることが次の課題になります。
物を減らすことと、残した物を使いやすくすることの両方が必要なのです。
一度行って終わりではない
整理と整頓を一度行っても、日々の仕事によって倉庫の状態は変化します。
新しい物が入ります。
使わなくなる物も出てきます。
表示が実際の中身と合わなくなることもあります。
そのため、元の記事では月に一回以上、倉庫の状況をチェックすることを挙げています。
不要になった物を整理し、必要な物を再び使いやすい状態に戻す。
この作業を繰り返すことで、倉庫の環境を維持できます。
結論
整理と整頓は、似ているようで役割が違います。
倉庫の環境整備では、まず不要な物を見極めて減らします。
そのうえで、残した必要な物に表示を付け、取り出しやすい状態にします。
不要な物まできれいに並べても、倉庫のスペースを有効に使うことにはつながりません。
大切なのは、収納する前に本当に必要なのかを考えることです。
そして、必要だと判断した物については、誰でも分かり、すぐに使える状態にすることです。
捨てることと置き方を整えることを分け、正しい順番で進めることが、倉庫を単にきれいにするだけでなく、仕事で使いやすい場所へ変えることにつながるのです。
参考
企業実務 2026年9月号 倉庫の環境整備