「投資で市場平均に勝ち続けることは難しい。」
この考え方は、現代ファイナンスの研究で繰り返し示されてきました。
それならば、市場平均そのものへ投資した方が合理的ではないか。
こうした発想から生まれたのが「インデックス投資」です。
現在では世界中の個人投資家や年金基金が採用する代表的な投資手法となり、長期資産形成の基本ともいわれています。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、日経平均株価やTOPIX、S&P500など、市場全体の値動きを表す指数(インデックス)に連動する運用成果を目指す投資方法です。
個別銘柄を選ぶのではなく、市場全体へ幅広く投資することが特徴です。
そのため、一つの企業の業績悪化による影響を受けにくく、自然に分散投資が実現できます。
なぜ市場平均に勝ちやすいのか
「市場平均に投資するのに、市場平均に勝つとはどういうことだろう」と疑問に思うかもしれません。
ここでいう「勝ちやすい」とは、多くのアクティブファンドを長期で上回りやすいという意味です。
アクティブファンドは市場平均を超える成果を目指しますが、売買を繰り返すため運用コストが高くなる傾向があります。
さらに、継続して市場平均を上回る運用は容易ではありません。
一方、インデックスファンドは市場全体へ低コストで投資するため、手数料の差が長期では大きな成果の違いにつながります。
複利効果との相性が良い
インデックス投資が長期資産形成に向いている理由の一つが、複利効果を活用しやすいことです。
得られた配当金や分配金を再投資することで、利益がさらに利益を生み出す仕組みが働きます。
短期間では変化が小さく見えても、10年、20年、30年と時間が経過するにつれて資産の増加幅は大きくなる可能性があります。
時間を味方につけることができる点は、長期投資の大きな魅力です。
世界経済の成長を取り込める
世界全体の株価は短期的には上下を繰り返しますが、長期的には経済成長とともに拡大してきました。
インデックス投資では、市場全体へ投資することで、この成長の恩恵を受けることが期待できます。
個別企業の成否を予測する必要がなく、市場全体の発展へ投資する考え方ともいえます。
そのため、初心者でも始めやすい投資手法として広く利用されています。
インデックス投資にもリスクはある
インデックス投資は万能ではありません。
市場全体が下落すれば、インデックスファンドも値下がりします。
リーマン・ショックや新型コロナウイルス感染拡大初期のように、市場全体が大きく下落する局面では、資産評価額も減少します。
また、市場平均を上回る成果を目指す投資手法ではないため、大きな超過収益を期待する方法でもありません。
長期的な視点を持ち、価格変動に一喜一憂しない姿勢が求められます。
積立投資との相性
インデックス投資は積立投資との相性が非常に良いとされています。
毎月一定額を投資することで、価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く購入することになります。
この考え方は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、購入価格を平準化する効果が期待できます。
特に新NISAのつみたて投資枠でも、多くのインデックスファンドが対象となっています。
長期・積立・分散という基本を実践しやすい投資方法です。
長期投資では続けることが重要
インデックス投資で最も重要なのは、相場の上下に左右されず続けることです。
市場が下落すると不安になりますが、そのような局面でも積立を継続することで、将来の回復局面で恩恵を受けられる可能性があります。
短期的な予測よりも、長期間市場へ参加し続けることが成果につながるという考え方が、インデックス投資の基本です。
結論
インデックス投資とは、市場全体の値動きに連動する運用成果を目指す投資手法です。低コストで分散投資ができ、複利効果も活用しやすいため、長期資産形成の基本として世界中で支持されています。もちろん市場全体が下落するリスクはありますが、短期的な値動きに振り回されず、長期・積立・分散を継続することが、安定した資産形成につながります。
参考
バートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー』
ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』
日本経済新聞 投資・資産運用関連記事(各号)