倉庫を見渡すと、いつから置かれているのか分からない商品や原材料、部品が見つかることがあります。
まだ使えるから。
いつか売れるかもしれないから。
捨てるのはもったいないから。
こうした理由で残されている在庫は、一見すると会社の財産のように思えます。しかし、長期間動かない在庫を持ち続けることには、別の問題があります。
元の記事では、通常のビジネスでは商品などが一定期間の中で動くため、一年以上回転していない在庫については、今後も動く可能性を考え、思い切って処分することを提案しています。
倉庫の環境整備を考えるとき、まず確認したいのが、この長期間動いていない在庫なのです。
滞留在庫とは何か
在庫は、持っていること自体が問題なのではありません。
商品を販売するためには商品在庫が必要ですし、製造業であれば原材料や部品を一定量確保しておく必要があります。
問題になるのは、長期間ほとんど動かなくなった在庫です。
倉庫に置かれたまま出庫されず、販売や生産に使われていない状態が続けば、その在庫は事業活動に十分活用されていないことになります。
元の記事では、倉庫に長期間動いていない原材料や部品、製品、商品が置かれていないかを確認するよう求めています。
倉庫の整理では、単純に在庫の数量を見るのではなく、いつ動いたのかを見ることが重要になります。
なぜ一年という基準を設けるのか
在庫を処分するときに難しいのは、必要か不要かの判断です。
担当者によって判断基準が違えば、ある人は処分し、別の人は残すということになってしまいます。
そこで一つの判断材料になるのが期間です。
元の記事では、一年以上回転していない在庫がないかをチェック項目としています。
もちろん、すべての会社や商品について一年という期間が絶対的な基準になるわけではありません。
大切なのは、長期間動いていない在庫をそのまま放置するのではなく、一定期間を区切って要不要を判断することです。
判断基準が決まっていれば、何となく残しておくという状態を減らせます。
在庫は倉庫のスペースを使っている
長期滞留在庫の問題は、在庫そのものだけではありません。
在庫を置いている場所にも注目する必要があります。
倉庫には限られたスペースしかありません。
長期間使われていないものが場所を占めれば、現在売れている商品や、実際に使用している原材料などを置く場所が狭くなります。
元の記事では、使っていない機械などを処分してスペースが生まれれば、現在動いている材料や商品の保管場所として利用でき、それが利益につながると説明しています。
これは在庫についても同じように考えることができます。
倉庫のスペースは無料の空間ではありません。
限られた場所を何に使うのかという視点が必要です。
もったいないという感覚が処分を難しくする
長期間使っていないものでも、捨てるとなると抵抗を感じるものです。
まだ使える。
買ったときには高かった。
将来必要になるかもしれない。
こうした考えから、不要なものを残してしまうことがあります。
元の記事でも、使っていない機械や備品について、まだ使える、買えば高い、もったいないという声がある一方、一番もったいないのはスペースだと指摘しています。
重要なのは、過去にいくらで買ったのかだけで判断しないことです。
現在その物が会社の事業に役立っているのかという視点で考える必要があります。
在庫を処分するための判断基準をつくる
長期滞留在庫を減らすためには、担当者がその都度悩むのではなく、判断しやすい仕組みをつくることが重要です。
その方法の一つが、最後に動いた時期を分かるようにしておくことです。
元の記事では、倉庫に物品をしまう際には最終使用日を書いておくことを勧めています。
最終使用日が分かれば、後になって要不要を判断するときの材料になります。記事では、最終使用日から一年以上経過している場合には、迷いなく処分できるとしています。
いつ使ったか分からないものと、一年以上使っていないことが明確なものでは、処分判断のしやすさが違います。
記録することによって、感覚ではなく事実を基準に判断できるようになります。
定期的に確認することが重要
倉庫を一度整理しても、それだけでは十分ではありません。
時間がたてば、新しい在庫や備品が入ってきます。
そのたびに不要なものを残していけば、再び倉庫はいっぱいになってしまいます。
元の記事のチェックリストでは、一年以上回転していない在庫がないかという項目に加えて、月に一回以上、倉庫の状況をチェックすることも示されています。
つまり、在庫整理は大掃除のときだけ行うものではありません。
定期的に確認する業務として仕組みにすることが大切なのです。
結論
長期間動いていない在庫は、倉庫に置いてあるだけなので、すぐには問題が見えないかもしれません。
しかし、その在庫は限られた倉庫スペースを使い続けています。
一年以上動いていない在庫はないか。
なぜ保管しているのか。
今後本当に使う可能性があるのか。
こうした点を定期的に確認することが重要です。
さらに、最終使用日などを記録しておけば、担当者の感覚だけに頼らず、一定の基準で処分を検討できます。
倉庫の環境整備で重要なのは、単に物をきれいに並べることではありません。
必要なものと不要なものを見極め、限られたスペースを現在の事業に役立つものへ振り向けていくことなのです。
参考
企業実務 2026年9月号 倉庫の環境整備