リゾート会員権というと、運営会社から数百万円や数千万円で購入する高額な商品をイメージする人もいるでしょう。
しかし、リゾート会員権には中古市場があります。
すでに会員権を持っている人が売却し、それを別の人が購入する仕組みです。
参考記事によると、リゾート会員権の価格は10万円台から3,000万円台までと非常に大きな幅があります。
同じリゾート会員権なのに、なぜこれほど価格が違うのでしょうか。
その理由を理解するには、会員権の価格が単純にホテルの建物の価値だけで決まっているわけではないことを知る必要があります。
中古のリゾート会員権とは何か
リゾート会員権の取得方法は大きく2つあります。
1つは、運営会社が新しく募集する会員権を購入する方法です。
もう1つが、既存の会員が保有している会員権を中古市場で購入する方法です。
中古の場合、運営会社から直接新規購入するのではなく、既存会員から仲介業者などを通じて取得します。
住宅でいえば、新築住宅と中古住宅の違いに少し似ています。
ただし、リゾート会員権の場合は建物そのものだけでなく、施設の利用条件や客室のグレードなども価格に大きく影響します。
中古価格は需要と供給で決まる
新規募集の会員権では、基本的に運営会社が販売価格を設定します。
一方、中古会員権の価格は市場の需要と供給によって動きます。
その会員権を買いたい人が多いのに、売りたい人が少なければ価格は上がりやすくなります。
反対に、売却したい人が多く、購入希望者が少なければ価格は下がりやすくなります。
参考記事によると、8月の中古会員権の平均価格は404万円で、前年同月より78万円、24%上昇しました。
ホテル代の高騰や国内旅行への関心などが、会員権需要を押し上げているとみられています。
施設の人気で価格が変わる
中古価格を左右する大きな要素が施設の人気です。
同じ運営会社の会員権でも、施設によって価格が同じとは限りません。
交通の便が良い。
温泉がある。
海や山などの眺望が良い。
周辺に観光施設が多い。
レストランやプールなどの設備が充実している。
こうした条件によって利用したい人の数が変わります。
人気の高い施設は購入希望者が多くなりやすいため、中古価格も維持されやすくなります。
逆に利用者が少ない施設では、中古価格が低くなる可能性があります。
客室のグレードでも価格が変わる
リゾート会員権では、利用できる客室のグレードが決められている商品があります。
広い客室や設備の充実した客室を利用できる会員権ほど、高い価格になる場合があります。
参考記事では、グランドエクシブ軽井沢の48平方メートルのラージグレードが紹介されています。
同じ施設の会員権でも、利用できる部屋の広さやグレードが違えば価値も変わります。
そのため、中古会員権を比較するときに施設名と価格だけを見るのは不十分です。
どのグレードの客室を利用できる会員権なのかまで確認する必要があります。
年間の利用可能日数も重要になる
会員権によって年間に利用できる日数が異なる場合があります。
年間の利用可能日数が多ければ、それだけ利用機会も増えます。
ただし、自分が実際に年間何泊できるかも重要です。
利用可能日数が多い高額な会員権を購入しても、実際には年間5泊しか旅行しないのであれば、その権利を十分に活用できない可能性があります。
逆に頻繁に旅行する家庭なら、利用可能日数が多い会員権に価値を感じるでしょう。
中古価格だけでなく、自分の旅行回数とのバランスを見る必要があります。
系列施設をどこまで使えるかでも違う
リゾート会員権には、購入した施設だけでなく同じ系列の別の施設を利用できるものがあります。
参考記事では、グランドエクシブ軽井沢の会員が初島など全国約20カ所のエクシブや系列の一部施設を利用できることが紹介されています。
利用できる施設が多ければ、旅行先の選択肢が広がります。
毎年同じ場所へ行く必要がないため、会員権を長期間活用しやすくなります。
こうした相互利用の範囲も、会員権の価値を左右する要素になります。
中古会員権を比較するときには、購入対象となる施設だけでなく、どこまで相互利用できるのかを確認することが大切です。
築年数が古くなると価格が下がりやすい
