70代で孤独になる人と友人が増える人 人間関係を広げるための習慣

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人生100年時代を迎え、老後の生活を豊かにするためには、お金や健康だけでなく、人間関係がますます重要になっています。

現役時代には、職場の同僚や取引先など、多くの人と日常的に交流する機会があります。しかし、定年退職を迎えると、仕事を通じた人間関係が急速に減少することがあります。

特に、会社中心の生活を送ってきた人ほど、退職後に社会とのつながりを失いやすい傾向があります。

一方、70代になっても新しい友人を増やし、趣味や地域活動を通じて充実した生活を送っている人もいます。

2026年10月11日付の日本経済新聞では、作家の林真理子氏が70代の人間関係について語り、年下の友人との交流や新しい習い事に挑戦することの大切さを指摘しています。

また、過去の肩書や収入にこだわらず、相手と対等な関係を築くことも重要だと述べています。

老後の人間関係は、現役時代の延長ではありません。

年齢を重ねるほど、意識的に社会とのつながりを維持し、新しい人間関係を築くことが必要になります。

今回は、70代で孤独になりやすい人と友人が増える人の違いを整理し、60代から実践できる人間関係づくりについて考えてみます。

定年退職によって人間関係が急速に縮小する理由

会社員として長年働いてきた人にとって、職場は収入を得る場所であると同時に、人間関係の中心でもあります。

毎日同僚と顔を合わせ、会議や打ち合わせを行い、取引先と交流することで、多くの人と接点を持っています。

しかし、定年退職すると、こうした日常的な交流がなくなります。

現役時代には頻繁に連絡を取り合っていた人でも、仕事上の関係がなくなると、次第に交流が減少する場合があります。

特に、管理職や役員などを経験した人は注意が必要です。

現役時代には多くの部下や取引先が周囲にいても、その関係が本人の肩書や権限に支えられていた可能性があるからです。

退職後も同じように人が集まるとは限りません。

ここで重要なのは、仕事上の人間関係と個人的な友人関係を区別することです。

仕事上の関係は、共通の業務や組織の目的によって維持されることがあります。

一方、友人関係は、互いの関心や信頼、相手と過ごす時間そのものに価値を感じることで成り立ちます。

そのため、退職後も人間関係を維持するためには、会社の肩書に依存しない交流を築いておく必要があります。

孤独になる人は過去の肩書を手放せない

定年後の人間関係を難しくする要因の一つが、現役時代の肩書や地位へのこだわりです。

例えば、大企業の部長や役員を経験した人が、地域の趣味の集まりに参加したとします。

その場で過去の役職や会社の規模、部下の人数などを繰り返し話してしまうと、周囲の人は距離を置くかもしれません。

地域社会では、現役時代の地位よりも、現在の人柄や相手への配慮が重視されることが多いからです。

林真理子氏も、現役時代に高い地位に就いていた人ほど、その経歴を前面に出さず、対等な関係を築くことが大切だと指摘しています。

これは、長年の仕事で培ってきた経験や実績を否定することではありません。

むしろ、その経験を必要な場面で自然に生かすことが重要なのです。

例えば、地域活動で会計担当者が不足している場合、経理経験のある人が協力すれば喜ばれるでしょう。

ただし、過去の役職を理由に周囲へ指示を出すのではなく、一人の参加者として協力する姿勢が求められます。

老後の人間関係では、何をしてきた人なのかよりも、今どのような人なのかが重要になります。

年下の友人を持つことが人生の可能性を広げる

年齢を重ねると、人間関係が同世代に偏りやすくなります。

学生時代の友人や元同僚など、長年付き合ってきた人との交流は大切です。

しかし、同世代だけの人間関係には限界もあります。

加齢とともに健康上の問題を抱える人が増え、外出や交流の機会が減少する場合があります。

また、友人との別れを経験することも多くなります。

そのため、70代以降の人間関係では、世代を超えた交流が重要になります。

林氏は、自分より10歳程度年下の友人との交流を勧めています。

年下の人と付き合うことで、新しい価値観や情報に触れる機会が増えます。

例えば、デジタル技術や生成AI、最近の文化や働き方などについて、若い世代から学ぶことができます。

一方、70代の人には、長年の経験から得られた知識や判断力があります。

若い世代にとっても、人生経験の豊富な人との交流は有益です。

重要なのは、年長者が一方的に教える関係ではなく、互いに学び合う関係を築くことです。

年齢差を意識しすぎず、共通の関心を通じて交流することが望ましいでしょう。

新しい友人をつくるには習い事が有効

70代になってから新しい友人をつくることは、決して簡単ではありません。

学生時代や現役時代と異なり、自然に人と出会う機会が少なくなるからです。

そのため、意識的に交流の場へ参加することが重要になります。

例えば、スポーツクラブ、語学教室、音楽教室、料理教室、地域の文化講座などが考えられます。

林氏自身も、新しい習い事としてバレエヨガを始めたと語っています。

習い事のメリットは、共通の目的を持つ人と継続的に交流できることです。

最初から親しい友人をつくろうとする必要はありません。

