月末になると、多くの会社で予実会議が開かれます。
売上は予算を達成したのか。
利益はどのくらい残ったのか。
未達だった原因は何だったのか。
こうした数字を確認することは、経営管理にとって欠かせません。
しかし、会議が終わったあとに参加者が「来月は頑張りましょう」で解散してしまう会社も少なくありません。
原因は詳しく分析した。
数字も説明できた。
それでも翌月になると同じ問題が繰り返される。
このような会議は、予実会議というより反省会になってしまいます。
参考記事では、差異を掘り下げて原因までたどり着いたことは大きな前進である一方、翌月の行動が変わらなければ未来の数字も変わらず、分析だけで終わる予実管理は手間のかかった反省会でしかないと説明されています。
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予実会議の本当の目的は、過去を説明することではなく、次の行動を決めることです。
実績説明に時間を使う問題
予実会議では、最初に実績を説明する場面が多くあります。
売上は予算比95パーセントでした。
営業利益は予算より200万円少なくなりました。
主力商品の販売数量が減少しました。
地域別では西日本が苦戦しました。
こうした説明は必要です。
なぜなら、会社の現状を参加者全員で共有しなければ、その後の議論ができないからです。
しかし、実績説明だけに会議時間の大半を使ってしまうと、本来考えるべき改善策に十分な時間を使えなくなります。
数字を丁寧に説明することと、数字を改善することは別の仕事です。
参考記事でも、原因分析だけで終われば翌月の数字は変わらないと示されています。
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会議では説明そのものを目的にするのではなく、その説明を次の判断につなげることが重要です。
原因分析で止まる問題
反省会になってしまう最大の理由は、原因が分かったところで会議が終わることです。
たとえば売上が40万円未達だったとします。
原因を調べると、主力製品の販売数量が減っていました。
さらに分析すると、主要得意先への訪問回数が繁忙を理由に半分になっていたことが分かりました。
ここまで分析できれば、かなり深い原因までたどり着いています。
参考記事でも、このように売上未達から販売数量減少、さらに主要得意先への訪問回数減少まで掘り下げる例が紹介されています。
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ところが、
訪問回数が減っていたのですね
それでは営業を強化しましょう
というところで会議を終えたらどうでしょうか。
何を強化するのか。
誰が担当するのか。
いつまでに実行するのか。
これらが決まっていなければ、翌月の営業活動は大きく変わらない可能性があります。
原因分析は重要ですが、それだけでは改善にはつながりません。
頑張りますでは改善しない理由
予実会議では、「頑張ります」という言葉がよく使われます。
ほかにも、
営業を強化します
意識を徹底します
努力します
という表現が使われることがあります。
これらは前向きな言葉に聞こえます。
しかし、具体的な行動は何一つ決まっていません。
参考記事では、「意識する」「徹底する」「頑張る」といった言葉は、行動を決めたような気にさせるだけで、実際には何も決めていないと指摘されています。
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たとえば「営業を強化する」と決めたとしても、人によって意味が違います。
訪問件数を増やす人もいるでしょう。
電話営業を増やす人もいます。
新規顧客を開拓する人もいます。
これでは会議で合意した内容が曖昧になります。
改善を実行するためには、抽象的な言葉ではなく、具体的な行動へ変換する必要があります。
作戦会議へ変える方法
予実会議を作戦会議へ変えるためには、原因を具体的なアクションへ落とし込むことが重要です。
参考記事では、主要得意先への訪問回数が減っていたという原因に対して、次のような具体化が示されています。
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上位10社への訪問を月2回に戻す。
担当者は営業部長。
今月中に訪問予定を組み直す。
来月の予実会議で販売数量の推移を確認する。
ここでは、改善策が明確です。
何をするのか。
誰がするのか。
いつまでにするのか。
どの数字で効果を確認するのか。
この4つが決まっています。
会議の目的は「良い意見を出すこと」ではありません。
会議後に実際の行動が変わることです。
数字を見る前に前月の行動を確認する
予実会議では、今月の数字から始めることが多いかもしれません。
しかし参考記事では、翌月の会議は数字を見る前に、前回決めたアクションを検証することから始めると説明されています。
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たとえば前月に、
上位10社へ月2回訪問する
と決めたとします。
翌月の会議では、まず訪問回数を確認します。
実際に月2回訪問できたのか。
できなかったのか。
次に、その結果として販売数量がどう変わったのかを確認します。
訪問回数は戻った。
販売数量も回復した。
であれば、そのアクションは効果があった可能性があります。
一方で、訪問回数は増えたのに販売数量が変わらなかったのであれば、別の原因を考える必要があります。
このように、前月の行動を検証することで会議が継続的な改善の場になります。
管理できることに時間を使う
予実会議では、原因の中に自社で変えられるものと変えられないものがあります。
参考記事では、原料の高騰や天候不順など、管理できない要因について長時間議論しても翌月の数字は良くならないと説明されています。
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もちろん外部環境を分析することは必要です。
しかし、天候そのものを変えることはできません。
世界市場の原材料価格そのものも、自社だけでは動かせません。
一方で、
顧客訪問の予定を見直す
営業担当者の役割を調整する
見積提出を早める
重要顧客へのフォローを増やす
といった行動は自社で変えられます。
会議時間を有効に使うためには、自分たちが実際に動かせる要因へ集中することが重要です。
反省ではなく改善を積み重ねる
反省そのものは悪いことではありません。
過去を振り返ることで、失敗から学ぶことはできます。
問題は、振り返るだけで終わってしまうことです。
参考記事では、予算を立てるPlan、日々の商売を実行するDo、差異を把握して原因を掘り下げるCheck、具体的なアクションを決めて実行するActionという流れを、予実管理そのものとして説明しています。
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つまり、予実会議はCheckだけを行う場ではありません。
Checkの結果をActionへつなげる場です。
数字が悪かった理由を説明する。
原因を掘り下げる。
具体的な行動を決める。
翌月にその結果を確認する。
この流れを繰り返すことで、会議が少しずつ経営改善の仕組みになります。
会議の質は最後の5分で決まる
予実会議では、売上や利益について多くの議論が行われます。
数字の分析にも時間が必要です。
原因を探ることも大切です。
しかし、最後の数分で具体的な行動が決まらなければ、その会議は翌月の数字を変える力を持ちません。
参考記事でも、差異分析が反省会で終わるか作戦会議になるかの分かれ目は、「何を、誰が、いつまでに」を決めて実行へ移すかどうかだとまとめられています。
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会議で最も重要なのは、美しい分析資料ではありません。
参加者全員が翌日から同じ方向へ動けることです。
そのためには、会議の最後に必ず具体的なアクションを残すことが必要になります。
結論
予実会議が反省会になってしまうのは、数字の説明や原因分析だけで終わり、次の行動が決まらないからです。
売上未達の原因を詳しく分析することは重要です。
しかし、原因が分かっただけでは未来の数字は変わりません。
必要なのは、その原因を改善できる具体的な行動へ変換することです。
何をするのか。
誰が担当するのか。
いつまでに実行するのか。
そして翌月にどの数字で効果を確認するのか。
ここまで決めることで、予実会議は過去を振り返る反省会ではなく、未来の業績をつくる作戦会議へ変わります。
数字を見ることが目的ではありません。
数字を変えるために行動を決めることこそ、予実会議の最も大きな役割なのです。
参考
企業実務 2026年9月号 猫と学ぶ経理力の磨き方 第9話 頑張りますで終わらせたら予実管理ちゃうで