住宅ローン控除の適用要件とは何か 令和8年度改正を踏まえた総整理編

税理士
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住宅ローン控除は、住宅を取得する際の税負担を軽減する代表的な税制優遇制度です。しかし、適用を受けるためには住宅ローンを利用すればよいというわけではなく、所得や住宅の床面積、居住開始時期など、さまざまな要件を満たす必要があります。

さらに、令和8年度税制改正では、新たに立地要件が導入され、災害危険区域等に建築された一定の新築住宅は住宅ローン控除の対象外となる制度が設けられました。

今回は、住宅ローン控除の適用要件について、令和8年度改正を踏まえて整理します。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を取得・新築・増改築した場合に、一定の要件を満たすことで所得税や住民税の負担が軽減される制度です。

住宅取得を支援するとともに、良質な住宅ストックの形成や省エネルギー性能の高い住宅の普及を促進することを目的としています。

適用を受けるためには、住宅や住宅ローンだけでなく、住宅取得者自身にも一定の条件があります。

所得要件

住宅ローン控除には所得制限があります。

一定額を超える所得がある場合は、住宅ローン控除の適用を受けることはできません。

所得は給与収入ではなく、税法上の「合計所得金額」で判定されます。

そのため、給与所得者だけでなく、事業所得や不動産所得などがある人は、これらを合算した所得で判定されます。

住宅を購入する前年や当年の所得状況によって適用可否が変わる場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。

床面積要件

住宅ローン控除では、住宅の床面積にも要件があります。

この床面積とは、建築面積ではなく、登記簿上の床面積を基準として判定されます。

また、住宅の半分以上を自己の居住用として利用していることも必要です。

店舗や事務所との併用住宅では、居住部分の割合によって適用の可否や控除対象が変わることがあります。

住宅購入時には、不動産広告の表示ではなく、登記事項証明書などで床面積を確認することが大切です。

省エネ住宅との関係

近年の住宅ローン控除では、省エネルギー性能を備えた住宅が重視されています。

認定長期優良住宅や低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅などは、一定の要件を満たすことで優遇措置の対象となる場合があります。

一方で、省エネ基準を満たさない住宅については、適用対象が限定されたり、控除内容が異なったりするケースがあります。

住宅購入時には、省エネ性能に関する証明書類が必要となる場合もあるため、住宅会社へ確認しておくことが重要です。

新たに加わった立地要件

令和8年度税制改正で大きく変わった点が、立地要件の導入です。

令和10年1月1日以後に入居する新築住宅については、災害危険区域等に建築された住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となります。

対象となる災害危険区域等には、

  • 災害危険区域
  • 土砂災害特別警戒区域
  • 地すべり防止区域
  • 急傾斜地崩壊危険区域
  • 浸水被害防止区域

などがあります。

ただし、建築確認を受けた時点で住宅本体の建築面積に係る土地の全部が災害危険区域等外にあった場合には、例外として住宅ローン控除が認められる場合があります。

適用を受けるために確認したいポイント

住宅ローン控除を確実に受けるためには、住宅の性能だけでなく、税制上の要件を総合的に確認することが大切です。

例えば、

  • 所得要件を満たしているか
  • 床面積要件を満たしているか
  • 居住開始時期は適切か
  • 省エネ性能の証明書類があるか
  • 建築確認時の立地要件を満たしているか

などを事前に確認しておくことで、適用漏れや手続き上のトラブルを防ぐことができます。

住宅は高額な買い物であり、住宅ローン控除による税負担軽減の効果も大きいため、制度を正しく理解することが重要です。

結論

住宅ローン控除は、住宅取得者にとって大きなメリットのある制度ですが、その適用には所得要件や床面積要件、省エネ性能など、さまざまな条件があります。

さらに、令和8年度税制改正では立地要件が新たに導入され、災害危険区域等に建築された一定の新築住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となりました。

住宅を購入・建築する際には、価格や間取りだけでなく、税制や防災、住宅性能まで含めて総合的に検討することが、安心して住み続けられる住まい選びにつながるでしょう。

参考

税のしるべ
2026年8月3日
住宅ローン控除の立地要件で災害危険区域等外の判定方法を示す、自動車車庫等に係る部分を除く

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