資産効果とは何か 株価が上がるとリゾート会員権まで売れやすくなる理由編

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株価が上昇すると、株式を売却していない人の消費まで増えることがあります。

給料が増えたわけではありません。

銀行口座に現金が振り込まれたわけでもありません。

それでも保有している株式や投資信託などの価格が上昇すると、

以前よりお金に余裕がある

と感じ、高額な商品やサービスを購入しやすくなることがあります。

このように資産価格の上昇が消費を押し上げる現象を資産効果といいます。

リゾート会員権のような数百万円単位の商品を考えるうえでも、この資産効果は重要です。

資産効果とは何か

資産効果とは、保有する株式や不動産などの資産価値が上昇することで、家計の消費が増えやすくなることです。

たとえば、1000万円分の株式を保有している人がいるとします。

株価が上昇して、保有株式の評価額が1500万円になったとします。

給料は変わっていません。

それでも金融資産は500万円増えています。

すると、

老後資金には余裕がありそうだ

少しくらい旅行に使っても大丈夫だろう

以前から欲しかったものを買おう

という心理が働くことがあります。

この結果、消費が増えるのが資産効果です。

給料が増える場合とは違う

資産効果を理解するときには、所得の増加との違いが重要です。

会社員の給料が月5万円増えれば、年間では60万円の収入増加になります。

実際に受け取るお金が増えるため、消費に回せる金額も増えます。

一方、株価が上昇しただけでは、基本的に現金収入が増えたわけではありません。

1000万円の株式が1500万円になっても、その株式を売却しなければ500万円が現金で入ってくるわけではありません。

それでも家計が豊かになったと感じることで消費行動が変わることがあります。

所得が増えた効果ではなく、保有財産の価値が増えたことによる効果なのです。

含み益でも心理は変わる

株価上昇による資産増加の多くは、売却するまでは含み益です。

たとえば500万円で購入した株式が800万円になれば、300万円の含み益があります。

まだ売っていないので利益は確定していません。

翌日に株価が下がれば、含み益は減る可能性があります。

それでも投資口座を見て、

資産が300万円増えた

と認識すれば、心理的な余裕が生まれることがあります。

この心理的な変化が消費につながります。

人は毎月の給料だけを見て消費額を決めているわけではありません。

自分がどれだけ財産を持っているかも判断材料にしているのです。

高額消費ほど資産価格の影響を受けやすい

日常生活に必要な商品と高額商品では、資産効果の表れ方が異なります。

食料品や電気代などは、株価が上昇したからといって何倍も使うものではありません。

一方、

高級車

旅行

高級時計

高額な趣味

別荘

リゾート会員権

などは違います。

生活に絶対必要というものではありません。

家計に余裕があると感じたときに購入しやすい商品です。

そのため資産価格の上昇による心理的な余裕が、高額消費へ向かいやすくなります。

リゾート会員権は資産効果が表れやすい

リゾート会員権は数百万円以上するものも珍しくありません。

2026年7月の中古会員権の平均価格は411万円でした。

411万円という金額は、毎月の給料から気軽に支払うような金額ではありません。

そこで購入判断では、年収だけでなく、

預貯金はいくらあるか

株式や投資信託をどれだけ持っているか

老後資金は十分か

住宅ローンなどの負債はどれくらいあるか

といった家計全体の資産状況が重要になります。

株価上昇によって金融資産が増えれば、数百万円の会員権に対する心理的なハードルが下がる可能性があります。

1000万円増えれば400万円の見え方が変わる

たとえば金融資産3000万円を持つ人がいるとします。

400万円のリゾート会員権は金融資産の約13%に相当します。

かなり大きな買い物に感じるでしょう。

ところが株高によって金融資産が4000万円になったとします。

同じ400万円でも金融資産の10%です。

さらに資産が5000万円になれば8%になります。

商品価格は400万円のままです。

それでも自分の資産全体に占める割合が小さくなることで、

これくらいなら使ってもよい

と感じやすくなります。

資産効果とは、このような家計の余裕の感じ方とも関係しています。

売却して旅行資金にすることもできる

資産効果は心理だけではありません。

実際に値上がりした金融資産の一部を売却し、消費資金へ回すこともできます。

たとえば株式が1000万円から1500万円に値上がりしたとします。

そのうち300万円分を売却して旅行やリゾート会員権の購入資金にすることもできます。

株式という金融資産から、

旅行という体験

リゾート会員権という利用するための財産

へ資産を移すわけです。

特に老後などでは、資産を増やすことだけではなく、

