住宅ローン控除の立地要件とは何か 災害危険区域等外の判定方法編

税理士
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令和8年度税制改正では、住宅ローン控除の適用要件に「立地」という新たな視点が加わりました。これまでは住宅の性能や床面積、所得要件などが中心でしたが、今後は住宅が建築される場所も重要な判断材料となります。

特に、令和10年1月1日以後に入居する新築住宅については、災害リスクの高い区域に建築された住宅は原則として住宅ローン控除の対象外となります。一方で、一定の条件を満たす場合には例外も認められており、その判断方法について国税庁の通達で具体的な考え方が示されました。

今回は、住宅ローン控除における立地要件と、災害危険区域等外の判定方法について分かりやすく解説します。

住宅ローン控除に立地要件が導入された理由

近年、日本では豪雨や土砂災害などの自然災害が頻発しています。そのため、国は災害リスクの高い場所への住宅建築を抑制し、安全な地域への居住を促進する政策を進めています。

令和8年度税制改正では、この考え方を住宅ローン控除にも反映しました。

住宅ローン控除は住宅取得を支援する制度ですが、今後は災害リスクの高い場所に新築される住宅については税制上の優遇を受けられない仕組みとなります。

災害危険区域等とは何か

住宅ローン控除の対象外となるのは、いわゆる「災害レッドゾーン」に該当する区域です。

具体的には次の区域が対象になります。

  • 災害危険区域
  • 土砂災害特別警戒区域
  • 地すべり防止区域
  • 急傾斜地崩壊危険区域
  • 浸水被害防止区域

ただし、災害危険区域については、都市再生特別措置法に基づく勧告に従わなかったことが公表された区域など、一定の要件を満たすものに限られます。

住宅を建築する前には、自治体が公表しているハザードマップや区域指定図を確認することが重要です。

例外として住宅ローン控除が認められる場合

改正制度では、一部でも災害危険区域等に建築された住宅は原則として住宅ローン控除の対象外になります。

しかし例外があります。

それは、建築確認を受けた時点において、住宅を建築する土地の全部が災害危険区域等外にあった場合です。

つまり、その後に区域指定が変更されたようなケースでは、建築確認時の状況を基準として住宅ローン控除の適用が判断されます。

建築確認時点が判定基準となることは、住宅取得者にとって重要なポイントです。

通達で示された判定方法

今回公表された租税特別措置法通達では、「土地の全部が災害危険区域等外にある」とは、どのように判断するのかが明確化されました。

判定対象となるのは、建築基準法施行令で定める建築面積に係る部分です。

つまり、住宅本体が建つ部分が災害危険区域等外にあるかどうかで判定します。

ここで重要なのは、住宅本体とは別の附属建築物については判定対象から除かれることです。

自動車車庫や倉庫は判定対象外

今回の通達で最も注目される点は、自動車車庫や倉庫などの附属建築物についての取扱いです。

住宅とは別棟のガレージや物置などについては、その建築面積は判定対象から除かれます。

例えば、

  • 母屋は区域外に建築されている
  • 敷地の一部に独立した車庫がある
  • 車庫部分だけが災害危険区域等にかかっている

このような場合には、住宅本体の建築面積のみで判定が行われます。

附属建築物まで含めて判定されるわけではないため、実務上の判断基準が明確になりました。

実務上の注意点

住宅取得者だけでなく、住宅メーカーや工務店、税理士にとっても重要なのは、建築確認時の資料を適切に保存しておくことです。

建築確認図面や配置図などにより、住宅本体の建築面積がどこに位置していたかを確認できるようにしておく必要があります。

また、区域指定は自治体によって変更されることがあるため、建築確認時点の区域指定状況を確認できる資料も重要になります。

住宅ローン控除の適用可否は大きな税負担の違いにつながるため、建築計画の段階から十分な確認が求められます。

結論

令和8年度税制改正により、住宅ローン控除には災害リスクを考慮した立地要件が導入されました。

今回の通達では、災害危険区域等外であるかどうかは住宅本体の建築面積によって判定し、自動車車庫や倉庫などの附属建築物は判定対象から除かれることが明確になっています。

住宅取得時には建築確認時点の区域指定が重要となるため、住宅会社や自治体と十分に確認しながら計画を進めることが、将来の税務上のトラブル防止につながるでしょう。

参考

税のしるべ
2026年8月3日
住宅ローン控除の立地要件で災害危険区域等外の判定方法を示す、自動車車庫等に係る部分を除く

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