マンション管理が資産価値を左右する時代

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マンションを購入するとき、多くの人が最初に見るのは立地です。

駅から何分か。

都心へのアクセスはよいか。

周辺に商業施設や学校があるか。

さらに築年数、専有面積、間取り、階数、方角などを比較します。

しかしマンションを長期間保有し、将来売却することまで考えるなら、もう1つ重要な条件があります。

それがマンション管理です。

同じ築年数、同じような立地のマンションでも、管理状態によって建物の印象や将来の維持可能性は変わります。

住宅を住まいと資産の両面から考える「半投半住」の時代には、「どこを買うか」だけではなく「どのように管理されるマンションを買うか」が重要になります。

マンションは共同所有の住宅

戸建て住宅とマンションには大きな違いがあります。

戸建て住宅なら、建物をどのように修繕するかは基本的に所有者が判断します。

一方、マンションでは専有部分だけが自分のものではありません。

エントランス。

廊下。

エレベーター。

外壁。

屋上。

給排水設備。

こうした共用部分を区分所有者全体で維持していきます。

つまりマンションを購入することは、1戸の住宅を購入すると同時に、共同で建物を維持する仕組みに参加することでもあります。

この共同管理がうまく機能するかどうかが、マンションの将来を左右します。

築年数だけではマンションを判断できない

中古マンションを探すとき、「築20年」「築30年」という数字を気にする人は多いでしょう。

もちろん築年数は重要です。

しかし同じ築30年でも状態は大きく異なる可能性があります。

定期的に修繕されてきたマンション。

必要な工事が先送りされてきたマンション。

外から見れば同じ築年数でも、中身は違います。

人間が同じ年齢でも健康状態が違うのと似ています。

マンションも年齢だけでなく、これまでどのように維持されてきたかを見る必要があります。

共用部分を見ると管理状態が分かる

マンションを内覧すると、どうしても室内に目が向きます。

キッチンが新しい。

浴室がきれい。

床が張り替えられている。

しかし室内は購入後にリフォームすることができます。

一方、共用部分を1人の所有者だけで変えることはできません。

そのため中古マンションでは、エントランスや廊下、ゴミ置き場、自転車置き場などを見ることも重要です。

清掃されているか。

設備が放置されていないか。

掲示板が整理されているか。

日常的な管理状態には、そのマンションの運営状況が表れることがあります。

長期修繕計画が重要になる

マンションは建てたら終わりではありません。

時間がたてば外壁や防水設備、給排水設備、エレベーターなどの修繕や更新が必要になります。

そこで重要になるのが長期修繕計画です。

将来どのような工事が必要になるのか。

いつ実施するのか。

どの程度の費用が必要になるのか。

そのためにどの程度の修繕積立金を準備するのか。

長期修繕計画は、マンションの将来の資金計画ともいえます。

計画があっても、物価や工事費の変化などによって見直しが必要になります。

重要なのは計画が存在することだけではなく、現実に合わせて更新されているかどうかです。

修繕積立金は安ければよいわけではない

マンション購入者にとって、毎月の修繕積立金は負担です。

そのため金額が安いマンションに魅力を感じることがあります。

しかし修繕積立金は単なる費用ではありません。

将来の建物維持のために所有者全体で準備する資金です。

必要な修繕費に対して積立額が不足していれば、大規模修繕の際に追加負担が必要になる可能性があります。

あるいは必要な工事そのものを先送りすることになるかもしれません。

毎月の負担が安いことと、長期的に経済的であることは同じではありません。

半投半住では、現在の負担額だけでなく、その金額で将来の建物を維持できるかを見る必要があります。

管理組合の意思決定も資産価値になる

マンションでは、重要な問題を区分所有者全体で決める必要があります。

大規模修繕を実施する。

設備を更新する。

管理会社を変更する。

管理費や修繕積立金を見直す。

こうした判断には合意形成が必要です。

建物が古くなるほど、修繕や更新をめぐる意思決定は重要になります。

必要な問題について議論し、決めるべきことを決められる管理組合かどうか。

