有識者会議とは何か 税制改正へ向けた議論の進め方編

税理士
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税制改正のニュースでは、「有識者会議が報告書をまとめた」「有識者会議で見直し案が示された」といった表現を目にすることがあります。

国税庁が非上場株式の評価方法の見直しを進めている今回のテーマでも、有識者会議で具体的な租税回避事例が示され、制度改正に向けた議論が行われています。

では、有識者会議とはどのような組織なのでしょうか。今回は、その役割やメンバー構成、通達改正との関係について解説します。

有識者会議の役割

有識者会議とは、行政機関が制度改正や新たな政策を検討する際に、専門的な知見を取り入れるために設置する会議です。

税制分野では、税法だけでなく、会計、不動産評価、経済、企業経営など幅広い知識が必要になります。

そのため、行政だけで制度を検討するのではなく、外部の専門家から意見を聴き、多角的な視点で議論を行います。

今回の非上場株式評価の見直しでも、現行制度の課題や租税回避の事例、今後の制度設計について議論が進められています。

メンバー構成

有識者会議には、さまざまな分野の専門家が参加します。

例えば、

  • 大学教授などの学識経験者
  • 税法や民法の研究者
  • 税理士や公認会計士
  • 弁護士
  • 不動産評価や企業評価の専門家

などが委員として選ばれることがあります。

行政機関の担当者も事務局として参加しますが、制度の方向性については外部有識者の専門的な意見を参考にしながら議論が行われます。

このような仕組みによって、制度の公平性や実務上の影響などを幅広く検討できるようになっています。

通達改正との関係

有識者会議には法律を改正する権限はありません。

あくまでも専門家として意見をまとめ、行政へ提言を行うことが役割です。

しかし、その議論は実際の制度改正に大きな影響を与えます。

例えば、今回問題となっている非上場株式の評価方法についても、有識者会議で具体的な租税回避事例が示され、それを踏まえて財産評価基本通達の見直しが検討されています。

法律改正が必要な事項であれば税制改正大綱や税制改正法案へつながり、運用の見直しで対応できる事項であれば通達改正によって実施されることがあります。

なぜ有識者会議が重視されるのか

税制は社会経済の変化に応じて見直す必要があります。

しかし、制度変更は納税者や企業活動に大きな影響を与えるため、慎重な検討が求められます。

そこで有識者会議では、制度の公平性や実務への影響、租税回避への対応などを幅広く検討します。

例えば、

  • 現行制度にどのような問題があるのか
  • どのような見直しが公平なのか
  • 納税者への影響はどの程度か

といった点について議論が重ねられます。

こうしたプロセスを経ることで、制度の透明性や納得性を高めることが期待されています。

有識者会議の議論は実務にも影響する

有識者会議で制度改正が決まるわけではありませんが、その議論は将来の税務実務を考えるうえで重要な情報になります。

今回のように、資産管理会社を利用した非上場株式評価の見直しが議論されれば、将来的に評価方法が変更される可能性があります。

相続対策や事業承継を検討している企業や資産家にとっては、有識者会議でどのような課題が取り上げられているのかを知ることは、将来の制度改正を予測するうえでも役立ちます。

制度改正が正式に決まってから対応するのではなく、議論の段階から動向を把握しておくことが大切です。

結論

有識者会議は、税制や制度改正を検討する際に、専門家の知見を行政へ反映させるための重要な仕組みです。

法律や通達を直接改正する権限はありませんが、その議論は税制改正や財産評価基本通達の見直しに大きな影響を与えます。

近年は、非上場株式や貸付用不動産を利用した租税回避への対応が重要なテーマとなっており、有識者会議でも具体的な見直し案が議論されています。

相続や事業承継に関わる制度は今後も変化する可能性があるため、有識者会議の議論にも注目しておくことが重要です。

参考

税のしるべ
2026年8月3日
「法人が不動産を購入した後の株式の評価方法を見直しへ、『3年しばり』に短いの声」

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