ゼロパーティーデータとは何か 顧客自身が提供する情報の価値編

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企業はこれまで、購買履歴や閲覧履歴などから顧客の好みを推測してきました。

しかし近年、企業が最も価値が高いと考えるデータは、「推測した情報」ではなく、「顧客自身が教えてくれた情報」へと変わりつつあります。

それが「ゼロパーティーデータ」です。

個人情報保護への意識が高まる中、企業と顧客の信頼関係を前提としたデータ活用として注目されています。

今回は、ゼロパーティーデータとは何か、その重要性について分かりやすく解説します。

ゼロパーティーデータとは何か

ゼロパーティーデータとは、顧客が自らの意思で企業に提供する情報のことです。

例えば、

・好きな商品のジャンル

・興味のある趣味

・欲しい商品の種類

・アレルギーの有無

・希望する情報配信の内容

・誕生日や記念日

などが代表例です。

企業が行動を分析して推測した情報ではなく、利用者自身が「この情報なら提供してもよい」と判断して伝える点が特徴です。

購買履歴だけでは分からないことがある

企業はこれまで、購買履歴から顧客を分析してきました。

例えば、

スポーツドリンクをよく購入する人は運動が好きなのだろう。

ベビー用品を購入する人は子育て中なのだろう。

このような推測は一定の精度があります。

しかし、必ずしも正しいとは限りません。

家族のために買っている場合もあれば、贈り物として購入している場合もあります。

一方、利用者自身が「私はランニングが趣味です」と登録すれば、企業は推測ではなく事実に基づいてサービスを提供できます。

なぜ今注目されているのか

ゼロパーティーデータが注目される背景には、個人情報保護の考え方の変化があります。

これまで企業は、Cookieや閲覧履歴などから利用者の行動を分析してきました。

しかし現在では、利用者の同意を得ない情報収集に対する規制が世界的に強まっています。

そのため企業は、

「勝手に集めるデータ」

から、

「利用者が納得して提供するデータ」

へと考え方を変え始めています。

ゼロパーティーデータは、この流れを象徴する存在といえるでしょう。

利用者にもメリットがある

ゼロパーティーデータは企業だけに利益があるわけではありません。

利用者にも多くのメリットがあります。

例えば、

興味のない広告が減る。

自分に合ったクーポンが届く。

欲しい商品の情報だけを受け取れる。

アレルギーや食事制限に配慮した商品を紹介してもらえる。

自分が必要とする情報だけが届くため、サービスの満足度も高まります。

企業と利用者の双方にメリットがある点が特徴です。

AI時代ほど価値が高まる

AIは大量のデータを分析できますが、推測だけでは限界があります。

例えば、

「旅行が好きそう」

という推測よりも、

「来月北海道へ旅行する予定」

という本人の情報の方が、はるかに価値があります。

AIはゼロパーティーデータを活用することで、より精度の高い提案ができるようになります。

旅行先に合わせた商品を紹介したり、誕生日に合わせた特典を案内したりすることも可能になります。

AIの性能が向上するほど、正確なデータの価値はさらに高まっていくでしょう。

信頼関係が何より重要になる

ゼロパーティーデータは、利用者の善意によって成り立っています。

そのため企業には、

「この情報は何のために使うのか」

「どのように管理するのか」

を分かりやすく説明する責任があります。

もし利用目的が不明確だったり、情報管理に不安があったりすれば、利用者は情報を提供しなくなるでしょう。

これからは、データの量だけでなく、利用者からどれだけ信頼される企業であるかが競争力につながります。

結論

ゼロパーティーデータとは、顧客自身が自らの意思で企業に提供する情報です。

企業が推測したデータとは異なり、正確で信頼性が高いことから、AI時代の重要な経営資源として注目されています。

一方で、その活用には利用者との信頼関係が欠かせません。

これからのデータ活用は、「できるだけ多く集める」時代から、「利用者に納得して提供してもらう」時代へと変わっていくでしょう。

企業にとっては、便利なサービスを提供することと同じくらい、利用者から信頼される存在であり続けることが重要になっていくのです。

参考

日本経済新聞(2026年7月24日朝刊)

PayPayとセブン&アイ、顧客データ1億件統合 最大級のポイント経済圏

セブン、決済利用者に狙い PayPayと顧客データ統合 購買分析・ポイント還元巧みに

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