資産形成で最も重要なのは買う力ではなく持ち続ける力なのか 長期保有編

FP
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投資の世界では「何を買うか」が注目されます。

どの銘柄が有望か。

どの投資信託が人気か。

今後成長する業界はどこか。

書店には投資本が並び、インターネットにはおすすめ銘柄の情報があふれています。

しかし長期的に資産を築いた人たちを見ていると、成功の要因は必ずしも「買う力」だけではないように見えます。

むしろ重要なのは「持ち続ける力」ではないでしょうか。

今回は資産形成における長期保有の意味について考えてみます。

買うことは一瞬、持つことは何十年

投資商品を買うのは簡単です。

証券口座を開き、ボタンを押せば数分で購入できます。

しかし保有を続けることは簡単ではありません。

市場は常に揺れ動きます。

景気後退。

金融危機。

戦争。

金利上昇。

暴落。

こうした出来事が繰り返し起きます。

そのたびに不安になり、

「売った方がいいのではないか」

と思うのが普通です。

買うという行為は一度で終わります。

しかし持ち続けるという行為は何年も続きます。

だからこそ難しいのです。

複利は時間を味方につけた人だけが得られる

長期投資の最大の武器は複利です。

利益が利益を生み、その利益がさらに利益を生む。

雪だるまが転がりながら大きくなるように資産が成長します。

しかし複利には条件があります。

途中でやめないことです。

市場が下落するたびに売却していては複利は働きません。

短期間で利益確定を繰り返していても、長期的な成長の恩恵は限定されます。

複利の力は派手ではありません。

しかし10年、20年、30年という時間を経ると大きな差になります。

長期保有とは、複利の力を最大限活用する方法なのです。

投資家の敵は暴落ではなく途中退場

多くの人は暴落を恐れます。

しかし長期投資家にとって本当に怖いのは暴落そのものではありません。

暴落によって市場から退場してしまうことです。

過去を振り返ると、市場は何度も危機を乗り越えてきました。

ITバブル崩壊。

リーマンショック。

新型コロナショック。

その都度、市場は大きく下落しました。

しかし長い時間軸で見れば回復し、その後さらに成長してきました。

回復の恩恵を受けたのは市場に残った人です。

途中で退場した人ではありません。

GPIFが長期保有を続ける理由

GPIFは世界最大級の年金基金です。

運用資産は数百兆円規模に及びます。

もし短期的な値動きに反応して売買を繰り返したらどうなるでしょうか。

運用は極めて不安定になります。

だからGPIFは長期的な視点で資産を保有しています。

短期的な変動は避けられないものとして受け入れています。

大切なのは目先の値動きではなく、長期的な期待収益だからです。

個人投資家が新NISAで目指すべき姿勢も、基本的には同じです。

持ち続けるためには仕組みが必要

長期保有は精神論だけでは続きません。

仕組みが必要です。

積立投資を自動化する。

生活防衛資金を確保する。

余裕資金で投資する。

資産配分を決めておく。

こうした仕組みがあるからこそ暴落時も冷静でいられます。

逆に生活資金まで投資していると、市場が下落した際に耐えられません。

持ち続ける力とは根性ではなく設計力でもあるのです。

人生後半戦にも共通する考え方

この考え方は人生にも当てはまります。

資格取得。

健康管理。

人間関係。

仕事。

どれも始めることより続けることの方が難しいものです。

一度の努力で人生は変わりません。

小さな行動を長く続けることで大きな成果になります。

投資も同じです。

優れた銘柄を探す能力よりも、良い資産を長く持ち続ける能力の方が大きな成果につながることがあります。

結論

資産形成で重要なのは何を買うかだけではありません。

むしろ長期的には、持ち続ける力の方が大きな意味を持つことがあります。

市場は必ず上下します。

不安になる局面も訪れます。

しかし複利の力を活かせるのは、そうした局面を乗り越えて保有を続けた人だけです。

投資の成功は未来を当てることではありません。

良い資産を選び、長い時間を味方につけることです。

資産形成の本当の勝負は購入した日ではなく、その後何十年にわたって持ち続けられるかで決まるのかもしれません。

参考

日本経済新聞(2026年6月19日夕刊)

米株揺らす次の「節目」 #ウォール街ラウンドアップ

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