リゾート会員権の価格は10万円台から3,000万円台まで幅広く、会員になれば一般のホテルより割安な料金で宿泊できる場合があります。
ホテル代が高騰している現在では、会員料金の魅力を感じる人も増えているでしょう。
しかし、リゾート会員権は誰が購入しても得になるものではありません。
最も大きな違いを生むのが、年間に何回旅行するかです。
同じ500万円の会員権でも、年間20泊する人と年間2泊しか利用しない人では、1泊当たりの負担が大きく変わります。
家族構成や旅行する時期、保有する期間などによっても価値は変わります。
リゾート会員権が自分に向いているかどうかは、価格より先に自分の旅行スタイルを確認することが重要です。
年間の宿泊回数が多い人ほど活用しやすい
リゾート会員権には、購入価格があります。
さらに年会費や管理費などが必要になる場合があります。
これらの費用は、施設を1泊も利用しない年でも発生することがあります。
そのため、年間の利用回数が多いほど、1泊当たりの固定費は小さくなります。
例えば年間の固定費が10万円なら、年間20泊利用すると1泊当たり5,000円です。
年間10泊なら1万円です。
年間5泊なら2万円です。
年間2泊なら5万円になります。
同じ会員権でも利用頻度によって経済的な意味が大きく変わります。
購入価格も宿泊回数で考える
年会費だけでなく、最初に支払う購入価格についても同じです。
例えば500万円の会員権を20年間保有するとします。
20年間で400泊利用すれば、購入価格は1泊当たり1万2,500円です。
200泊なら2万5,000円です。
100泊なら5万円になります。
実際には将来の売却価格なども考える必要がありますが、基本的には利用回数が多い人ほど購入価格を多くの宿泊に分散できます。
リゾート会員権では、購入価格そのものより何泊利用できるかが重要なのです。
家族で旅行する人にも向いている
参考記事では、グランドエクシブ軽井沢本館のラージグレード48平方メートルの客室が、会員なら1室1泊1万8,150円で利用できる例が紹介されています。
4人で宿泊すると1人当たり4,538円です。
このような1室単位の料金では、複数人で利用するほど1人当たりの負担を抑えやすくなります。
夫婦だけでなく、子どもや孫と旅行する家庭なら、会員権を活用する機会が増える可能性があります。
3世代で旅行する習慣がある家庭では、宿泊費だけでなく家族が集まる場所としての価値も生まれます。
平日に旅行できる人は活用しやすい
旅行する回数だけでなく、いつ旅行できるかも重要です。
現役世代では、土曜日や日曜日、大型連休などに旅行が集中しやすくなります。
人気の日程には予約希望者も集中します。
一方、定年後の人や平日に休みを取りやすい人なら、旅行日を柔軟に決められます。
混雑する週末を避ける。
大型連休を避ける。
旅行需要が比較的少ない時期を選ぶ。
こうした使い方ができれば、会員制リゾートを活用できる機会も広がります。
繁忙期の旅行が多い人は予約制度の確認が重要になる
子どもの学校などの関係で、夏休みや年末年始しか旅行できない家庭もあります。
その場合には、年間の旅行回数だけで会員権の価値を判断できません。
希望する時期に予約できるかが重要になります。
年間20泊分の利用権があっても、実際に旅行できる日に予約が取れなければ十分活用できません。
繁忙期の予約方法。
抽選の有無。
予約できる時期。
利用日数の制限。
こうした条件を購入前に確認する必要があります。
同じ場所へ何度も行く人に向いている
毎年同じリゾート地へ旅行する人も、会員権を活用しやすいでしょう。
軽井沢が好きで毎年何度も訪れる。
温泉地へ定期的に行く。
ゴルフのために同じ地域へ通う。
このような旅行スタイルなら、特定の施設を繰り返し利用することに抵抗がありません。
一方、毎回違うホテルを探すこと自体を楽しみたい人にとっては、特定の会員制施設を中心に利用することが制約に感じられる可能性があります。
