2026年の基準地価で全国最高となったのは、東京の銀座2丁目にある明治屋銀座ビルの土地でした。
1平方メートルあたり5250万円です。
前年から11.9%上昇し、21年連続で全国最高となりました。
一般的な住宅地とは桁が違う土地価格です。
なぜ銀座の土地には、これほど高い価格がつくのでしょうか。
重要なのは、単に銀座という有名な場所だから高いわけではないことです。
店舗やオフィス、観光などの強い需要があり、限られた土地から大きな収益を生み出せることが土地の価値を高めています。
銀座2丁目が21年連続で全国最高
2026年の基準地価では、銀座2丁目の明治屋銀座ビルが1平方メートルあたり5250万円となりました。
21年連続で全国最高です。
しかも前年から11.9%上昇しました。
すでに非常に高い価格になっている土地が、さらに2桁上昇していることになります。
銀座は日本を代表する商業地です。
百貨店、高級ブランド店、飲食店、オフィスなどが集積しています。
さらに国内の消費者だけではなく、訪日外国人旅行者も集まります。
多くの人が集まり、多くのお金が使われる場所だからこそ、企業にとって店舗を構える価値が高くなります。
土地価格は広さだけでは決まらない
土地は同じ1平方メートルでも、場所によって価格が大きく違います。
土地そのものは何かを生産するわけではありません。
その場所を利用することで、どれだけの価値や収益を生み出せるのかが重要です。
例えば人通りの少ない場所に店舗を出しても、多くの売り上げを期待することは難しいでしょう。
一方、毎日多くの消費者や観光客が通る場所であれば、高い売り上げを期待できます。
企業は売り上げやブランド価値が高まると判断すれば、高い賃料を支払ってでもその場所に店舗を出そうとします。
その高い賃料を受け取れる土地だからこそ、土地そのものにも高い価格がつきます。
銀座には強い店舗需要がある
銀座の特徴の1つが店舗需要の強さです。
高級ブランドや百貨店、飲食店などにとって、銀座への出店には単純な売り上げ以上の意味があります。
銀座に店舗を構えていること自体が企業やブランドの知名度やイメージにつながる場合があるからです。
そのため店舗を借りたい企業が多ければ、限られた店舗スペースを巡って競争が起きます。
需要に対して供給できる場所が少なければ、賃料は上昇しやすくなります。
賃料が高くても借りたい企業が存在することが、商業用不動産の収益力を高めます。
そして高い収益力が土地価格に反映されます。
訪日客も銀座の価値を高める
銀座の商業地を支えているもう1つの要因が訪日外国人旅行者です。
東京を訪れる外国人旅行者が増えれば、銀座を訪れる人も増えます。
高級ブランド品や化粧品、時計、宝飾品などを購入する訪日客が増えれば、店舗側の売り上げ拡大が期待できます。
ホテルや飲食店などへの需要も強くなります。
つまり訪日客の増加は、人の流れを増やすだけではありません。
その地域で生まれる消費額を増やし、店舗が高い賃料を負担できる環境をつくります。
観光需要が商業不動産の収益力を高め、それが地価にも反映されるわけです。
希少性が土地価格を高くする
銀座の土地価格を考えるうえで、もう1つ重要なのが希少性です。
銀座2丁目の土地を新しくつくることはできません。
需要が増えたからといって、銀座という場所そのものを広げることもできません。
土地の供給量には物理的な限界があります。
高級ブランドや企業、投資家が銀座の土地や店舗を求めても、利用できる土地や建物には限りがあります。
需要が強い一方で供給を簡単に増やせないため、価格が上昇しやすくなります。
これは土地という資産の大きな特徴です。
高い賃料を取れるから高い土地を買える
商業地では、その土地からどれだけの収益を得られるのかが土地価格に大きく影響します。
例えば土地を購入して商業ビルを建設するとします。
そのビルから年間に大きな賃料収入を得られるのであれば、事業者は土地の購入に多くのお金を使うことができます。
反対に賃料が低い地域では、土地を高値で購入すると事業として採算が合わなくなります。
銀座では高い賃料を支払ってでも店舗を構えたい企業があります。
そのため土地を高い価格で購入しても、将来の賃料収入によって投資資金を回収できる可能性があります。
1平方メートル5250万円という地価の背景には、この収益力があります。
ブランド価値も一般的な土地とは違う
銀座では、土地から得られる価値を賃料だけで説明できない部分もあります。
企業にとって一等地への出店には広告やブランド戦略としての意味もあるからです。
例えば銀座の目立つ場所に店舗を構えることで、多くの人にブランドを認知してもらえる可能性があります。
店舗そのものが広告の役割を果たすわけです。
通常の店舗なら賃料と売り上げの関係だけで採算を考えるところを、ブランド価値や広告効果まで含めて出店を判断する企業もあります。
その結果、一般的な地域より高い賃料を負担できる企業が集まりやすくなります。
高い地価にもリスクはある
もちろん、銀座だから地価が必ず上昇し続けるわけではありません。
商業地の価値は経済環境によって変化します。
景気が悪化して企業の出店意欲が弱くなれば、店舗需要が減る可能性があります。
訪日客が減れば、小売店やホテルなどの収益にも影響します。
金利が上昇すれば、不動産を購入するための資金調達コストも増えます。
また、地価や建築費が上昇し過ぎれば、高い賃料を取れても投資採算が悪化することがあります。
現在の高い地価は、将来にわたって高い収益を生み出せるという期待も含んだ価格です。
その期待が変われば、土地価格も変化します。
日本最高地価は経済活動の集積を映している
銀座の1平方メートル5250万円という数字を見ると、土地そのものが非常に高価であることに目が向きます。
しかし、その価格の裏側にあるのは銀座に集まる経済活動です。
多くの消費者が訪れる。
訪日客が買い物をする。
企業が店舗やオフィスを構える。
高い賃料を支払ってでも進出したい企業が存在する。
国内外の投資家が不動産を購入する。
こうした需要が限られた土地に集中しています。
地価とは、その場所で行われる経済活動の価値を映す数字でもあります。
結論
2026年の基準地価で、東京の銀座2丁目にある明治屋銀座ビルは1平方メートルあたり5250万円となり、21年連続で全国最高となりました。
前年からも11.9%上昇しています。
銀座の土地が高い最大の理由は、限られた土地に強い需要が集中していることです。
店舗やオフィスを利用したい企業が多く、訪日客を含めて多くの人が集まります。
企業が高い賃料を支払えるだけの売り上げやブランド価値を期待できれば、不動産の収益力は高くなります。
そして高い収益を生み出せる土地には、投資家や不動産会社も高い価格を支払うことができます。
土地の供給を簡単に増やせないという希少性も、その価値をさらに高めます。
銀座の1平方メートル5250万円という価格は、単なる土地の値段ではありません。
その限られた場所から将来どれだけの経済価値を生み出せるのかという市場の評価が、地価という数字になって表れているのです。
参考
日本経済新聞 2026年9月16日 朝刊 基準地価、5年連続上昇 建築費高騰
日本経済新聞 2026年9月16日 朝刊 東京の商業地11.4%上昇