住宅ローンは固定金利か変動金利か 金利上昇時代の選び方

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マイナス金利時代が終わり、日本でも金利のある世界が戻ってきました。住宅ローンを検討している人にとって、固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきかは、これまで以上に重要なテーマになっています。

かつては「変動金利一択」と言われることもありましたが、金利上昇局面では状況が変わります。固定金利には安心感があり、変動金利には返済額を抑えられるメリットがあります。

今回は、住宅ローン選びで悩む人のために、固定金利と変動金利の特徴や選び方の考え方を整理します。

住宅ローンの金利タイプとは何か

住宅ローンの金利タイプは大きく次の二つに分かれます。

・固定金利型
・変動金利型

固定金利型は借入時の金利が返済終了まで変わりません。将来の返済額が確定しているため、家計管理がしやすい特徴があります。

一方、変動金利型は市場金利の動きに応じて金利が変化します。借入当初の金利は低いものの、将来の金利上昇リスクを負うことになります。

現在は変動金利が1%前後、全期間固定金利が3%前後というケースも多く、両者の差は大きくなっています。

固定金利が向いている人

固定金利の最大の魅力は安心感です。

住宅ローンは数千万円単位の借入であり、返済期間も30年から35年に及びます。その間には景気変動やインフレ、転職、病気、家族構成の変化など、さまざまな出来事が起こります。

固定金利であれば、

・返済額が変わらない
・将来設計が立てやすい
・金利上昇の不安がない

というメリットがあります。

特に次のような人には固定金利が向いています。

・教育費負担が大きい世帯
・共働きではない世帯
・家計に余裕が少ない世帯
・長期間住み続ける予定の人
・リスクを取りたくない人

住宅は生活の基盤です。資産運用と違い、「失敗してもやり直せばよい」という性質のものではありません。

そのため、住宅ローンにおいてはリスク管理を優先する考え方も十分合理的です。

変動金利が向いている人

一方で、変動金利には大きな魅力があります。

それは当初の返済負担が軽いことです。

同じ借入額で比較すると、固定金利より毎月の返済額を抑えられます。そのため、

・住宅購入予算を増やせる
・教育資金や投資資金を確保できる
・返済総額を抑えられる可能性がある

というメリットがあります。

また、日本の住宅ローンには一般的に、

・5年間は返済額を変更しない
・返済額の増加は125%以内

という「5年ルール・125%ルール」があります。

急激な返済額増加を防ぐ仕組みがあるため、短期間で家計が破綻する可能性は高くありません。

特に次のような人は変動金利との相性が良いと考えられます。

・高収入で家計に余裕がある
・共働きで収入増加が期待できる
・借入額が年収の5倍以下
・繰り上げ返済資金を確保できる
・10年程度で住み替える可能性がある

金利上昇時代に重要な三つの視点

住宅ローン選びでは、単純に金利だけで判断しないことが重要です。

第一に、「借入額」です。

同じ金利でも借入額が大きいほど影響は大きくなります。無理のない借入額に抑えることが最大のリスク管理です。

第二に、「繰り上げ返済」です。

住宅ローン減税期間中は資金を積み立て、その後に繰り上げ返済を行うことで、将来の利息負担を大きく減らせます。

第三に、「団体信用生命保険」です。

近年の住宅ローンは死亡保障だけでなく、

・がん
・三大疾病
・八大疾病

などに対応した商品も増えています。

住宅ローンは借金であると同時に、大きな保障機能を持つ金融商品でもあります。

金利だけで比較するのではなく、団体信用生命保険の内容も含めて総合的に判断する必要があります。

これからの住宅ローン選び

今後、日本は賃金上昇と金利上昇が続く可能性があります。

これまでのように「金利は上がらない」という前提は通用しなくなりつつあります。

一方で、インフレが続けば賃金も上昇し、住宅価格や不動産価値も上がる可能性があります。その意味では、変動金利が必ず不利になるとは限りません。

住宅ローンは将来の経済環境を予測して選ぶものではなく、自分の家計がどの程度のリスクに耐えられるかで選ぶものです。

金利の予想は専門家でも外します。しかし、自分の返済能力はある程度把握できます。

住宅ローン選びで最も重要なのは、「どちらが得か」ではなく、「どちらなら安心して眠れるか」なのかもしれません。

結論

固定金利と変動金利に絶対的な正解はありません。

固定金利は安心を買う選択です。変動金利は将来の金利変動リスクを受け入れる代わりに、当初の返済負担を軽くする選択です。

重要なのは、住宅ローンを資産運用のように考えないことです。住宅は生活基盤であり、家計の安定が最優先だからです。

金利上昇時代に入った今こそ、自分の収入、家族構成、将来設計を踏まえて、無理のない借入額と返済計画を立てることが求められています。

参考

・日本経済新聞 2026年6月6日 朝刊「<ステップアップ>住宅ローン、金利タイプは 固定が基本、賃金増なら変動」
・日本経済新聞 2026年6月6日 朝刊「変動で借り、繰り上げ返済」
・日本経済新聞 2026年6月6日 朝刊「変動の借入額、年収5倍まで」

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