マンションは管理で資産価値が決まる 築古マンション再生の時代へ

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マンションを購入する際、多くの人は立地や価格、間取りを重視します。しかし、長く住み続けることを考えるなら、それ以上に重要なのが「管理」です。

どれほど便利な場所に建つマンションでも、管理が機能しなければ資産価値は急速に低下します。一方で、築50年を超えていても、適切な管理によって人気物件へと生まれ変わるケースも少なくありません。

これから日本では築40年以上のマンションが急増します。マンションの価値は「築年数」ではなく、「管理力」で決まる時代が始まっています。

管理組合が機能しないマンションに起こること

マンションは一戸建てとは異なり、多くの所有者が共同で建物を維持していく仕組みです。その中心となるのが管理組合です。

管理組合が機能しなくなると、

  • 修繕工事が実施されない
  • 修繕積立金が不足する
  • 共用設備が故障したまま放置される
  • 防犯・防災機能が低下する
  • 空室や所有者不明住戸が増える

といった問題が次々と発生します。

建物の老朽化だけでなく、街全体の景観や治安にも悪影響を及ぼす可能性があります。

マンションは「建物」ではなく、「共同運営する組織」でもあることを理解する必要があります。

築年数だけでは価値は決まらない

一般的には築年数が古いほど資産価値は下がると思われています。

しかし実際には、

  • 修繕履歴
  • 長期修繕計画
  • 修繕積立金の状況
  • 管理組合の活動状況
  • 理事会の運営体制

などによって評価は大きく変わります。

築50年以上でも管理状態が良ければ人気物件となる一方、新築に近くても管理が悪ければ資産価値が下がることがあります。

つまり、「築年数」よりも「管理品質」が重要になってきているのです。

長期修繕計画がマンションの未来を決める

マンションは定期的なメンテナンスが欠かせません。

代表的な工事には、

  • 外壁補修
  • 屋上防水
  • 給排水管更新
  • エレベーター更新
  • 耐震補強

などがあります。

これらを計画的に実施するために必要なのが長期修繕計画です。

長期修繕計画が適切に作成されていれば、修繕積立金も計画的に積み立てられ、突然の多額負担を避けやすくなります。

逆に計画がなければ、修繕時期になって資金不足が発覚し、一時金徴収や工事延期につながることがあります。

住民自治がマンションを守る

マンション管理では管理会社の存在が注目されがちですが、最終的な意思決定を行うのは区分所有者です。

理事会が機能し、

  • 管理会社を適切に監督する
  • 修繕計画を見直す
  • 住民への情報共有を進める
  • 総会への参加を促す

こうした活動を積み重ねることでマンション全体の価値が維持されます。

「誰かがやってくれる」という考えではなく、住民一人ひとりがマンション運営に関心を持つことが重要です。

管理計画認定制度が広がる

近年は管理状況を「見える化」する制度も整備されています。

その代表例が管理計画認定制度です。

一定の基準を満たした管理組合は自治体から認定を受けることができます。

認定を受けることで、

  • 管理水準への信頼が高まる
  • 購入希望者への安心材料になる
  • 一部で金融上の優遇措置が利用できる

などのメリットがあります。

今後は「管理の良いマンション」が市場でより評価される傾向が強まるでしょう。

法改正で管理しやすい環境へ

近年の法改正では、管理組合が意思決定しやすい仕組みも整備されています。

例えば、所在不明の区分所有者などによって総会決議が進まない問題への対応が見直され、管理組合が必要な修繕や建替えの判断を行いやすくなりました。

人口減少や高齢化が進む中で、マンション管理を継続できる制度づくりはますます重要になっています。

築古マンションは「負動産」にも「優良資産」にもなる

これから築40年以上のマンションは急増します。

その中で価値を維持できるマンションと、急速に価値を失うマンションの差はますます大きくなるでしょう。

重要なのは、

  • 管理組合が機能しているか
  • 修繕積立金は十分か
  • 長期修繕計画はあるか
  • 住民が管理に参加しているか

という点です。

マンションは完成した瞬間から価値が決まるのではありません。

住民が日々の管理を積み重ねることで、築年数を重ねても魅力ある住まいへと育てていくことができます。

結論

これまでマンション選びでは立地や築年数が重視されてきました。しかし今後は、それ以上に「管理」が資産価値を左右する時代になります。

適切な管理が行われているマンションは、築年数を重ねても快適な住環境と資産価値を維持できます。一方、管理が機能しなければ、好立地であっても価値は大きく損なわれてしまいます。

マンションは購入して終わりではありません。住民全員が管理に関わり、未来へ引き継いでいくという意識こそが、建物の寿命と資産価値を守る最大の鍵となるのです。

参考

日本経済新聞 2026年7月22日 朝刊
マンション不都合な真実 あえぐ管理組合(下)よみがえった築古物件 住民自治が「廃虚」防ぐ

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