人生100年時代に最後の引っ越しは何歳で考えるべきか 終の住処編

FP
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人生100年時代といわれるようになりました。

平均寿命は延び続け、60歳はまだ現役、70歳でも元気に働く人が増えています。しかし、その一方で多くの人が見落としている問題があります。

それは「最後の引っ越し」をいつ行うかです。

住宅ローンや資産運用については真剣に考えても、自分が人生の最終盤をどこで暮らすのかについて具体的に考えている人は意外に少ないものです。

ところが、住まいは老後の幸福度を大きく左右します。

人生100年時代において、終の住処を考えることは資産形成と同じくらい重要なテーマなのです。

住まいの問題は80代になって突然始まる

多くの人は元気なうちは現在の住まいに不満を感じません。

しかし80代になると状況は大きく変わります。

階段の上り下りが負担になる。

車の運転に不安を感じる。

買い物や通院が難しくなる。

配偶者に先立たれて一人暮らしになる。

こうした問題はある日突然起きるわけではありません。

少しずつ進行し、気が付いた時には住み替えが難しい年齢になっていることも少なくありません。

特に地方では、自動車なしでは生活できない地域もあります。

70代までは問題なくても、85歳以降は状況が一変する可能性があります。

住まいの問題は高齢になってから考えるのでは遅い場合があるのです。

最後の引っ越しは元気なうちに行うべき

終の住処を考える上で最も大切なのは「自分で決められるうちに決める」ことです。

判断力も体力も十分にあるうちなら、自分の希望を反映できます。

しかし介護が必要になってからでは選択肢は大きく狭まります。

家族や施設の都合が優先されることもあります。

人生最後の引っ越しは、必要になってから行うのではなく、必要になる前に準備するものです。

これは資産運用にも似ています。

暴落してから対策するのではなく、元気なうちに備えることが重要なのです。

60代は情報収集の時期

60代はまだ早いと思うかもしれません。

しかし私はむしろ60代こそ準備期間だと思います。

今後住みたい地域を訪ねてみる。

医療環境を調べる。

買い物や交通の利便性を確認する。

自治体の高齢者支援制度を比較する。

実際に数日滞在してみるのも良いでしょう。

最近は地方移住体験やお試し居住制度を設ける自治体も増えています。

60代は決断する時期ではなく、選択肢を増やす時期です。

将来の住まいについて家族と話し合う時間も必要になります。

70代が現実的な決断のタイミング

多くの人にとって最後の引っ越しを考える適齢期は70代前半ではないでしょうか。

まだ健康で行動力があります。

運転もできる人が多いでしょう。

住宅の売却や購入の手続きも問題なく進められます。

一方で、自分の老後も現実的に見えてくる年齢です。

親の介護を経験した人も多くなります。

医療や介護の重要性も理解できるようになります。

70代前半は「まだ元気」と「将来への備え」のバランスが取れた時期なのです。

終の住処に必要な五つの条件

終の住処を選ぶ際には五つの視点が重要です。

一つ目は医療です。

総合病院や専門医へのアクセスは欠かせません。

二つ目は交通です。

運転できなくなっても生活できる環境が必要です。

三つ目は買い物環境です。

徒歩圏内に日常生活を支える施設があることが理想です。

四つ目は人とのつながりです。

孤独は健康寿命を縮める大きな要因になります。

五つ目は家計です。

固定資産税や管理費、将来の介護費用も含めて考える必要があります。

豪華な家よりも、安心して暮らせる環境の方が価値は大きいのです。

住まいは最後の資産運用である

多くの人は住まいを不動産として考えます。

しかし人生後半では見方が変わります。

住まいは投資商品ではなく、人生の満足度を高めるための基盤になります。

駅前の便利なマンションへ住み替える。

子どもの近くへ移住する。

地方都市のコンパクトな住宅に移る。

選択肢は人それぞれです。

大切なのは資産価値だけで判断しないことです。

住まいは毎日の暮らしそのものだからです。

人生最後の住まい選びは、人生最後の資産運用ともいえるでしょう。

結論

人生100年時代において、終の住処を考えることは避けて通れない課題です。

住まいの問題は80代になってから始まるのではなく、60代から準備が始まります。

情報収集は60代、決断は70代前半。

これが多くの人にとって現実的なスケジュールではないでしょうか。

人生最後の引っ越しは、住み替えではありません。

これからの人生をどこで、どのように生きるかを決める大切な選択です。

元気なうちに考え、自分自身で決めることが、人生後半を豊かにする第一歩になるのだと思います。

参考

日本経済新聞(2026年6月20日 朝刊)

「26市町村、人口増に転換 北海道南幌町、25年ぶり 育児支援厚く」

日本経済新聞(2026年6月20日 朝刊)

「関東・山梨、69市区町村が人口増 茨城・つくば『孤育て』防ぐ 相談員が親を見守り」

日本経済新聞(2026年6月18日 夕刊)

「50・60代の2割、住まい見直し 定年を機に、リクルート調べ」

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