住宅ローンの固定期間選択型とは何か 10年固定が全期間固定とは違う理由編

FP
緑 赤 セミナー ブログアイキャッチ - 1

住宅ローンには、変動金利型と全期間固定型の中間のような商品があります。

それが固定期間選択型です。

例えば10年固定を選ぶと、当初10年間は金利が変わりません。

そのため、「10年間は固定金利だから安心」と考える人もいるでしょう。

しかし、10年固定と35年間などの全期間固定では、金利上昇リスクの負い方が大きく違います。

10年固定の場合、固定期間が終了した後には、その時点の金利水準をもとに新たな金利が適用されることになります。

住宅ローンの返済期間が35年なら、10年固定を選んでも残り25年間があります。

固定期間選択型を利用するときには、最初の10年間だけではなく、固定期間終了後まで考えることが重要です。

固定期間選択型とは何か

固定期間選択型とは、住宅ローンを借りている期間のうち、一定期間だけ金利を固定する商品です。

代表的なものには3年固定、5年固定、10年固定などがあります。

10年固定であれば、当初10年間の適用金利は原則として変わりません。

市場金利が上昇しても、その10年間については契約した金利で返済を続けることができます。

変動金利のように途中で適用金利が変わらないため、固定期間中の返済計画を立てやすいことが特徴です。

一方、全期間固定型とは異なり、住宅ローンを完済するまで金利が固定されるわけではありません。

10年固定と全期間固定は何が違うのか

例えば35年返済の住宅ローンで10年固定を選んだとします。

金利が固定されるのは最初の10年間だけです。

11年目以降については、固定期間終了時の条件に基づいて新たな金利が決まります。

これに対して全期間固定型では、借入時に決まった金利が原則として完済まで続きます。

そのため、借入時点で将来の返済額を見通しやすくなります。

10年固定は「固定金利の商品」ではありますが、住宅ローン全体で見れば、将来の金利変動リスクが残っています。

この点を理解しておく必要があります。

固定期間終了後に何が起こるのか

固定期間選択型で最も重要なのが、固定期間終了後です。

例えば10年間の固定期間が終了すると、その時点で改めて変動金利や固定期間選択型などを選ぶ仕組みの商品があります。

その時点の市場金利が住宅ローンを借りたときより高くなっていれば、新たに適用される金利も高くなる可能性があります。

すると、毎月返済額が増えることがあります。

住宅ローンを借りた時点では返済に余裕があっても、10年後には子どもの教育費などが増えている可能性があります。

返済額の増加と家計支出の増加が重なることに注意が必要です。

当初金利だけを見てはいけない

固定期間選択型では、当初の適用金利が低く設定されている商品があります。

そのため、住宅ローンを比較するときには魅力的に見えることがあります。

しかし、住宅ローンは当初数年間だけ返済するものではありません。

重要なのは、固定期間終了後にどのような金利が適用されるのかです。

金融機関によっては、店頭表示金利から一定幅を引き下げることで実際の適用金利を決めています。

固定期間終了後の金利優遇の条件が当初期間と異なる商品もあります。

したがって、当初金利だけではなく、固定期間終了後の金利決定方法まで確認する必要があります。

金利上昇局面では返済額が増える可能性がある

固定期間中は市場金利が上昇しても適用金利は変わりません。

これは固定期間選択型の大きなメリットです。

しかし、その間に市場金利が大幅に上昇していれば、固定期間終了時にその影響が表面化する可能性があります。

例えば10年間で市場金利が大きく上昇していた場合、11年目から適用される住宅ローン金利も上昇する可能性があります。

つまり、固定期間選択型は金利上昇リスクを完全になくすのではなく、一定期間先送りする側面があります。

固定期間中の安心だけではなく、固定期間終了時のリスクも考えておくことが重要です。

10年後の住宅ローン残高も重要になる

固定期間終了時の影響は、その時点で住宅ローンがいくら残っているかによって変わります。

例えば10年後の住宅ローン残高が3,000万円残っている場合と1,000万円しか残っていない場合では、金利上昇による影響が違います。

住宅ローン残高が大きいほど、金利上昇の影響を受けやすくなります。

そのため、固定期間選択型を利用する場合には、固定期間終了時点の住宅ローン残高を確認しておくことも重要です。

借入時に返済予定表を確認すれば、10年後にどの程度の元本が残っているのかを把握できます。

固定期間中を準備期間として利用する

固定期間選択型のメリットを生かす方法の1つが、金利が固定されている期間を将来への準備期間として利用することです。

例えば10年固定なら、10年間は住宅ローン金利が変わらないため、返済計画を立てやすくなります。

その間に貯蓄を増やすことができます。

固定期間終了時の住宅ローン残高を減らすため、余裕資金の使い方を検討することもできます。

また、固定期間終了が近づいた段階で、同じ金融機関で金利タイプを変更するのか、他の金融機関へ借り換えるのかを比較することもできます。

固定期間が終わる直前になって初めて考えるのではなく、余裕を持って準備することが大切です。

変動型と全期間固定型の中間として考える

固定期間選択型は、変動型と全期間固定型の特徴を一部ずつ持っています。

変動型と比べれば、一定期間の金利上昇リスクを抑えることができます。

全期間固定型と比べれば、当初の金利が低くなる場合があります。

一方で、固定期間終了後には再び金利変動リスクを負うことになります。

したがって、固定期間選択型が変動型と固定型のいいところだけを組み合わせた商品とは限りません。

一定期間の安心と、その後の金利変動リスクをセットで引き受ける住宅ローンと考える必要があります。

結論

住宅ローンの固定期間選択型は、3年、5年、10年など一定期間だけ金利を固定する仕組みです。

10年固定なら、当初10年間については市場金利が上昇しても適用金利は原則変わりません。

しかし、全期間固定型とは違い、固定期間終了後の金利は確定していません。

10年固定で35年返済なら、固定期間終了後も25年間の返済が残ります。

その時点で市場金利が上昇していれば、住宅ローン金利や毎月返済額が上昇する可能性があります。

そのため、固定期間選択型を利用するときには、当初の低い金利だけで判断してはいけません。

固定期間終了後の金利決定方法、住宅ローン残高、家計の状況まで確認する必要があります。

10年固定は35年間の安心を買う住宅ローンではありません。

10年間の金利を確定し、その間に将来の金利変動へ備える住宅ローンとして理解することが重要です。

参考

日本経済新聞 2026年9月26日 朝刊 住宅ローン金利上昇に備え 借入額抑制や貯蓄が重要に

タイトルとURLをコピーしました