オンライン診療の自己負担はいくらなのか 対面診療より安いとは限らない理由編

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オンライン診療なら病院へ行かなくてよいため、対面診療より医療費も安くなると思う人がいるかもしれません。

しかし、必ずしもそうとは限りません。

オンライン診療でも、公的医療保険を使った診療であれば、診療報酬に基づいて医療費が計算されます。患者は年齢や所得などに応じた自己負担割合で支払います。

さらにオンライン診療では、医療機関やサービスによってシステム利用料などがかかる場合があります。

薬を自宅まで送ってもらえば送料が発生することもあります。

一方で、病院までの交通費や移動時間を減らせるメリットがあります。

オンライン診療が本当に安いのかを考えるには、診察料だけでなく受診に伴う費用全体を見る必要があります。

オンライン診療でも健康保険を使える

オンライン診療だからすべて自由診療になるわけではありません。

一定の要件を満たしたオンライン診療は、公的医療保険の対象になります。

その場合、医療費全額を患者が負担するわけではありません。

患者の年齢や所得などに応じた自己負担割合が適用されます。

例えば、医療費が仮に5000円で自己負担割合が3割なら、単純化すると患者の負担は1500円です。

残りの部分は健康保険から医療機関へ支払われます。

これは対面診療と基本的に同じ考え方です。

オンライン診療だから一律に特別な自己負担割合になるわけではありません。

診察料だけで金額は決まらない

患者が病院へ行ったときの医療費は、単純な診察料だけで決まるわけではありません。

初診なのか再診なのか。

どのような診療を受けたのか。

検査をしたのか。

処置をしたのか。

薬を処方されたのか。

こうした内容によって医療費は変わります。

オンライン診療でも同じです。

そのため、

オンライン診療なら何円

対面診療なら何円

と一律に比較することはできません。

患者の状態や診療内容によって実際の自己負担額は異なります。

初診と再診でも違う

医療費を考えるうえでは、初診と再診の違いも重要です。

初めてその病気などについて診察を受ける場合と、継続して診療を受ける場合では診療報酬上の評価が異なることがあります。

オンライン診療では以前、再診を中心とした利用が想定されていました。

しかし新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに初診からのオンライン診療が広がり、2022年には恒久的な仕組みになりました。

