赤字でも売上を追い続ける会社が危険な理由 利益改善編

会計
グレーとモスグリーン WEBデザイン 特集 ブログアイキャッチ - 1

「売上さえ伸びれば会社は成長する。」

かつては、この考え方が経営の常識でした。

しかし、現代の経営では、売上だけを追い続けることが必ずしも会社の成長につながるとは限りません。

売上が過去最高を更新しているにもかかわらず、利益が減少し、資金繰りまで悪化する企業は少なくありません。

会社を支えているのは売上ではなく利益です。

今回は、なぜ売上至上主義が危険なのかを管理会計の視点から考えてみます。

売上が増えても利益は増えるとは限らない

売上が増えると、会社は順調に成長しているように見えます。

しかし、その売上を獲得するために、

過度な値引き

利益率の低い仕事の受注

人員の増加

外注費の増加

残業時間の増加

などが発生していれば、利益はむしろ減少します。

数字を見るときには、売上だけではなく、「どれだけ利益が残ったか」を確認することが重要です。

利益を伴わない売上は、会社を豊かにするとは限りません。

忙しいのに儲からない会社が生まれる理由

「社員は毎日忙しく働いている。」

「仕事はたくさんある。」

それでも利益が出ない会社があります。

その原因の一つが、利益率の低い仕事を数多く受注していることです。

利益がほとんど残らない仕事を増やしても、会社全体の利益は改善しません。

むしろ、社員の負担が増え、品質の低下や離職につながる可能性もあります。

忙しさと利益は必ずしも比例しないのです。

売上より利益率を重視する経営へ

利益改善を目指す企業では、売上だけでなく利益率にも注目します。

例えば、

利益率の高い商品を販売する

付加価値の高いサービスを提供する

価格競争を避ける

利益率の低い取引を見直す

こうした取り組みは、売上が大きく変わらなくても利益を改善する効果があります。

重要なのは、「何をどれだけ売るか」ではなく、「どれだけ利益を生み出せるか」という視点です。

管理会計は利益構造を見える化する

管理会計では、

商品ごとの利益率

顧客ごとの採算性

部門別の利益

固定費と変動費の構成

などを分析できます。

すると、

利益を生み出している商品

利益率の低い顧客

改善すべきコスト

重点的に育てるべき事業

が明確になります。

経営者は、数字を見ながら利益を生み出す分野へ経営資源を集中できるようになります。

利益が会社の未来を支える

利益は単なる経営成績ではありません。

利益があるからこそ、

社員への給与を増やせる

設備投資ができる

新しい人材を採用できる

研究開発に投資できる

金融機関からの信用も高まる

利益は会社の未来への投資資金でもあります。

売上だけを追い続けて利益を失えば、会社の成長力は徐々に低下してしまいます。

税理士は利益改善の伴走者になれる

税理士は決算書を作成するだけではなく、利益改善を支援するパートナーにもなれます。

例えば、

利益率が低下した原因は何か

利益を生む商品はどれか

赤字部門はどこか

固定費は適正か

こうした分析を継続することで、経営者は利益を重視した意思決定ができるようになります。

税理士が管理会計を活用することは、中小企業の持続的な成長を支える大きな力になるでしょう。

結論

売上は会社の規模を表す数字ですが、会社を成長させるのは利益です。

利益を伴わない売上を追い続ければ、忙しいだけで資金が残らない経営に陥る可能性があります。

これからの経営では、売上の大きさではなく、利益を生み出す仕組みをつくることが重要です。

管理会計を活用し、利益率や採算性を継続的に分析することで、会社は「売上を追う経営」から「利益を育てる経営」へと進化していくことができるでしょう。

参考

企業実務 2026年7月号

猫と学ぶ「経理力」の磨き方 第7話 予算、つくったはええけど誰も見てへんやん

タイトルとURLをコピーしました