中古会員権には不動産と似た面があります。
施設が古くなるにつれて、中古価格が緩やかに下落する傾向があります。
新しい施設は客室や設備が新しく、利用希望者も集まりやすいでしょう。
一方、築年数が経過すれば建物や設備の老朽化が進みます。
ただし、築年数だけで価値が決まるわけではありません。
適切な修繕や改装が行われ、サービス水準が維持されていれば、古い施設でも人気を保つことがあります。
中古会員権では築年数とともに、施設がどのように維持管理されているかを見ることも重要です。
安い会員権が必ずお得とは限らない
中古市場には10万円台の会員権もあります。
購入価格だけを見れば非常に魅力的に感じるでしょう。
しかし、10万円で購入できるからといって、10万円だけでリゾート施設を利用し続けられるわけではありません。
購入後には年会費や管理費などが発生する場合があります。
共有制なら税負担が関係することもあります。
さらに実際に宿泊するときには宿泊料金も必要です。
例えば10万円で購入した会員権でも年間10万円の固定費が必要なら、10年間保有すると固定費だけで100万円になります。
会員権では購入価格よりも、保有期間中の費用の方が大きくなるケースも考えられます。
高額な会員権が必ず高く売れるとも限らない
反対に、3,000万円の会員権なら資産価値も高く維持されるとは限りません。
中古価格は将来の需要と供給によって変わります。
現在人気の施設でも、20年後に同じ人気を維持している保証はありません。
新しい施設が登場すれば、利用者の関心がそちらへ移る可能性があります。
旅行スタイルや家族構成も変化します。
高額な会員権ほど、価格が一定割合下落した場合の金額も大きくなります。
値上がり益を期待して購入するのではなく、実際に利用する価値を中心に考えることが重要です。
中古では名義変更などの費用も確認する
中古会員権を購入するときには、表示されている売買価格以外の費用も確認する必要があります。
会員の名義を変更するための費用などが必要になる商品があります。
共有制なら不動産の権利移転に伴う手続きが関係する場合もあります。
つまり、広告などに表示されている会員権価格と、実際に取得するために必要な総額が同じとは限りません。
中古住宅を購入するときに物件価格以外の諸費用を考えるのと同じように、リゾート会員権でも取得総額を確認することが大切です。
中古会員権では出口も考える
中古で購入するときには、自分が将来売却するときのことも考えておく必要があります。
購入時に100万円だった会員権が、10年後にも100万円で売れるとは限りません。
50万円になるかもしれませんし、需要が高まれば価格が上昇する可能性もあります。
重要なのは、値上がりを期待することではありません。
仮に売却価格が大きく下がっても、保有期間中に十分利用できれば納得できるかどうかです。
例えば100万円で購入し、10年間家族旅行に利用した後、ほとんど値段が付かなかったとしても、その10年間の利用価値に満足できれば購入した意味はあります。
リゾート会員権は売却益だけでなく、利用価値を含めて判断する商品なのです。
結論
中古のリゾート会員権は、既存会員が保有している会員権を仲介業者などを通じて購入する仕組みです。
価格は10万円台から3,000万円台までと大きな幅があります。
その価格差を生むのは、施設の人気、立地、築年数、客室のグレード、年間利用可能日数、系列施設の相互利用などさまざまな条件です。
中古市場では需要と供給によって価格も変動します。
そのため、安い会員権が必ずお得とは限りません。
重要なのは購入価格ではなく、取得時の諸費用、年間の維持費、宿泊料金、実際の利用回数、そして将来の売却まで含めて考えることです。
リゾート会員権の中古価格が安いのには理由があり、高いのにも理由があります。
価格だけを比較するのではなく、その価格でどのような利用価値を得られるのかを見ることが、中古会員権選びでは大切になります。
参考
日本経済新聞 2026年9月26日朝刊 <ステップアップ>リゾート、会員権で身近に ホテル代高騰で割安感
日本経済新聞 2026年9月26日朝刊 共有制、取得後に税負担