管理部門のAI活用はここから始まる 3つの鉄則で変わる仕事の進め方(実務編)

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企業の管理部門において、生成AIの活用はもはや一部の先進企業だけのものではなくなっています。特にMicrosoft 365を利用している企業であれば、追加投資をせずともAIを活用できる環境が整っており、実務に直結した活用が可能です。

一方で、実際の現場では何から始めればよいのか分からない、使ってみたが効果が実感できないといった声も少なくありません。

本稿では、管理部門がまず取り組むべきAI活用の基本として、3つの鉄則に基づいた実務的な使い方を整理します。単なる概念論ではなく、日々の業務に落とし込める形で解説します。


鉄則1 調査・検索は「ググる前にAIに聞く」

従来の業務では、制度改正や税制の調査を行う際、検索エンジンを使って複数のサイトを比較しながら情報を整理するのが一般的でした。しかし、この方法は時間がかかるうえ、情報の取捨選択にも労力を要します。

AIを活用すれば、要点が整理された形で即座に回答が得られます。さらに、追加質問を重ねることで、必要な情報に短時間で到達することが可能です。

活用のポイント

・最初は大まかに質問し、追加質問で精度を高める
・出典を確認し、必ず一次情報で裏取りする
・専門家情報を優先するよう指示する
・機密情報の入力は社内規程に従う

実務での使い方

例えばインボイス制度の調査では、単に制度概要を調べるのではなく、

・中小企業への影響
・経過措置の要点
・実務上の注意点

といった観点を明示して質問することで、実務に直結する情報を効率的に取得できます。


鉄則2 資料作成は「白紙から始めない」

管理部門の業務では、稟議書、会議資料、社内案内文など、文章作成の機会が非常に多くあります。しかし、白紙から作成を始めること自体が非効率の原因になっています。

AIに要点を渡せば、短時間でたたき台を作成することができます。人はそれを修正・改善する役割に集中すればよく、作業の質とスピードが大きく向上します。

活用のポイント

・目的、対象、要件を明確に伝える
・トーン(簡潔、フォーマルなど)を指定する
・生成結果は必ず人が確認・修正する

実務での使い方

例えば社内研修資料を作成する場合、

・対象:非専門職社員
・目的:コンプライアンス意識の向上
・要件:スライド8枚程度

といった条件を与えることで、すぐに構成案が得られます。

この60点のたたき台をAIが作り、人が80点に仕上げるという役割分担が、今後の標準的な仕事の進め方になります。


鉄則3 会議の「議事録係」を卒業する

会議において、議事録作成は不可欠ですが、同時に大きな負担となる業務でもあります。特に、記録に集中するあまり、議論そのものへの参加が疎かになるケースも少なくありません。

AIを活用すれば、会議の文字起こしから議事録作成までを自動化することが可能です。

活用のポイント

・会議の録音・文字起こし機能を有効化する
・議事録フォーマットを事前に指定する
・アクション項目(誰が・何を・いつまでに)を明確に抽出する

実務での使い方

例えば、月次決算会議の議事録では、

・出席者・日時
・議題ごとの要点
・決定事項
・次回までのアクション

といったフォーマットを指定することで、品質の安定した議事録を自動生成できます。

これにより、担当者は記録ではなく意思決定や議論に集中できるようになります。


3つの鉄則に共通する本質

これら3つの鉄則に共通しているのは、人間の役割の変化です。

・調査は探すから判断するへ
・資料作成は書くから整えるへ
・会議は記録するから意思決定するへ

AIは作業を代替する存在ではなく、人間の思考を補助し、意思決定の質を高めるためのツールです。


結論

管理部門におけるAI活用は、難しい技術導入ではなく、日常業務の進め方を見直すことから始まります。

・調査はAIから始める
・資料はAIでたたき台を作る
・議事録はAIに任せる

この3つを徹底するだけで、業務効率は大きく変わります。

重要なのは、完璧に使いこなすことではなく、まず使うことです。無料版からでも十分に効果を実感できるため、小さく始めて、徐々に活用範囲を広げていくことが現実的なアプローチといえます。


参考

企業実務 2026年5月号
中小企業のためのCopilot実務活用講座 第2回 管理部門のAI活用3つの鉄則を実践する 加藤勲

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