本を読んでも、数日後には内容をほとんど忘れてしまったという経験はないでしょうか。
読書は知識を得るための有効な方法ですが、読むだけでは記憶に残りにくく、仕事にも生かしにくいものです。そこで注目されているのが「ジャーナリング」です。
ジャーナリングとは、自分の考えや感じたことを自由に書き出す習慣のことです。読書と組み合わせることで、本から得た知識を整理し、自分自身の考えへと変えることができます。対談でも、書店で本を選ぶ行為そのものが、自分の思考を整理するジャーナリングのような体験につながると語られています。
ジャーナリングとは何か
ジャーナリングとは、自分の思考や感情をそのまま紙やノートに書き出す方法です。
日記とは少し異なります。
日記は出来事を記録することが中心ですが、ジャーナリングでは「自分は何を考えているのか」「なぜそう感じるのか」を整理することが目的です。
正しい文章を書く必要はありません。
人に見せるものでもありません。
思いついたことを自由に書くことで、頭の中を整理し、新しい気付きが生まれます。
読書ノートとの違い
読書ノートも、本を読んだ内容を記録する方法として広く知られています。
しかし、ジャーナリングとの違いは、書く内容にあります。
読書ノートは、
- 印象に残った文章
- 要点のまとめ
- 学んだ知識
など、本の内容を中心に記録します。
一方、ジャーナリングでは、
- なぜこの部分が印象に残ったのか
- 自分の仕事にどう生かせるか
- 今の課題とどう関係するか
など、自分自身の考えを書くことを重視します。
つまり、「本を書く」のではなく、「自分を書く」のがジャーナリングなのです。
思考整理の方法
ジャーナリングには決まった書き方はありません。
例えば、本を読み終えた後に次のような問いを書いてみるだけでも十分です。
- 今日、一番印象に残ったことは何か。
- なぜその内容が気になったのか。
- 明日から実践できることは何か。
- 今抱えている課題との共通点はあるか。
このような問いに答えていくことで、本の内容が自分自身の経験と結び付きます。
知識が単なる情報ではなく、自分の考えへと変わっていくのです。
ビジネスへの活用
ビジネスでは、「知っていること」よりも、「考えられること」の方が重要です。
ジャーナリングを続けることで、
問題を整理する力
論理的に考える力
自分の意見をまとめる力
が自然と身に付きます。
例えば、管理職であれば、部下との面談後に感じたことを書き出すことで、次回の対応を冷静に考えられます。
営業担当であれば、商談後に成功した点や改善点を書き残すことで、経験が次の成果につながります。
読書でも同様です。
「読んだ」で終わるのではなく、「考えた」まで進めることで、仕事への応用力は大きく高まります。
ジャーナリングを習慣化するコツ
長い文章を書く必要はありません。
毎日五分程度でも十分です。
ノート一冊を用意し、一日一ページだけ書く。
本を読んだ日は、印象に残ったことを三つだけ書く。
それだけでも、思考を整理する習慣が身に付きます。
重要なのは、きれいに書くことではなく、継続することです。
書き続けることで、自分自身の成長や考え方の変化も振り返ることができるようになります。
結論
ジャーナリングとは、自分の思考や感情を書き出し、整理する習慣です。
読書と組み合わせることで、本から得た知識を自分自身の経験や仕事に結び付けることができます。
読むだけでは知識は忘れやすいものですが、書くことで理解は深まり、実践につながります。
読書の効果を高めたいのであれば、本を閉じた後の五分間こそ大切です。
その五分間のジャーナリングが、一冊の本を人生や仕事に生かすきっかけになるでしょう。
参考
企業実務 2026年8月号「対談 ぶっくま×出版区・青木周平 ビジネスパーソンはなぜ書店に通うべきなのか」