TOPIXの定期入れ替えとは何か 2028年から毎年企業が選別される仕組み編

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2026年10月から始まる新TOPIXでは、構成銘柄を選ぶ仕組みそのものが大きく変わります。

特に重要なのが、2028年10月から毎年行われる定期入れ替えです。

これまでTOPIXは旧東証1部との結びつきが強く、一度構成銘柄になれば、市場区分などに大きな変化がない限り残り続ける性格がありました。

新TOPIXでは違います。

毎年一定の基準に基づいて構成銘柄を見直し、基準を満たす企業を採用し、満たさない企業を除外する仕組みになります。

企業にとってTOPIX入りは「一度達成すれば終わり」というものではなくなります。

採用された後も投資家から選ばれ続ける必要があるのです。

定期入れ替えとは何か

株価指数の定期入れ替えとは、一定の時期に構成銘柄を見直す仕組みです。

企業の規模や株式の流動性は常に変化しています。

数年前には大企業だった会社の時価総額が小さくなることもあります。

反対に、小さかった企業が急成長して時価総額を大きく伸ばすこともあります。

株式の売買が活発になる企業もあれば、売買が少なくなる企業もあります。

こうした変化を指数に反映するために、構成銘柄を定期的に見直します。

新TOPIXでは、この選別が毎年行われることになります。

2026年から2028年までは移行期間になる

新TOPIXへの移行は、一度に行われるわけではありません。

2026年10月から段階的な移行が始まり、2028年7月まで時間をかけて構成銘柄が絞り込まれます。

現在1600銘柄を超えるTOPIXの構成銘柄は、最終的に約1,000銘柄まで減少すると見込まれています。

大量の銘柄を一度に除外すると、TOPIXに連動する投資信託やETFなどによる売却が集中する可能性があります。

そこで段階的に組み入れ比率を引き下げ、市場への影響を抑えながら新しい指数へ移行します。

そして、この移行が完了した後の2028年10月から毎年の定期入れ替えが始まります。

継続採用と新規採用では基準が異なる

新TOPIXの特徴の1つが、現在の構成銘柄が残るための基準と、新しくTOPIXへ入る企業の基準が異なることです。

既存の構成銘柄については、一定の流動性を満たしたうえで、浮動株時価総額の累積比率で上位97%以内に入ることが継続採用の重要な条件になります。

一方、新しくTOPIXへ入る企業には、より高い基準が設けられます。

新規採用では、年間売買代金回転率などの条件を満たしたうえで、浮動株時価総額の累積比率で上位96%以内に入る必要があります。

新しく入る企業に少し厳しい基準を設ける仕組みです。

なぜ新規採用の基準を厳しくするのか

継続採用と新規採用をまったく同じ基準にすると、基準の境界付近にある企業が毎年TOPIXへ入ったり外れたりする可能性があります。

例えば、ある年にわずかな差で採用された企業が、翌年にはわずかな差で除外されることが考えられます。

さらに翌年には再び採用されるかもしれません。

TOPIXに連動するファンドは、そのたびに株式を売買する必要があります。

頻繁な入れ替えは取引コストの増加にもつながります。

そこで新規採用には少し高い基準を設け、構成銘柄が必要以上に頻繁に入れ替わらないようにしています。

指数の安定性を保つための仕組みです。

一度TOPIXに入っても安心できない

新TOPIXでは、一度採用された企業が永久に残れるわけではありません。

毎年の定期入れ替えで基準を満たしているかが確認されます。

例えば採用時には十分な浮動株時価総額があった企業でも、その後株価が大きく下落すれば順位が低下する可能性があります。

株式の売買が減れば、流動性の基準を満たせなくなる可能性もあります。

反対に、TOPIXに入っていなかった企業が急成長し、時価総額と流動性を高めれば新規採用の候補になります。

つまり毎年、

残る企業

新しく入る企業

外れる企業

が選別される仕組みになります。

プライム企業でも除外される可能性がある

新TOPIXでは、市場区分そのものは採用を保証しません。

プライム市場に上場していても、TOPIXの基準を満たさなければ除外される可能性があります。

一方で、スタンダード市場やグロース市場の企業でも、新規採用基準を満たせばTOPIX入りを目指せます。

これは従来のTOPIXとの大きな違いです。

これから企業に問われるのは、

どの市場に上場しているか

ではなく、

投資対象として十分な規模と流動性があるか

ということになります。

定期入れ替えは企業同士の競争を生む

毎年の定期入れ替えは、上場企業に継続的な競争を促す可能性があります。

TOPIXに残りたい企業は、企業価値と株式の流動性を維持する必要があります。

TOPIXに入っていない企業は、基準を満たせば新しく採用される可能性があります。

そのため企業には、

利益を成長させる

企業価値を高める

浮動株を確保する

投資家向け情報発信を充実させる

個人投資家を増やす

株式の売買を活発にする

といった取り組みを継続する動機が生まれます。

一度だけ基準を満たせばよいのではなく、毎年評価されることが重要です。

パッシブファンドも毎年対応することになる

TOPIXの定期入れ替えは、TOPIXに連動する投資信託やETFにも影響します。

新しく採用される銘柄があれば、その株式を購入する必要があります。

除外される銘柄があれば、その株式を売却する必要があります。

そのため定期入れ替えの時期には、採用候補や除外候補となる銘柄に投資家の関心が集まる可能性があります。

ただし、TOPIXへの採用や除外だけで企業の本質的な価値が変わるわけではありません。

指数に伴う需給と、企業の業績や将来性は分けて考える必要があります。

個人投資家も毎年の変化を見る必要がある

個人投資家にとっても、「TOPIX採用銘柄だから安心」と固定的に考えることはできなくなります。

毎年構成銘柄が見直されるからです。

TOPIXに採用されている企業でも、時価総額や流動性が低下すれば除外候補になる可能性があります。

反対にスタンダード市場やグロース市場の企業が成長し、新規採用候補になることもあります。

新TOPIXを見るときには、現在の構成銘柄だけでなく、

企業の時価総額がどう変化しているか

浮動株が増えているか

売買が活発になっているか

企業価値が成長しているか

という変化を見ることが重要になります。

結論

新TOPIXでは、2028年10月から毎年定期的に構成銘柄が見直されます。

一定の基準を満たした企業は残り、成長して新規採用基準を満たした企業は新しくTOPIXへ入る可能性があります。

反対に、時価総額や流動性が低下した企業はTOPIXから外れる可能性があります。

継続採用と新規採用には異なる基準を設けることで、構成銘柄が必要以上に頻繁に入れ替わることを抑える仕組みも取り入れられます。

これまでのTOPIXには、旧東証1部の企業を広く含むという性格がありました。

新TOPIXでは、一度採用された企業であっても、その地位が永久に保証されるわけではありません。

企業は毎年、企業価値と株式の流動性を市場から評価されることになります。

新TOPIXの定期入れ替えは、「上場していれば残れる指数」から「投資家に選ばれ続けなければ残れない指数」への転換を象徴する仕組みなのです。

参考

日本経済新聞 2026年9月25日朝刊 新TOPIX、競争促す

日本取引所グループ 2025年3月26日 TOPIX等の見直しについて

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