2040年の高齢者負担はどう変わるのか 世代間公平編

FP
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社会保障制度の議論になると、しばしば世代間対立が語られます。

現役世代は、

「社会保険料が高すぎる」

と感じています。

一方、高齢者は、

「年金も医療も介護も将来が不安だ」

と感じています。

どちらも間違いではありません。

日本の社会保障制度は、支える側と支えられる側のバランスの上に成り立っています。

しかし少子高齢化が進むなかで、そのバランスは大きく変化しています。

2040年には団塊ジュニア世代が高齢者となり、日本は本格的な超高齢社会の時代を迎えます。

そのとき高齢者負担はどのように変わるのでしょうか。

今回は世代間公平という視点から考えてみたいと思います。

世代間公平とは何か

世代間公平とは、異なる世代が公平に負担と給付を分かち合う考え方です。

社会保障制度は現役世代の保険料や税金によって支えられています。

現在の高齢者が受け取る年金や医療給付の多くは、現役世代の負担によって賄われています。

そのため、

・高齢者の給付が大きすぎる
・現役世代の負担が重すぎる

となれば制度への不満が高まります。

2040年問題の本質は、まさにこのバランスにあります。

高齢者は本当に優遇されているのか

しばしば

「高齢者は優遇されている」

という意見があります。

確かに現在の高齢者は、

・公的年金
・高額療養費制度
・介護保険制度

など多くの社会保障制度の恩恵を受けています。

しかし一方で、

・単身高齢者の増加
・老後資金不足
・認知症リスク
・介護不安

などの課題も抱えています。

高齢者全体を一括りにして語ることはできません。

資産や所得による格差は高齢者の中でも拡大しています。

2040年には負担能力重視へ

今後の制度改革で大きなテーマになるのが負担能力です。

これまでは年齢による区分が中心でした。

しかし2040年に向けては、

「何歳か」

よりも、

「どれだけ負担能力があるか」

が重視される可能性があります。

すでに医療制度では一定以上の所得がある高齢者の自己負担割合が引き上げられています。

今後はさらに、

・所得
・金融資産
・不動産資産

などを考慮する議論が進む可能性があります。

医療費負担は増えるのか

医療費の自己負担は今後見直しが進む可能性があります。

高齢化によって医療費は増加を続けています。

そのため、

・高所得高齢者の負担増
・窓口負担割合の見直し
・高額療養費制度の調整

などが議論されるかもしれません。

ただし過度な負担増は受診抑制を招く恐れがあります。

制度の持続可能性と必要な医療へのアクセスをどう両立するかが課題になります。

介護負担も変化する

介護保険制度も同様です。

2040年には介護需要がさらに増加すると予想されています。

介護保険の自己負担割合や保険料についても見直しが続くでしょう。

特に高所得高齢者については、

・利用者負担の増加
・保険料負担の増加

が進む可能性があります。

一方で低所得者への配慮も必要になります。

年金制度はどうなるのか

年金制度についても世代間公平は大きな課題です。

少子高齢化が進むなかで、

現役世代は

「自分たちは払うばかりではないか」

と感じることがあります。

そのため今後は、

・長く働く人を支援する制度
・繰下げ受給の活用
・就労と年金の両立

などが重視されるでしょう。

年金制度は単なる高齢者支援制度から、高齢期の生活設計を支援する制度へ変わっていく可能性があります。

世代対立では解決できない

世代間公平の議論では、

若者対高齢者

という対立構造で語られることがあります。

しかし実際には、現在の若者も将来は高齢者になります。

また現在の高齢者も現役時代には保険料や税金を負担してきました。

本来必要なのは世代間対立ではありません。

持続可能な制度設計です。

どの世代にも一定の負担を求めながら、必要な支援を確保する仕組みが求められています。

共生社会が求める考え方

共生社会では、

「誰かが支える側で誰かが支えられる側」

という固定的な考え方は成り立ちません。

人生100年時代では、

現役世代が介護を担うこともあります。

高齢者が働き続けることもあります。

支える側と支えられる側は常に入れ替わります。

そのため2040年の社会保障制度には、

世代で区切る発想よりも、

能力に応じて負担し必要に応じて支援を受ける発想が求められるでしょう。

人生100年時代の備え

2040年を見据えるなら、制度改革を待つだけでは十分ではありません。

重要なのは、

・健康寿命を延ばす
・働く力を維持する
・資産形成を進める
・地域とのつながりを持つ

ことです。

高齢者負担がどう変わるか以上に、自立できる期間をどれだけ延ばせるかが重要になります。

人生100年時代の最大の社会保障は、自分自身の健康と能力なのかもしれません。

結論

2040年の高齢者負担は、年齢による一律の扱いから、所得や資産など負担能力に応じた仕組みへと変化していく可能性があります。

医療や介護、年金の各制度で高所得高齢者への負担拡大が進む一方、低所得者への配慮も続くでしょう。

重要なのは高齢者と現役世代を対立させることではなく、すべての世代が納得できる持続可能な制度を構築することです。

2040年の社会保障制度は、世代による区分から能力による負担へと重心を移しながら、共生社会の実現を目指していくのではないでしょうか。

参考

・厚生労働省 社会保障制度改革関連資料

・社会保障審議会年金部会資料

・社会保障審議会医療保険部会資料

・内閣府 高齢社会白書

・国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口

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