高齢者の住まいの選択肢――ケアハウス・サ高住・シニア向け分譲マンションの特徴

FP
ブルー ベージュ ミニマル note ブログアイキャッチ - 1

高齢期の住まいをどうするかは、老後生活を考えるうえで重要なテーマの一つです。
特別養護老人ホームや有料老人ホームのような介護施設がよく知られていますが、それ以外にもさまざまな住まいの選択肢があります。

たとえば、比較的費用を抑えて入居できるケアハウス、自由な生活を維持しながら見守りを受けられるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、そして資金に余裕がある人が選択するシニア向け分譲マンションなどです。

これらはそれぞれ目的や入居条件が異なり、健康状態や生活スタイル、資金状況によって適した住まいが変わります。
本稿では、高齢期の住まいとして注目されるケアハウス、サ高住、シニア向け分譲マンションの特徴と違いを整理します。


ケアハウスとは何か

ケアハウスは、経費老人ホームのC型に位置づけられる高齢者向け施設です。
自宅での生活に不安がある高齢者を対象とした福祉施設で、社会福祉法人や医療法人などが運営しています。

自治体から建設費や運営費の補助を受けているため、民間の高齢者施設と比べて費用が比較的抑えられている点が特徴です。

入居時には一時金が必要となる場合が多く、数十万円から数百万円程度が目安とされています。
また、月額費用は7万~15万円程度が一般的です。

居室は原則として個室で、トイレや洗面台が設置されているほか、施設によってはシャワー付きの部屋もあります。
食事は基本的に1日3食提供され、共用スペースではレクリエーションなどの活動も行われています。

特筆すべき点として、ケアハウスでは資産額が入居費用に影響しない場合が多いという特徴があります。
そのため、資産はあるが年金収入が少ない高齢者でも利用しやすい制度になっています。


ケアハウスの2つのタイプ

ケアハウスには大きく分けて「一般型」と「介護型」の2種類があります。

一般型ケアハウス

一般型は、自立または要支援の高齢者が対象となる施設です。
60歳以上であれば入居できる場合が多く、自立した生活を前提とした住まいになります。

施設内に介護スタッフは常駐していないため、介護が必要になった場合は外部の訪問介護サービスなどを利用します。
そのため、要介護度が高くなると別の介護施設へ転居するケースが一般的です。

実際には、要介護1~2程度までの高齢者が生活していることが多いとされています。

介護型ケアハウス

介護型は、特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設で、24時間体制の介護サービスを受けることができます。

対象は65歳以上で要介護1以上の高齢者です。
特別養護老人ホームは原則として要介護3以上が対象ですが、介護型ケアハウスではそれよりも早い段階で入居できる点が特徴です。

要介護5まで継続して住み続けることが可能で、看取りまで対応する施設もあります。
そのため、特養の待機期間中の住まいとして利用されるケースもあります。

ただし、介護型ケアハウスは施設数が少なく、地域によっては入居待機者が多い状況です。


自由な暮らしを重視するならサ高住

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、バリアフリー設計の賃貸住宅に見守りサービスなどが付いた住まいです。

基本的には一般の賃貸住宅に近い形態ですが、次のような特徴があります。

・バリアフリー設計
・見守りサービス
・生活相談サービス

住戸面積は原則25㎡以上とされており、通常のワンルームより広めの設計になっています。
室内やトイレにセンサーが設置されている物件もあり、長時間動きがない場合などに異常を検知する仕組みが導入されています。

介護が必要になった場合は、外部の介護事業者による訪問介護などを利用します。
これは自宅での介護と同様ですが、サ高住では食事サービスが提供されているケースが多く、食事関連の支援に介護保険を使わずに済む場合があります。

その分、身体介護などに介護保険サービスを利用できるというメリットがあります。

また、外出や外泊も基本的に自由であり、比較的自立した生活を維持しやすい住まいといえます。

入居時には敷金や礼金などが必要で、数十万円程度が一般的です。
家賃や管理費は通常の賃貸住宅よりやや高めになる傾向があります。


資金に余裕があればシニア向け分譲マンション

もう一つの選択肢が、シニア向け分譲マンションです。

これはサ高住と似た機能を持ちながら、賃貸ではなく購入して住む形式の住宅です。
バリアフリー設計に加えて、見守りサービスや食事提供などが用意されている物件が多くあります。

特徴として、設備や共用施設が充実している点が挙げられます。
例えば、次のような施設が設置されている場合があります。

・レストラン
・フィットネスジム
・カラオケルーム
・シアタールーム

また、商業施設や医療機関への送迎バスを運行している物件もあります。

価格は数千万円から1億円を超えるものまで幅広く、資金に余裕がある高齢者向けの住まいといえます。

ただし、購入する住宅であるため、管理費や修繕積立金、固定資産税などの負担が発生します。

また、入居者の多くは自立して活動的な高齢者であるため、介護度が高くなると生活が難しくなる可能性があります。
そのため、要介護3程度になった段階で売却し、介護施設へ転居するという計画をあらかじめ考えておくことも重要です。


結論

高齢期の住まいには、介護施設だけでなくさまざまな選択肢があります。

比較的費用を抑えて入居できるケアハウス、自由な生活と見守りを両立できるサ高住、そして資金に余裕がある人向けのシニア向け分譲マンションなど、それぞれ特徴が異なります。

重要なのは、現在の健康状態だけでなく、将来の介護状態や資金計画も含めて住まいを選ぶことです。
高齢期の住まいは、生活の質や安心感に直結するテーマでもあります。

自宅での生活が難しくなる前の段階から、どのような住まいの選択肢があるのかを理解しておくことが、老後生活を安定させるうえで大切といえるでしょう。


参考

日本FP協会
FPジャーナルONLINE
畠中雅子「要支援から入所できるケアハウスとは?自立ならサ高住も候補に」
2025年掲載記事(FPジャーナルONLINE)

タイトルとURLをコピーしました