自動車保険はどうすれば安くできるのか 補償を削りすぎず保険料を節約する方法

FP
緑 赤 セミナー ブログアイキャッチ - 1

自動車保険の保険料が上昇しています。

事故件数そのものは長期的には減少傾向にありますが、自動車の高機能化や部品価格、人件費の上昇などによって、一度事故が起きたときの修理費が高くなっています。

そのため、保険料が上がったからといって、自動車保険そのものを大幅に削ればよいとは限りません。

重要なのは、大きな損失には保険を残し、自分で負担できる小さな損失については保険に頼りすぎないことです。

自動車保険を節約するときには、どこを見直せばよいのでしょうか。

車両保険は保険料への影響が大きい

自動車保険を見直すとき、特に重要なのが車両保険です。

車両保険は、事故などによって自分の車が損傷した場合の損害を補償する保険です。

対人賠償や対物賠償が相手への賠償に備えるものであるのに対し、車両保険は自分の車を守るための補償です。

その分、車両保険を付けるかどうかによって、自動車保険全体の保険料が大きく変わることがあります。

したがって、

車両保険は本当に必要なのか

どこまで補償するのか

免責額をいくらにするのか

という順番で考えると、保険料を見直しやすくなります。

一般型と限定型では補償範囲が違う

車両保険には、補償範囲の広い一般型と、補償する事故を限定したタイプがあります。

一般型では、車同士の衝突だけでなく、単独事故なども幅広く補償される商品があります。

例えば、運転を誤って電柱に衝突したり、車庫入れで壁にぶつけたりした場合です。

一方、補償範囲を限定したタイプでは、こうした単独事故などが対象外になる場合があります。

補償する事故を減らす代わりに保険料を安くする仕組みです。

ここで大切なのは、単純に安い方を選ぶことではありません。

運転経験や車の価格、駐車環境、日常的な運転頻度などを考えて判断する必要があります。

免責額を設定すると保険料を抑えられる

一般型の車両保険を残しながら保険料を下げたい場合には、免責額を見直す方法があります。

免責額とは、事故が起きたときに契約者自身が負担する金額です。

例えば、車の修理費が50万円かかり、免責額を10万円に設定していたとします。

この場合、

修理費50万円

自己負担10万円

保険金40万円

という関係になります。

契約者が一定額を負担するため、保険会社が支払う金額は小さくなります。

そのため、一般に免責額を高くすると保険料は安くなります。

小さな損失を自分で負担するという考え方

保険の本来の役割を考えると、免責額の意味が分かりやすくなります。

保険は、すべての損失をゼロにするためのものではありません。

自分では負担することが難しい大きな損失に備えることが重要です。

例えば10万円程度なら貯蓄から支払える人が、数万円の修理まで完全に保険でカバーする必要があるかは検討の余地があります。

そこで、

小さな事故は自分で負担する

大きな事故は保険でカバーする

という役割分担をします。

免責額は、その境界線を決める仕組みともいえます。

古い車なら車両保険を外す選択肢もある

車を購入してから長期間が経過している場合には、車両保険そのものを外すことも選択肢になります。

なぜなら、車両保険の保険金額は基本的に車の時価などを基準に設定されるからです。

車は一般的に年数が経過するほど価値が下がります。

例えば、修理すると100万円かかる車でも、保険上の車両価値がそれよりかなり低くなっている場合があります。

高い保険料を払い続けても、事故の際に十分な保険金を受け取れないのであれば、車両保険を維持する経済的なメリットは小さくなります。

一方、新車や高額な車の場合は事情が異なります。

事故や水害などで大きな損害を受ければ、家計に与える影響も大きくなります。

車両保険を外すかどうかは、単純に車の年数だけではなく、事故で車を失った場合に自分のお金で買い替えられるかという視点から考えることが重要です。

運転する人を限定すると安くなる

車両保険以外にも見直せる部分があります。

代表的なのが、補償対象となる運転者の範囲です。

自動車保険では、誰がその車を運転するのかによって保険料が変わります。

運転者を本人や一定の範囲に限定できれば、一般に保険料を抑えやすくなります。

年齢条件も重要です。

若い運転者は統計的に事故リスクが高いことなどから、若年層まで補償対象にすると保険料が高くなる傾向があります。

反対に、実際に運転する人が一定年齢以上だけであれば、年齢条件を設定することで保険料を抑えられる場合があります。

ただし、保険料を安くするために実態と合わない限定をすると、事故の際に補償されない可能性があります。

実際に誰が運転するのかを確認することが先です。

割引制度も確認する

自動車保険にはさまざまな割引があります。

例えば、運転免許証の色や契約方法、安全運転に関する条件などによって保険料が変わる商品があります。

勤務先の福利厚生も確認しておきたいところです。

会社や団体によっては、自動車保険の団体契約や団体扱いの制度を利用できる場合があります。

個人で加入するより有利な保険料になることもあるため、勤務先の福利厚生制度を一度確認する価値があります。

ダイレクト型が必ず最安とは限らない

自動車保険には、大きく分けて代理店を通じて加入するタイプと、インターネットなどを利用して直接契約するダイレクト型があります。

一般的には、ダイレクト型は販売コストなどを抑えられるため、保険料が安くなる傾向があります。

しかし、すべての人にとってダイレクト型が最安になるとは限りません。

年間走行距離や年齢、車種、運転者の範囲、等級などによって保険料の計算方法は異なります。

さらに勤務先の団体割引などを利用すると、代理店型の商品が有利になる場合もあります。

したがって、自動車保険を見直すときには、同じ補償条件で複数の商品を比較することが重要です。

安さだけでなく家計で負担できる金額から考える

自動車保険の節約で最も避けたいのは、保険料を下げること自体が目的になってしまうことです。

例えば対人事故では、損害賠償額が非常に大きくなる可能性があります。

こうした自分では負担できないリスクまで削るべきではありません。

一方、数万円や10万円程度の修理費なら、家計によっては自分で負担できるでしょう。

つまり、

自分では到底負担できない損失は保険で守る

自分で負担できる損失は免責などを利用する

という考え方が基本になります。

これは自動車保険に限らず、保険全般を考えるうえで重要な考え方です。

結論

自動車保険の保険料を節約するときは、単純に補償を削ればよいわけではありません。

まず車両保険の補償範囲を確認し、一般型から限定型への変更や免責額の設定を検討します。

年数が経過して車の価値が下がっている場合には、車両保険そのものを外すことも選択肢になります。

さらに運転者の範囲や年齢条件、各種割引、勤務先の団体制度なども確認します。

そして最後に、同じ補償条件で複数の保険会社を比較します。

保険とは、小さな損失まで何でも補償してもらうための商品ではありません。

家計では負担できない大きな損失を保険に移し、負担できる範囲は自分で引き受ける。

この考え方で補償内容を整理すると、必要な保障を残しながら保険料を節約しやすくなります。

参考

日本経済新聞 2026年9月3日夕刊 マネー相談 黄金堂パーラー 自動車保険の基礎 下 節約のコツ

タイトルとURLをコピーしました