電子マネーやポイントは相続できるのか キャッシュレス編

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人生100年時代を迎え、私たちの財産の形は大きく変わりつつあります。

かつて財産といえば、現金や預金、不動産、有価証券が中心でした。しかし現在では、スマートフォン一つで買い物や送金ができるキャッシュレス社会が広がっています。

電子マネーやポイントは日常生活の一部となり、多くの人が気付かないうちに相当額を保有しています。

その一方で、

「電子マネーは相続できるのか」

「ポイントは財産になるのか」

「家族は引き継げるのか」

といった問題はあまり知られていません。

今回は、キャッシュレス時代の新しい相続財産について考えてみたいと思います。

財産のデジタル化が進んでいる

現在では、多くの人が複数のキャッシュレスサービスを利用しています。

例えば、

・交通系電子マネー

・流通系電子マネー

・QRコード決済

・クレジットカードポイント

・共通ポイント

などです。

スマートフォンの中には現金の代わりとなる残高やポイントが蓄積されています。

本人にとっては日常的な資産ですが、相続人から見れば存在そのものが分からないケースもあります。

キャッシュレス社会の進展は、相続財産のデジタル化でもあるのです。

電子マネーは相続できるのか

電子マネーについてはサービスごとに扱いが異なります。

一般的には、

・残高の払戻しが可能なもの

・相続手続きが用意されているもの

については相続の対象となる場合があります。

一方で、

・利用者本人のみ使用可能

・契約終了とともに失効

とされているサービスもあります。

つまり、

「電子マネーだから相続できる」

「電子マネーだから相続できない」

という単純な話ではありません。

利用規約や発行会社の方針によって扱いが異なるのです。

ポイントはさらに扱いが複雑

ポイントは電子マネー以上にルールが分かれます。

一般的なポイント制度では、

ポイントは利用者本人に付与される権利

と位置付けられていることが多くあります。

そのため、

・相続可能

・家族への移行可能

・死亡時に失効

など、サービスによって対応は大きく異なります。

例えば数万ポイントを保有していても、死亡によって消滅するケースがあります。

逆に、家族会員制度などを利用して引き継げるサービスもあります。

ポイントもまた、事前確認が必要な時代になっています。

相続財産として見落とされやすい理由

電子マネーやポイントは少額だから問題ないと思われがちです。

しかし複数のサービスを利用している場合、

・電子マネー残高

・ポイント残高

・ネット通販のギフト残高

などを合計すると、相当額になることもあります。

また金額以上に問題なのは、

相続人が存在に気付かないこと

です。

通帳や証券報告書のような紙の記録がないため、本人しか把握していないケースも少なくありません。

キャッシュレス時代の財産目録

人生100年時代では、デジタル資産を一覧化することが重要になります。

財産目録には、

・銀行口座

・証券口座

だけでなく、

・電子マネー

・ポイントサービス

・QRコード決済

・ネット通販アカウント

なども記載しておくとよいでしょう。

重要なのは残高ではありません。

どのサービスを利用しているかを家族が把握できることです。

存在さえ分かれば、相続人は必要な確認を行うことができます。

ポイント経済圏の拡大と相続

近年は「経済圏」と呼ばれるサービス連携が進んでいます。

買い物、投資、保険、通信、電気料金などが一つのポイント制度と結び付くケースも増えています。

その結果、ポイントは単なるおまけではなくなりました。

投資信託の購入や資産運用に利用できるサービスも増えています。

将来的には、

ポイント=新しい金融資産

という位置付けがさらに強まる可能性があります。

そうなれば相続における重要性も高まっていくでしょう。

デジタル終活の対象は現金だけではない

終活というと預金や不動産を整理するイメージがあります。

しかしキャッシュレス時代では、それだけでは不十分です。

スマートフォンの中には、

・電子マネー

・ポイント

・サブスク契約

・ネット証券

・暗号資産

など、多くのデジタル資産が存在します。

人生100年時代の終活は、家の中の整理だけでなく、スマートフォンの中の整理でもあるのです。

結論

電子マネーやポイントは、サービスによって相続できるものとできないものがあります。

そのため、「すべて相続できる」「すべて消滅する」と考えるのは正しくありません。

重要なのは、どのサービスを利用しているのかを家族が把握できる状態にしておくことです。

人生100年時代とキャッシュレス社会の進展によって、私たちの財産はますますデジタル化しています。

これからの相続対策は、預金や不動産だけを考える時代ではありません。

電子マネーやポイントを含めたデジタル資産全体を見渡し、家族へ引き継ぐ準備をしておくことが求められる時代になっているのです。

参考

日本経済新聞 2026年6月3日夕刊「マネー相談 黄金堂パーラー〉終活(下)デジタル遺品 リスト化、不要な口座は解約」

日本経済新聞 2026年6月3日夕刊「SNS『追悼アカウント』も」

総務省「通信利用動向調査」

金融庁「利用者向け金融サービスに関する各種資料」

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