現在では一定の条件のもとで初診からオンライン診療を利用できます。

ただし初診では患者について確認しなければならない情報が多く、症状によってはオンラインだけでは十分な判断ができないこともあります。

その場合には、オンライン診療を受けた後に対面診療も必要になる可能性があります。

システム利用料がかかる場合がある

オンライン診療で注意したいのが、健康保険の自己負担とは別に発生する費用です。

医療機関によっては、オンライン診療を提供するためのシステム利用料などを設定している場合があります。

オンライン診療では、

予約

ビデオ通話

本人確認

決済

処方箋の取り扱い

などをオンライン上で行うためのシステムを利用することがあります。

こうした費用の扱いは、医療機関や利用するサービスによって異なります。

そのため、健康保険が使えるから対面診療とまったく同じ支払額になるとは限りません。

予約するときに、保険診療部分以外の費用が発生するのかを確認することが重要です。

薬代は別にかかる

オンライン診療を受けた結果、薬が処方されることがあります。

当然ですが、診察にかかる費用と薬にかかる費用は別に考える必要があります。

処方箋を使って薬局で薬を受け取れば、調剤に関する費用や薬剤費などが発生します。

これらも公的医療保険の対象となる範囲では、患者の自己負担割合に応じて支払います。

オンライン診療だから薬代が無料になるわけではありません。

診察費だけを見てオンライン診療の負担を判断すると、実際に支払う金額との差が生じることがあります。

薬の送料がかかることもある

オンライン診療では、診察後にオンライン服薬指導を受け、薬を自宅まで配送してもらう方法があります。

非常に便利ですが、薬の配送には送料がかかる場合があります。

例えば、

オンライン診療の自己負担

オンライン服薬指導に伴う自己負担

薬代

システム利用料

送料

などを合わせた金額が、患者の実際の支出になります。

一つ一つは小さな金額でも、合計すると対面診療と大きな差がないことも考えられます。

オンライン診療を利用するときには、診察から薬の受け取りまでの総額を確認することが大切です。

対面診療には交通費がかかる

一方、対面診療にも診療報酬には表れない費用があります。

代表的なのが交通費です。

電車やバスを使えば運賃がかかります。

自動車ならガソリン代や駐車料金がかかる場合があります。

特に地方では、医療機関まで数十キロ移動しなければならないことがあります。

専門医を受診するために、さらに遠い病院まで行くケースもあります。

オンライン診療なら、この移動費用を大幅に減らせる可能性があります。

診察そのものの自己負担額が多少違っても、交通費まで含めればオンライン診療の方が家計負担を抑えられる場合があります。

通院時間にもコストがある

金額として見えにくいのが時間の負担です。

例えば病院で30分診察を受けるために、

病院まで1時間移動する

受付をする

待合室で1時間待つ

診察を受ける

薬局で待つ

1時間かけて帰宅する

ということもあります。

診察時間そのものより、移動や待ち時間の方が長くなることがあります。

会社員なら仕事を休んだり早退したりする必要があるかもしれません。

子どもの診察なら、保護者も一緒に時間を確保する必要があります。

オンライン診療では、この時間的なコストを減らせる可能性があります。

地方ほど金額以外のメリットが大きい

オンライン診療の価値は、医療費が数百円安くなるかどうかだけでは測れません。

特に地方ではその傾向が強くなります。

近くに専門医がいなければ、診察を受けるために長距離を移動する必要があります。

高齢者の場合には、本人だけで通院できず家族が自動車で送迎することもあります。

家族が仕事を休む必要があるかもしれません。

オンライン診療によって移動が不要になれば、

患者の交通費

家族の交通費

移動時間

付き添い時間

仕事を休む負担

などを減らせます。

家計全体で見れば、診察料以外の効果が大きくなることがあります。

来院型では費用の考え方も変わる

来院型オンライン診療では、患者は病院などを訪れます。

自宅型と違って交通費が完全になくなるわけではありません。

しかし、近隣の医療機関で遠隔地の専門医などの診察を受けられれば、遠くの大病院まで行く必要がなくなる可能性があります。

患者のそばに看護師がいれば、血圧や血中酸素飽和度を測定したり、電子聴診器を利用したりできます。

必要な処置を受けられる場合もあります。

オンライン診療は自宅で受診するものだけではなくなっているため、どの形態を利用するかによって患者の費用負担も変わります。

対面診療が追加で必要になることもある

オンライン診療の費用を考えるうえで見落としやすいのが、オンラインだけで診療が終わらないケースです。

医師が画面越しでは十分に判断できないと考えれば、対面診療を勧めます。

例えば触診が必要な場合です。

血液検査や画像検査が必要な場合もあります。

この場合、

最初にオンライン診療を受ける

その後に医療機関へ行く

という二段階になることがあります。

患者の状態によっては、最初から対面診療を受けた方が効率的な場合もあります。

オンライン診療は必ず医療費や時間を節約できる方法ではなく、症状に応じた使い分けが重要です。

金額だけでなく受診全体の負担を見る

オンライン診療と対面診療を比較するときには、診察の窓口負担だけを見ると実態をつかみにくくなります。

考えるべきなのは、

診察の自己負担

薬の自己負担

システム利用料

送料

交通費

移動時間

待ち時間

家族の付き添い

などです。

例えばオンライン診療の方がシステム利用料によって数百円高くなったとしても、往復2000円の交通費が不要になれば家計全体では安くなる可能性があります。

反対に自宅のすぐ近くに医療機関があり、対面診療後すぐに薬局で薬を受け取れる人なら、オンラインの方が必ず便利とは限りません。

患者ごとに状況が違うのです。

結論

オンライン診療の自己負担は、対面診療より必ず安くなるわけではありません。

公的医療保険の対象となるオンライン診療であれば、患者は年齢や所得などに応じた自己負担割合で医療費を支払います。

この基本的な考え方は対面診療と共通しています。

一方、オンライン診療では医療機関やサービスによってシステム利用料などがかかる場合があります。

薬を配送してもらえば送料が発生することもあります。

そのため診察の窓口負担だけを比較して、オンライン診療の方が安いとは判断できません。

反対に対面診療には交通費や移動時間、待ち時間などがあります。

地方では家族による送迎が必要になることもあります。

オンライン診療によってこうした負担を減らせれば、診察料以外の経済的なメリットは大きくなります。

大切なのは、診察料だけではなく、診察を受けて薬を受け取るまでに必要となる費用と時間を合わせて考えることです。

オンライン診療の価値は、医療費を単純に安くすることだけではありません。

患者が医療につながるために負担してきた移動、時間、付き添いといった見えにくいコストを減らせることにもあるのです。

参考

日本経済新聞 2026年8月22日 朝刊 進化するオンライン診療 看護師立ち会い、検査や処置

日本経済新聞 2026年8月22日 朝刊 駅で受診可能に

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