災害危険区域とは何か 自治体が指定する危険区域編

税理士
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近年、豪雨や地震、高潮などの自然災害が頻発する中で、安全なまちづくりへの関心が高まっています。そのような中、自治体が災害の危険性が高い地域を指定する制度として「災害危険区域」があります。

令和8年度税制改正では、住宅ローン控除の立地要件にも災害危険区域等が組み込まれ、住宅を建築する場所が税制上も重要な意味を持つようになりました。

今回は、災害危険区域の概要や建築制限、指定の根拠、他制度との違いについて解説します。

災害危険区域とは

災害危険区域とは、建築基準法に基づき、津波や高潮、洪水、土砂災害などによって著しい危険がある地域を、市町村が条例によって指定する区域です。

この制度の目的は、災害による人的・物的被害を未然に防ぎ、安全な土地利用を促進することにあります。

災害が発生する可能性が高い場所で無秩序な住宅建築が進むことを防ぎ、住民の生命や財産を守る役割を担っています。

建築制限の内容

災害危険区域に指定されると、自治体の条例に基づいて建築に一定の制限が設けられます。

例えば、次のような措置が講じられることがあります。

  • 住宅など居住用建築物の新築を制限する
  • 建物の構造や高さに条件を設ける
  • 盛土や擁壁などの防災対策を義務付ける
  • 建築そのものを認めない区域とする

規制内容は全国一律ではなく、災害の種類や地域の状況に応じて自治体ごとに異なります。

そのため、同じ「災害危険区域」であっても、建築可能な範囲や必要な対策は地域によって違います。

指定の根拠

災害危険区域は、建築基準法第39条を根拠として、市町村が条例により指定します。

指定に当たっては、過去の災害履歴や地形、地質、降雨量、河川の状況、防災工学上の調査結果など、多面的なデータが活用されます。

また、新たな災害リスクが判明した場合や、防災施設の整備によって危険性が低下した場合には、区域の見直しが行われることもあります。

そのため、一度指定された区域が将来にわたって固定されるとは限りません。

他制度との違い

災害危険区域は、防災に関するさまざまな制度の一つですが、他の区域指定とは目的や法的根拠が異なります。

例えば、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は土砂災害防止法に基づき指定され、土石流や急傾斜地の崩壊などに対応する制度です。

一方、災害危険区域は建築基準法に基づく制度であり、津波や高潮、洪水なども含めた幅広い災害を対象としています。

また、洪水ハザードマップは住民への情報提供が主な目的ですが、災害危険区域は実際に建築制限を伴う法的な区域指定である点が大きく異なります。

それぞれの制度は目的が異なるため、住宅を取得する際には複数の情報を確認することが重要です。

住宅ローン控除への影響

令和8年度税制改正では、一定の災害危険区域等に建築された新築住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となりました。

ただし、建築確認を受けた時点で、住宅本体の建築面積に係る土地の全部が災害危険区域等外であった場合には、例外として住宅ローン控除が認められるケースがあります。

住宅購入や建築を検討する際には、税制上の優遇だけでなく、防災上の安全性も含めて立地を確認することが欠かせません。

住宅購入時の確認ポイント

住宅を購入する前には、価格や利便性だけでなく、災害リスクも十分に確認する必要があります。

具体的には、

  • 自治体のハザードマップを確認する
  • 災害危険区域の指定状況を調べる
  • 建築確認時の区域指定を確認する
  • 建築制限や将来の土地利用への影響を把握する

といった点を確認しておくことが重要です。

特に住宅ローン控除など税制にも影響するため、不動産会社や建築会社だけでなく、必要に応じて税理士などの専門家へ相談することも有効でしょう。

結論

災害危険区域は、建築基準法に基づき自治体が指定する防災上重要な区域であり、建築制限を通じて住民の生命や財産を守る役割を果たしています。

令和8年度税制改正では、この区域指定が住宅ローン控除の適用にも関係するようになり、住宅の立地はこれまで以上に重要な判断要素となりました。

住宅は長期にわたる生活の基盤です。建物の性能だけでなく、災害リスクや将来の資産価値も踏まえ、安全性と税制の両面から立地を検討することが大切です。

参考

税のしるべ
2026年8月3日
住宅ローン控除の立地要件で災害危険区域等外の判定方法を示す、自動車車庫等に係る部分を除く

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