インボイス情報をウェブサイトに載せると買手は何を保存するのか 電子データ保存の実務編

税理士
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インボイス制度では、1枚の書類だけですべての記載事項を満たす必要はありません。

例えば、店舗が発行するレシートには取引年月日や金額などを記載し、適格請求書発行事業者の名称や登録番号はウェブサイトに掲載する方法も考えられます。

この場合に問題になるのが、買手側の保存方法です。

紙のレシートだけ保存すればよいのでしょうか。それとも、ウェブサイトの画面まで毎回保存しなければならないのでしょうか。

紙と電子データを組み合わせることができる

インボイスは、複数の書類や電磁的記録を組み合わせて必要な記載事項を満たすことができます。

例えば、買手が受け取ったレシートには、取引年月日、取引内容、税率ごとの金額などが記載されているとします。

一方、売手の名称や登録番号など一部の情報は、レシートに記載された案内からアクセスできるウェブサイトに掲載されています。

レシートとウェブサイト上の情報との関連が明確であり、両方を合わせることで必要な事項を確認できるのであれば、インボイスとして取り扱うことができます。

原則として電子データも保存対象になる

ウェブサイト上の情報がインボイスの記載事項の一部を構成している場合、その情報は単なる参考情報ではありません。

仕入税額控除の要件を満たすために必要な情報です。

そのため、原則的に考えれば、買手は紙のレシートだけでなく、ウェブサイト上の電磁的記録についても保存する必要があります。

例えば、該当するウェブページを電子データとして保存する方法が考えられます。

一定の方法によって書面へ出力し、紙で保存することが認められる場合には、その方法を利用することも考えられます。

取引のたびに保存するのは大きな負担になる

ここで実務上の問題が出てきます。

コンビニエンスストアや飲食店などを頻繁に利用する会社が、レシートを受け取るたびにウェブサイトへアクセスし、登録番号などが掲載されたページをダウンロードするとすれば、事務負担はかなり大きくなります。

同じ店舗を毎月利用している場合でも、その都度同じページを保存することになりかねません。

デジタル化によって売手のレシート発行業務を効率化しても、買手側の保存事務が大幅に増えてしまっては実務上使いにくい仕組みになってしまいます。

そこで、一定の場合にはより柔軟な取扱いが認められています。

売手が情報を確認できる状態にしておく方法がある

売手がインボイスに必要な情報をウェブサイトに掲載し、法令上必要となる期間を通じて買手が随時確認できる状態にしている場合などには、一定の要件のもと、買手がその情報を取引のたびにダウンロードしなくてもよい取扱いがあります。

つまり、重要なのは買手のパソコンに必ず同じ電子ファイルを保存していることだけではありません。

必要になったときに、保存期間を通じてインボイスの記載事項を確認できる仕組みが確保されているかどうかも重要になります。

これによって、レシートとウェブサイトを組み合わせる方法を実務で利用しやすくなります。

ウェブサイトを消してしまうと問題になる

売手側には別の責任が生じます。

買手が自らウェブサイトの情報を保存せず、売手が公開している情報を必要なときに確認する方法に依存しているのであれば、売手が途中でページを削除してしまうと確認できなくなります。

例えば、ウェブサイトをリニューアルした際に古いページをすべて削除したり、登録番号の表示方法を変更したりするケースです。

現在の取引については問題がなくても、過去のレシートに対応する情報が確認できなくなる可能性があります。

インボイス情報をウェブサイトで提供する場合には、単に掲載するだけでなく、必要な期間にわたって情報を維持することまで考える必要があります。

登録番号が変わった場合にも注意する

事業者の名称や登録情報などが変更されることもあります。

その場合、ウェブサイトを最新情報だけに書き換えると、過去の取引時点の情報との関係が分かりにくくなる可能性があります。

例えば、過去のレシートに記載された案内から現在のウェブサイトへアクセスしたところ、当時とは異なる情報しか表示されないケースです。

このような問題を避けるためには、いつの取引にどの情報が対応するのかを確認できるように管理することが重要です。

ウェブサイトをインボイスの一部として利用するのであれば、通常のホームページ管理とは異なる視点が必要になります。

買手側も保存方法を確認しておく

買手側も、レシートに登録番号がないから直ちにインボイスとして使えないと判断するのではなく、他の書類やウェブサイトとの組み合わせによって要件を満たしていないか確認することが大切です。

一方で、ウェブサイトを見れば登録番号が掲載されているというだけで、紙のレシートを自動的にインボイスとして扱えるわけでもありません。

レシートとウェブサイトの関連性が明確であることが必要です。

さらに、ウェブサイト上の情報を自社で保存する必要があるのか、売手側が必要期間にわたって確認できる状態を維持する方法が採用されているのかも確認する必要があります。

結論

レシートとウェブサイトを組み合わせてインボイスの記載事項を満たしている場合、ウェブサイト上の情報も仕入税額控除に必要な情報の一部になります。

そのため、原則として買手はウェブサイト上の電磁的記録を保存することを考える必要があります。

ただし、売手が必要なインボイス情報を法令上の保存期間を通じて随時確認できる状態にしている場合など、一定の要件を満たせば、買手が取引のたびにウェブサイトの情報をダウンロードしなくてもよい取扱いがあります。

この仕組みを利用する場合、売手には長期間にわたって情報を維持する体制が求められます。

紙のレシートとウェブサイトを組み合わせるインボイスでは、何を表示するかだけでなく、誰がどの情報をどのように保存するのかまで含めて設計することが重要です。

参考

税のしるべ 2026年9月7日 令和8年・役に立つ消費税実務問答集

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