消費税はいつも政治的な争点になります。
税率を上げれば家計の負担が増えるため反発が起こります。一方で税率を下げれば社会保障財源が不足します。
近年も食料品の軽減税率や時限的な減税が議論されてきました。しかし、その議論の背景にはもっと大きな問題があります。
それは日本の社会保障制度をどう支えるのかという問題です。
2040年には団塊ジュニア世代が高齢者となり、年金、医療、介護の給付は現在以上に必要になります。
そのとき消費税は何%になっているのでしょうか。
今回は社会保障財源という視点から考えてみたいと思います。
なぜ消費税が重要なのか
消費税は社会保障を支える重要な財源です。
所得税や法人税は景気の影響を受けやすい税目です。
景気が悪化すれば税収も減少します。
一方で消費税は比較的安定した税収を確保できます。
さらに高齢者も現役世代も消費活動を行うため、幅広い世代が負担する税金でもあります。
少子高齢化が進む社会では、消費税の役割は今後さらに大きくなると考えられます。
2040年の日本はどのような社会か
2040年には高齢化率がさらに上昇すると予想されています。
団塊ジュニア世代が65歳以上となり、医療や介護の需要は増加します。
一方で現役世代は減少します。
つまり、
・社会保障給付は増える
・保険料負担者は減る
という構造になります。
現在でも社会保障給付費は増加を続けています。
2040年には財源確保がさらに重要な課題となるでしょう。
消費税は15%になるのか
よく議論されるのが、
「将来の消費税は15%になるのではないか」
という予測です。
実際、欧州では20%前後の付加価値税が一般的です。
例えば、
- スウェーデン は25%
- デンマーク は25%
- フランス は20%
- ドイツ は19%
となっています。
日本の消費税率は現在10%です。
国際的に見ると必ずしも高い水準ではありません。
そのため2040年までの間に、15%前後への引き上げが議論される可能性は十分あります。
ただし政治的なハードルは極めて高いでしょう。
本当に税率引き上げしかないのか
消費税率引き上げは一つの選択肢に過ぎません。
政府が取り得る手段は他にもあります。
例えば、
・社会保険料の引き上げ
・高齢者負担の増加
・給付の見直し
・国債発行
・経済成長による税収増
などです。
現実にはこれらを組み合わせながら財源を確保することになるでしょう。
消費税だけですべての問題を解決することはできません。
軽減税率はどうなるのか
現在の消費税制度には軽減税率があります。
食料品などは標準税率より低い税率が適用されています。
しかし制度は複雑です。
事業者の事務負担も大きくなります。
2040年に向けて、
・軽減税率の拡大
・軽減税率の廃止
・給付付き税額控除への移行
などが議論される可能性があります。
特に低所得者支援を税率ではなく給付で行う仕組みは、有力な選択肢として検討されるかもしれません。
給付付き税額控除との関係
近年注目されているのが給付付き税額控除です。
これは所得が低い人には給付を行い、働く人には税額控除を行う仕組みです。
もし制度が導入されれば、
「消費税率は高いが低所得者には給付で対応する」
という欧州型の制度に近づく可能性があります。
2040年の日本では、
高い消費税率と所得再分配制度が組み合わさる姿も考えられます。
世代間公平の観点
消費税が注目される理由の一つは世代間公平です。
社会保険料は主に現役世代が負担します。
一方、消費税は高齢者も負担します。
そのため、
「社会保障財源を社会保険料から消費税へ移すべきだ」
という考え方もあります。
高齢者人口が増える2040年には、この議論がさらに活発になるでしょう。
共生社会が求める財源とは
共生社会では特定の世代だけに負担を集中させることは難しくなります。
現役世代だけが支える仕組みには限界があります。
一方で高齢者だけに負担を求めることもできません。
必要なのは、
・現役世代
・高齢者
・企業
がそれぞれ応分の負担を分かち合う仕組みです。
消費税はその一つの手段ですが、万能ではありません。
財源の多様化が重要になるでしょう。
2040年の消費税率を予想する
2040年の消費税率を正確に予測することはできません。
しかし社会保障費の増加を考えると、
現在の10%のまま維持される可能性は高くないかもしれません。
一方で20%以上への急激な引き上げも現実的ではないでしょう。
現時点では、
10%台前半から半ば程度
が現実的な議論の中心になる可能性があります。
ただし税率以上に重要なのは、その税収を何に使うのかという点です。
結論
2040年の日本では、高齢化の進展により社会保障財源の確保がこれまで以上に重要になります。
消費税は安定した財源として重要性を増すと考えられますが、税率引き上げだけで問題を解決することはできません。
社会保険料、高齢者負担、給付付き税額控除、経済成長などを組み合わせながら、持続可能な制度を構築することが求められるでしょう。
2040年の消費税を考えることは、単なる税率の議論ではありません。
それは私たちがどのような社会保障制度を支え、どのような共生社会を目指すのかを考えることでもあるのです。
参考
・財務省 消費税の使途に関する資料
・厚生労働省 社会保障給付費の推移
・内閣府 経済財政白書
・国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口
・OECD Consumption Tax Trends