これは数字だけでは見えにくい部分ですが、マンションを長期間維持するうえでは重要です。

所有者の高齢化も課題になる

マンションの築年数が進めば、建物だけでなく所有者も年齢を重ねます。

高齢になれば管理組合の役員を担うことが難しくなる人も増える可能性があります。

相続によって所有者が変わることもあります。

所有者自身がマンションに住まず、賃貸に出す住戸が増える場合もあります。

建物の老朽化と所有者の高齢化が同時に進めば、管理組合の運営が難しくなる可能性があります。

マンション管理は建物だけの問題ではありません。

そこを所有する人々の問題でもあるのです。

タワーマンションほど管理の重要性が増す

大規模なタワーマンションでは、管理の重要性がさらに高まります。

エレベーター。

機械設備。

防災設備。

共用施設。

高層建物特有の設備。

維持すべきものが多くあります。

住戸数が多いため、費用を多くの所有者で負担できるという面があります。

一方で、大規模修繕や設備更新には大きな金額が必要になる可能性があります。

所有者の人数が多いほど、合意形成が複雑になることも考えられます。

豪華な共用施設は新築時には魅力ですが、将来も維持するには費用が必要です。

購入時には「何があるか」だけでなく、「誰がどのように維持していくか」を考える必要があります。

管理状態は売却時に見られる

半投半住では、将来の買い手の視点を持つことが重要です。

自分が10年後にマンションを売却するとします。

買い手はその時点で建物の状態を確認します。

修繕積立金は十分か。

大規模修繕は適切に行われているか。

管理費や修繕積立金が急激に上昇していないか。

管理組合に大きな問題はないか。

購入者が中古マンションの管理状態を重視するようになれば、適切に管理されているマンションとそうでないマンションの評価差が広がる可能性があります。

室内リフォームだけでは解決できない

中古マンションでは、室内を全面的にリフォームすれば新築のような空間を作ることもできます。

キッチンや浴室を交換できます。

床や壁も新しくできます。

間取りを変更できる場合もあります。

しかし共用部分の問題は、1人では解決できません。

自分の部屋をどれだけきれいにしても、建物全体の修繕が進まなければマンション全体の評価には影響します。

その意味で、中古マンションでは室内以上に建物全体を見ることが重要になる場合があります。

管理は購入後にも参加するもの

マンション管理は、購入前に確認するだけのものではありません。

購入後は自分自身も区分所有者として管理に関わります。

総会資料を読む。

管理組合の議案を確認する。

長期修繕計画を見る。

管理費や修繕積立金の収支を確認する。

必要であれば議論に参加する。

自分の住宅の資産価値を維持するためにも、管理を完全に他人任せにしない姿勢が重要です。

マンションの価値は管理会社だけが作るものではありません。

所有者全体で作るものです。

新築時には見えにくい価値

新築マンションでは、どの建物もきれいです。

最新の設備があり、エントランスも美しく整っています。

その段階では管理の差は見えにくいものです。

しかし10年、20年、30年と時間がたつにつれて差が表れてきます。

必要な修繕をしてきたか。

設備更新を進めてきたか。

十分な資金を準備してきたか。

適切な意思決定ができてきたか。

マンションの本当の管理力は、建物が古くなってから見えてきます。

結論

これからのマンション選びでは、立地や間取りだけでは十分ではありません。

マンションは長期間にわたって共同で維持する住宅だからです。

築年数。

管理状態。

長期修繕計画。

修繕積立金。

管理組合。

これらはすべて将来の住宅価値に関係します。

半投半住では、購入時から将来の売却を考えます。

そのとき重要なのは、現在きれいなマンションを買うことではありません。

10年後、20年後にも適切に管理されている可能性が高いマンションを選ぶことです。

マンションの資産価値は立地だけで決まる時代から、立地と管理の両方で評価される時代へ向かっているのではないでしょうか。

「マンションは管理を買え」という言葉の意味は、住宅を資産として考える時代ほど重くなっていきます。

参考

日本経済新聞 2026年10月2日朝刊 令和の住宅すごろく「半投半住」で選択多様に

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