貯めたお金を何に使うか

という問題が重要になります。

40代から60代以上との相性

リゾート会員権の購入者には40代から60代以上が多いとされています。

この年代は若年層に比べて金融資産を蓄積している人もいます。

住宅ローンの返済が進んでいる場合もあります。

子どもの教育費負担が一段落している家庭もあるでしょう。

さらに60代以降になれば、仕事中心だった生活から余暇を重視する生活へ移る人もいます。

そこへ株価上昇などによる資産効果が重なれば、

これからは旅行や趣味にもお金を使おう

という動きにつながる可能性があります。

リゾート会員権は、こうした世代の資産形成から資産活用への変化とも関係します。

株高と円安が同時に作用することもある

今回のリゾート会員権市場を考えると、株高だけを見るのでは不十分です。

円安によって海外旅行の負担が大きくなれば、旅行需要の一部が国内へ向かいます。

同時に株高によって金融資産が増えた人がいれば、

国内旅行を増やそう

リゾート会員権を買ってもよい

と考える可能性があります。

つまり、

円安によって国内リゾートの相対的な魅力が高まる

株高によって購入する余力が高まる

という二つの作用が重なることがあります。

片方は商品の魅力を高め、もう片方は購入者の購買力を高めるわけです。

資産効果はすべての人に同じではない

ただし株価が上昇すれば、国民全員の消費が同じように増えるわけではありません。

株式をほとんど持っていない人には、株価上昇による直接的な資産効果は限定的です。

一方、多くの株式や投資信託を保有している人には大きな影響が出る可能性があります。

また、資産が増えても、

将来が不安だから使わない

という人もいます。

資産効果の大きさは、

保有資産の額

年齢

所得

将来への不安

消費に対する考え方

などによって異なります。

株高と消費の関係は機械的なものではありません。

株価が下がれば逆資産効果も起こる

資産効果には反対方向もあります。

株価が大きく下落すると、保有資産の評価額が減ります。

たとえば5000万円あった金融資産が4000万円になれば、1000万円減ったことになります。

実際に株式を売っていなくても、

資産が減ってしまった

という心理が働きます。

すると旅行や高級品などの支出を控える可能性があります。

これを逆資産効果などと呼ぶことがあります。

リゾート会員権のような高額商品では、こうした資産価格下落の影響も受けやすいと考えられます。

会員権価格にも波及する可能性がある

株高によってリゾート会員権を買いたい人が増えれば、中古市場の需給にも影響します。

売り物件が100件しかないのに購入希望者が増えれば、価格は上昇しやすくなります。

反対に株価が大きく下落して購入希望者が減れば、価格上昇が止まったり、売り手が価格を下げたりする可能性があります。

つまり株式市場とリゾート会員権市場は直接つながっているわけではありませんが、

家計の資産

消費行動

会員権への需要

という経路を通じて影響し合うことがあります。

資産が増えたことと使えるお金は別

資産効果を考えるときに注意したいのが、含み益と現金を混同しないことです。

株式が値上がりして資産が1000万円増えても、その1000万円が銀行預金として増えたわけではありません。

会員権を購入するために株式を売却すれば、税金が発生する場合もあります。

また株価は将来下落する可能性があります。

そのため、

資産が増えたから高額商品を買っても大丈夫

と単純に考えるのは危険です。

生活資金や老後資金などを含め、家計全体で判断する必要があります。

結論

資産効果とは、株式や不動産などの資産価格が上昇することで、人々が豊かになったと感じ、消費を増やしやすくなる現象です。

給料が増えていなくても、保有している株式の評価額が増えれば、家計に余裕があると感じることがあります。

その影響が表れやすいのが、旅行や高級品、リゾート会員権などの高額な選択的消費です。

特にリゾート会員権は数百万円単位の買い物になるため、毎月の所得だけでなく、購入者が保有している金融資産の大きさが判断に影響します。

株高で資産が増えれば購入への心理的なハードルが下がり、購入希望者が増えれば中古会員権価格にも上昇圧力がかかります。

反対に株価が大きく下落すれば、逆資産効果によって高額消費が弱くなる可能性があります。

株価というと、投資家が株式を売買する市場だけの話に見えます。

しかし株価の変化は、人々が自分をどれだけ豊かだと感じるかを変え、その結果として旅行やリゾート会員権にいくら使うかまで変えることがあります。

株式市場とリゾート市場。

一見まったく違う二つの市場をつないでいるのが、家計の資産と消費行動なのです。

参考

日本経済新聞 2026年9月5日朝刊 リゾート会員権 最高値 7月411万円 円安で国内旅行回帰

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