旅行で何を楽しみたいかも重要です。
系列施設を使う人なら飽きにくい
同じ施設だけを20年間利用すると、次第に飽きてしまう可能性があります。
そこで重要になるのが系列施設の相互利用です。
参考記事では、グランドエクシブ軽井沢の会員が全国約20カ所のエクシブや系列の一部施設を利用できることが紹介されています。
系列施設を利用できれば、毎年旅行先を変えることができます。
1つの会員権を持ちながら複数の地域へ旅行できるのであれば、長期保有との相性もよくなります。
購入するときには、系列施設の数だけでなく、自分が実際に行きたい地域に施設があるかを確認することが大切です。
長期間利用する人ほど購入費を分散できる
リゾート会員権は、数年だけ利用してすぐ手放すより、長期間利用する人の方が購入費を多くの宿泊に分散できます。
例えば500万円の会員権を5年間しか利用しなければ、単純計算では年間100万円の取得負担です。
20年間なら年間25万円です。
ただし、長く持てば必ず得になるわけではありません。
保有期間が長くなるほど年会費などを支払う期間も長くなります。
また、施設の築年数が進めば中古価格が下落する可能性もあります。
長期間保有するなら、その間継続的に利用できることが重要です。
旅行回数が少ない人には向かない場合がある
年に1回か2回しか旅行しない人なら、一般ホテルをその都度予約した方が合理的な場合があります。
例えば年間10万円の固定費が必要な会員権を年1泊しか利用しなければ、それだけで1泊当たり10万円です。
そこに宿泊料金や購入費の負担も加わります。
一般ホテルなら、旅行しない年には宿泊費は発生しません。
会員権は利用しなくても固定費が発生することがあるため、旅行頻度が低い人ほど負担感が大きくなります。
将来も旅行を続けるかを考える
現在の旅行回数だけで判断しないことも重要です。
50代では年間20泊旅行していても、70代、80代まで同じペースを維持できるとは限りません。
子どもが独立すれば家族旅行が減るかもしれません。
反対に、定年後に自由な時間が増えて旅行回数が増える人もいるでしょう。
会員権を10年、20年と保有するなら、将来の生活まで考える必要があります。
利用回数が減ったら売却するという出口を決めておく方法もあります。
金銭的な損得だけでは測れない価値もある
リゾート会員権には、単純な宿泊費の比較では測れない価値もあります。
毎年同じ施設へ家族で行く。
子どもや孫と定期的に旅行する。
気に入った施設で安心して過ごす。
こうした体験に価値を感じる人もいるでしょう。
一方、旅行では常に新しいホテルを探したい人もいます。
どちらが正しいということではありません。
リゾート会員権は、旅行を生活の一部として継続的に楽しむ人ほど価値を感じやすい商品といえます。
結論
リゾート会員権が向いているかどうかを考えるとき、最も重要なのは年間の旅行回数です。
購入価格や年会費などの固定費があるため、年間20泊利用する人と年間2泊しか利用しない人では、1泊当たりの負担が大きく違います。
さらに家族で旅行することが多い人、平日に旅行できる人、系列施設を幅広く利用する人、10年や20年にわたって旅行を続ける人は、会員権を活用しやすくなります。
反対に旅行回数が少ない人や、毎回違うホテルを自由に選びたい人には、一般ホテルをその都度予約する方が合っている場合があります。
重要なのは、会員権が安いか高いかという判断ではありません。
自分は年間何泊するのか。
誰と旅行するのか。
いつ旅行するのか。
何年間利用するのか。
この4つを具体的に考えることです。
リゾート会員権の価値は会員権そのものに決まっているのではなく、それをどれだけ利用できるかによって大きく変わります。
参考
日本経済新聞 2026年9月26日朝刊 <ステップアップ>リゾート、会員権で身近に ホテル代高騰で割安感
日本経済新聞 2026年9月26日朝刊 共有制、取得後に税負担