ふるさと納税を利用したいと思っていても、「確定申告が面倒そうだから利用していない」という人は少なくありません。そうした負担を軽減するために設けられたのが「ワンストップ特例制度」です。
この制度を利用すれば、一定の条件を満たす人は確定申告をしなくても寄付金控除を受けることができます。しかし、利用条件を満たしていなかったり、手続きを忘れたりすると控除を受けられないこともあります。
今回は、ワンストップ特例制度の仕組みや利用条件、注意すべきポイントについて解説します。
ワンストップ特例制度とは
ワンストップ特例制度は、2015年度税制改正によって創設された制度です。
ふるさと納税をした人が一定の条件を満たせば、確定申告をしなくても寄付金控除を受けられる仕組みです。
寄付をした自治体へ申請書を提出すると、その情報が寄付先自治体から居住地の市区町村へ送られ、翌年度の住民税に控除が反映されます。
給与所得者など、普段確定申告をしない人でも利用しやすい制度となっています。
利用できる条件
ワンストップ特例制度を利用するには、いくつかの条件があります。
代表的な条件は、もともと確定申告をする必要がない給与所得者などであることです。
さらに、1年間の寄付先自治体数が5自治体以内であることも必要です。
同じ自治体へ複数回寄付しても1自治体として数えられますが、6自治体以上へ寄付するとワンストップ特例制度は利用できず、確定申告が必要になります。
また、寄付のたびに申請書を提出する必要がある点にも注意が必要です。
確定申告との違い
確定申告では、所得税の還付と住民税の控除が行われます。
一方、ワンストップ特例制度では所得税の還付は行われず、その分も含めて翌年度の住民税からまとめて控除されます。
最終的な控除額は基本的に同じですが、控除の反映方法が異なります。
医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告を行う場合には、ワンストップ特例制度の申請は無効となるため、ふるさと納税分も含めて確定申告しなければなりません。
よくあるミス
最も多いのが申請書の提出忘れです。
寄付だけ行い、申請書を期限までに提出しなかった場合、ワンストップ特例制度は適用されません。
また、マイナンバー確認書類や本人確認書類の添付漏れも少なくありません。
住所変更をしたにもかかわらず変更届を提出していないケースも、手続きが無効になる可能性があります。
さらに、年末になって寄付先が6自治体以上になってしまい、制度が利用できなくなるケースも毎年見られます。
利用前に確認したいポイント
ワンストップ特例制度は便利な制度ですが、条件を一つでも満たさなければ利用できません。
年の途中で医療費控除を受けることになったり、副業収入が増えて確定申告が必要になったりする場合もあります。
そのような場合は、最初から確定申告を前提に寄付を行った方が手続きは分かりやすくなります。
毎年の状況に応じて、自分に適した方法を選ぶことが大切です。
結論
ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除を受けられる便利な制度です。しかし、利用できる条件や提出期限などを守らなければ適用されません。
制度を正しく理解し、自分が利用条件を満たしているかを確認した上で手続きを行えば、ふるさと納税をより手軽に活用できます。便利な制度だからこそ、基本ルールをしっかり押さえておくことが重要です。
参考
総務省「ふるさと納税ポータルサイト」
国税庁「寄附金控除に関する案内」
地方税法