同じ活動に参加し、挨拶や簡単な会話を重ねることで、自然に関係が深まる可能性があります。

また、習い事には年齢や職業の異なる人が参加するため、現役時代とは違った人間関係を築くことができます。

ただし、費用や移動時間、体力的な負担には注意が必要です。

無理なく継続できる活動を選ぶことが大切です。

老後の友人づくりでは、一度に多くの人と親しくなることよりも、定期的に顔を合わせる機会を持つことが重要になります。

友人が増える人は相手の話をよく聞いている

良好な人間関係を築くためには、会話の仕方も重要です。

現役時代に管理職として働いてきた人は、部下に指示を出したり、問題点を指摘したりすることに慣れているかもしれません。

しかし、友人関係では、相手を評価したり指導したりする必要はありません。

むしろ、相手の話をよく聞き、関心を持つことが大切です。

例えば、友人が旅行の話をしているときに、自分の旅行経験ばかり話してしまうと、相手は十分に話せなくなります。

一方、相手が何を楽しんだのか、どのような経験をしたのかを尋ねれば、会話は自然に広がります。

また、相手の意見が自分と異なる場合でも、すぐに否定しないことが重要です。

年齢を重ねると、自分の経験に基づいた考え方が強くなることがあります。

しかし、社会環境や価値観は時代とともに変化します。

自分の考え方だけが正しいと思わず、異なる意見を受け入れる柔軟性が求められます。

林氏が人の悪口を言わないことの大切さを指摘している点も、注目に値します。

他人への批判や不満ばかり話していると、周囲の人が距離を置く可能性があります。

一緒にいて楽しいと感じてもらえることが、長く続く友人関係の基盤になります。

お金の使い方も老後の人間関係に影響する

老後の友人づきあいでは、お金の問題も避けて通れません。

現役時代と比べて収入が減少する人も多く、交際費に使える金額には個人差があります。

例えば、友人との食事や旅行に頻繁に参加すると、想定以上に支出が増える場合があります。

一方、お金がないことを理由にすべての誘いを断ってしまうと、人間関係が縮小する可能性があります。

そのため、自分の経済状況に合った付き合い方を考えることが重要です。

例えば、高額な旅行には参加できなくても、近所での食事や喫茶店での交流なら参加できるかもしれません。

また、毎回外食するのではなく、散歩や地域のイベントなど、費用の少ない活動を選ぶ方法もあります。

重要なのは、経済的な余裕がないことを恥ずかしいと考えないことです。

林氏も、無理に見えを張らず、自分に合った範囲で人づきあいを続けることの大切さを語っています。

老後の交際費は、単なる娯楽費ではありません。

社会とのつながりを維持し、生活の充実感を高めるための支出という側面もあります。

ただし、友人関係を維持するために過大な支出を続けることは避ける必要があります。

無理のない予算を設定し、長く交流を続けられることが大切です。

仕事を続けることが孤独の予防につながる

70代まで働き続けることには、経済的なメリットだけでなく、社会とのつながりを維持する効果も期待できます。

例えば、65歳で完全退職した人と、70歳まで週3日働く人を比較してみます。

完全退職した人は、職場での交流がなくなるため、新しい人間関係を築く必要があります。

一方、週3日働く人は、仕事を通じて同僚や顧客と交流する機会があります。

仕事上の役割を持ち続けることで、社会から必要とされているという実感を得られる場合もあります。

ただし、仕事をしていれば孤独にならないというわけではありません。

仕事上の人間関係だけに依存していると、仕事をやめたときに再び孤独を感じる可能性があります。

そのため、70代まで働く場合でも、仕事以外の友人関係を築いておくことが重要です。

例えば、平日は仕事をし、週末には趣味や地域活動に参加する方法があります。

仕事と私生活の両方に人間関係を持つことで、社会とのつながりを複数確保できます。

これは、将来仕事を続けられなくなった場合にも役立ちます。

男性だけでなく女性にも孤独の問題が広がる

老後の孤独は、男性だけの問題ではありません。

従来は、男性が仕事中心の生活を送り、女性が地域社会や子育てを通じて人間関係を築くという家庭も多くありました。

そのため、定年後の孤独は男性に多い問題として語られることがありました。

しかし、現在では未婚化や単身世帯の増加、共働き世帯の一般化などによって、生活環境が変化しています。

女性であっても、仕事を退職した後に人間関係が縮小する可能性があります。

また、配偶者との死別によって、一人暮らしになる場合もあります。

そのため、性別に関係なく、老後の人間関係を意識的に築く必要があります。

特に、一人暮らしの高齢者にとっては、日常的に連絡を取り合える人がいることが重要です。

例えば、近所の友人や趣味の仲間、離れて暮らす家族など、複数の人とのつながりを持つことが望ましいでしょう。

また、地域包括支援センターや自治体の高齢者向け交流事業などを活用する方法もあります。

孤独を防ぐためには、友人の人数だけでなく、困ったときに相談できる関係があるかどうかが重要です。

デジタル技術が70代の人間関係を広げる

近年は、インターネットやスマートフォンを活用することで、年齢や居住地に関係なく交流できる環境が整っています。

例えば、オンライン講座や趣味のコミュニティーに参加すれば、遠方に住む人とも交流できます。

