物流業界ではドライバー不足や燃料費の上昇、働き方改革への対応など、多くの課題を抱えています。
こうした状況のなか、一社だけで物流効率を高めることには限界があります。
そこで注目されているのが「共同配送」です。
競合企業を含め、複数の企業が物流を共同で行うことで、輸送効率を高め、物流コストを削減する取り組みが全国で広がり始めています。
今回は、中小企業にとって共同配送がどのような意味を持つのかを考えてみます。
共同配送とは何か
共同配送とは、複数の企業が荷物をまとめて配送する物流方式です。
従来は、それぞれの会社が個別に配送を依頼していました。
しかし配送先が同じ地域であれば、一台のトラックに荷物を積み合わせることで配送回数を減らすことができます。
トラックの積載率が向上し、輸送効率も大きく改善します。
物流会社だけでなく荷主企業にもメリットがある仕組みです。
物流コスト削減につながる理由
共同配送では、一台当たりの輸送効率が向上します。
その結果、
・配送回数の削減
・燃料費の削減
・高速道路料金の削減
・ドライバー不足への対応
・車両稼働率の向上
など、多くの効果が期待できます。
特に中小企業では、一社だけでは積載率が低くなりがちです。
共同配送は、その弱点を補う有効な方法といえます。
荷主企業同士の連携が重要になる
共同配送を成功させるためには、荷主企業同士の協力が欠かせません。
配送日を調整したり、納品時間を統一したりするなど、一定のルールづくりが必要になります。
これまでは「自社だけ便利であればよい」という考え方もありました。
しかし今後は、物流全体を効率化する視点が重要になります。
競争だけではなく、協調する経営が求められる時代になっています。
物流DXが共同配送を支える
共同配送を円滑に進めるためには、物流DXの活用が不可欠です。
配送情報や在庫情報をリアルタイムで共有することで、効率的な配送計画を立てることができます。
AIによる配送ルートの最適化や、クラウドによる情報共有も共同配送を支える重要な技術です。
デジタル技術の進歩によって、以前よりも共同配送を実現しやすい環境が整いつつあります。
物流DXは共同物流を支える基盤でもあるのです。
中小企業こそ共同配送の恩恵を受けやすい
大企業は自社物流を構築できる場合があります。
一方、中小企業は物流会社への依存度が高く、物流コストの影響を受けやすい傾向があります。
だからこそ共同配送によるコスト削減効果は、中小企業ほど大きくなります。
削減できた物流コストは、
・設備投資
・人材育成
・賃上げ
・DX投資
など、新たな成長投資へ振り向けることができます。
物流改革は利益改善にも直結する経営戦略なのです。
物流は競争力を高める経営資源になる
物流はこれまで「コスト」として管理されることが多くありました。
しかし現在は、納期や配送品質が企業価値そのものを左右する時代です。
共同配送によって安定した物流体制を確保できれば、顧客満足度の向上にもつながります。
物流改革は単なる経費削減ではありません。
企業競争力を高める重要な経営改革でもあるのです。
結論
共同配送は、物流会社だけの取り組みではなく、荷主企業も積極的に参加すべき物流改革です。
ドライバー不足や物流コストの上昇が続くなか、一社だけで課題を解決することは難しくなっています。
企業同士が連携し、物流を共同で最適化することで、コスト削減だけでなく持続可能な物流体制の構築にもつながります。
これからの経営者には、「物流は競争するもの」ではなく、「物流は協力して創るもの」という新しい発想が求められています。
参考
企業実務 2026年7月号
中継輸送の推進を図る物流効率化法の改正