また、ブログやSNSを通じて、自分の経験や知識を発信することも可能です。

専門分野について継続的に情報発信していれば、同じ関心を持つ人との交流が生まれることもあります。

さらに、オンライン会議を利用すれば、移動が難しい場合でも人と話す機会を確保できます。

これは、体力の低下や健康上の問題によって外出が難しくなった場合にも役立ちます。

ただし、オンライン上の交流には注意点もあります。

個人情報の取り扱いや詐欺、金銭の貸し借りなどには十分な警戒が必要です。

特に、インターネット上で知り合った相手から投資や送金を勧められた場合には、慎重に判断する必要があります。

デジタル技術は人間関係を広げる便利な手段ですが、対面での交流を完全に代替するものではありません。

オンラインと対面の両方を活用することで、より多様な人間関係を築くことができるでしょう。

60代から友人関係を育てておくことが重要

70代になってから突然友人を増やそうとしても、簡単にはいかない場合があります。

そのため、60代から準備を始めることが重要です。

まず、会社以外の活動に参加する機会を増やすことが考えられます。

例えば、週末にスポーツクラブへ通ったり、地域の講座に参加したりする方法があります。

また、学生時代の友人や以前の同僚など、しばらく連絡を取っていなかった人との交流を再開することも考えられます。

ただし、過去の友人関係を維持するだけでは十分とは限りません。

新しい人間関係を築くことも重要です。

例えば、60代で趣味の教室に参加し、10年間交流を続ければ、70代になったときには長年の友人関係が形成されている可能性があります。

また、仕事を続けながら趣味や地域活動に参加することで、退職後も生活のリズムを維持しやすくなります。

老後の友人関係は、短期間で完成するものではありません。

日々の交流を積み重ね、少しずつ信頼関係を築くことが重要です。

友人の数よりも関係の質が大切になる

老後の人間関係を考える際には、友人の人数だけに注目しないことも重要です。

友人が多くても、本当に困ったときに相談できる人がいなければ、孤独を感じる場合があります。

一方、友人が少なくても、互いに信頼し合える関係があれば、安心して生活できることがあります。

例えば、体調を崩したときに連絡できる友人がいることは、大きな安心につながります。

また、悩みを相談できる相手がいることも重要です。

ただし、特定の友人一人に過度に依存すると、その人が病気になったり、転居したりした場合に、支えを失う可能性があります。

そのため、家族、友人、地域社会、仕事関係など、複数のつながりを持つことが望ましいでしょう。

また、友人関係は一方的に支えてもらうものではありません。

自分自身も相手の話を聞き、必要なときには協力する姿勢が大切です。

互いに無理のない範囲で支え合える関係こそ、長く続く友人関係といえるでしょう。

結論

人生100年時代において、70代の人間関係は老後の生活の質を左右する重要な要素です。

定年退職によって仕事上の人間関係が減少すると、社会とのつながりを失い、孤独を感じる可能性があります。

特に、会社の肩書や地位に依存してきた人ほど、退職後の人間関係を築くことが難しくなる場合があります。

一方、70代になっても新しい友人を増やしている人には、いくつかの共通点があります。

過去の肩書にこだわらず、相手と対等に接することです。

年齢に関係なく新しいことに関心を持ち、異なる価値観を受け入れることです。

そして、相手の話をよく聞き、悪口や批判を控え、一緒に過ごす時間を大切にすることです。

また、年下の友人との交流や新しい習い事への参加は、人間関係を広げるきっかけになります。

仕事を続けることも、社会とのつながりを維持するための有効な方法の一つです。

ただし、仕事だけに依存するのではなく、趣味や地域活動など、複数の交流の場を持つことが重要です。

さらに、友人づきあいでは経済的な無理をしないことも大切です。

高額な旅行や食事に参加できなくても、自分の生活水準に合った交流を続けることはできます。

老後の豊かさは、金融資産の金額だけでは測れません。

一緒に食事を楽しめる友人がいること、困ったときに相談できる相手がいること、新しいことを学び合える仲間がいることも、人生を豊かにする大切な財産です。

そして、こうした人間関係は70代になってから突然生まれるものではありません。

60代から少しずつ交流の場を広げ、信頼関係を積み重ねていくことが重要です。

人生100年時代において、老後資金を準備することと同じくらい、人間関係を育てることにも意識を向ける必要があります。

70代で孤独になるか、それとも新しい友人に囲まれて充実した生活を送るか。

その違いを生むのは、過去の地位や収入ではなく、年齢を重ねても好奇心を持ち、人とのつながりを大切にし続ける姿勢ではないでしょうか。

参考

日本経済新聞 2026年10月11日付 「70代こそ働くのをやめるな 作家・林真理子氏『卒婚も選択肢に』」

内閣府 令和6年度高齢者の経済生活に関する調査

内閣府 令和8年版高齢社会白書

内閣府 孤独と孤立の実態把握に関する全国調査

厚生労働省 高齢者の社会参加と生きがいづくりに関する資料

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