株主会員制ゴルフ会員権とは何か ゴルフ場運営会社の株主になる仕組み編

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ゴルフ会員権には、ゴルフ場にお金を預ける預託金制だけでなく、ゴルフ場を運営する会社の株式を保有することで会員になる株主会員制があります。

株主会員制では、会員は単なるゴルフ場の利用者ではありません。

ゴルフ場を運営する会社の株主という立場と、ゴルフクラブの会員という立場を持つことになります。

そのため預託金制とは、会員権の法律上の性格が大きく異なります。

また、歴史のある名門ゴルフクラブの中には株主会員制を採用しているところがあります。

今回は、株主会員制ゴルフ会員権とはどのような仕組みなのか、預託金制との違いから見ていきます。

株主会員制とは何か

株主会員制とは、ゴルフ場を運営する会社の株式を保有することなどによって、ゴルフクラブの会員資格を持つ仕組みです。

例えば、あるゴルフ場をA株式会社が運営しているとします。

そのゴルフ場の会員になるためには、A株式会社の一定の株式を保有することが条件になっているとします。

会員になった人は、A株式会社の株主であると同時に、そのゴルフクラブの会員になります。

つまり、

ゴルフ場運営会社の株主

ゴルフクラブの会員

という二つの立場を持つことになります。

ここが預託金制との大きな違いです。

預託金制とは何が違うのか

預託金制では、会員がゴルフ場経営会社などへ一定のお金を預けます。

そしてゴルフ場を会員として利用する権利と、一定の条件を満たした後に預託金の返還を求める権利などを持ちます。

一方、株主会員制では基本的に株式を保有します。

例えば1000万円を支払った場合でも、

1000万円を預託する

1000万円相当の株式を取得する

では意味が違います。

預託金であれば、一定の条件のもとで返還を求める預託金返還請求権があります。

しかし株式の場合、会社に対して購入代金をそのまま返してくださいと請求できるものではありません。

株式を手放したければ、基本的には譲渡などによって処分することになります。

この違いは非常に重要です。

株主には預託金返還請求権がない

株主会員制を理解するうえで重要なのが、預託金制のような預託金返還請求権を基本的に持たないことです。

例えば預託金制で1000万円を預けていれば、契約上の条件を満たした後に1000万円の返還を請求できる可能性があります。

ところが1000万円で株式を取得した場合、その1000万円を会社から返してもらうという仕組みではありません。

株価が上昇すれば高く売却できる可能性があります。

反対に株式の価値が下落すれば、購入時より安い価格でしか売却できない可能性があります。

この意味では、株主会員制の会員権価格は株式としての価値とゴルフ場を利用できる価値の双方から形成されることになります。

株主としてどのような権利を持つのか

株主会員制では、会員は会社法上の株主としての権利を持つことになります。

代表的なのが株主総会で議決権を行使する権利です。

会社の重要事項について株主として意思表示することができます。

また、会社の仕組みや株式の内容などによっては配当を受ける権利などもあります。

ただし、一般的な上場会社の株式投資とは目的がかなり違います。

ゴルフ場運営会社の株式を持つ最大の目的は、高い配当を得ることではなく、ゴルフクラブの会員として施設を利用することにある場合が多いからです。

つまり株式そのものの収益性だけでは価値を測れません。

ゴルフ場を会員として利用できることが株式の価値と密接に結びついています。

ゴルフ場の運営に関与できることも特徴

株主会員制では、会員自身がゴルフ場運営会社の株主です。

そのため預託金制と比べると、会員が運営に関与する性格が強くなります。

預託金制の場合、基本的にはゴルフ場を運営する会社と会員は別の立場です。

会社がゴルフ場を経営し、会員はその施設を利用します。

一方、株主会員制では会員自身が運営会社の所有者の一人になります。

もちろん、一人の会員が会社経営を自由に決められるわけではありません。

しかし株主総会などを通じて会社運営に関わることができます。

このような会員自治の性格も、株主会員制の特徴です。

会員権を売ると株式も移転する

株主会員制のゴルフ会員権を第三者へ譲渡する場合には、会員資格と結びついた株式を譲渡することになります。

例えばAさんが株主会員制のゴルフ会員権を持っていたとします。

Aさんがゴルフをやめ、Bさんへ会員権を売却することになりました。

Bさんは株式を取得するとともに、クラブ側の入会審査などを受けます。

そして必要な手続きを経て会員として認められれば、Bさんが新しい株主会員になります。

ただし、一般の上場株式のように誰にでも自由に売却できるとは限りません。

株式に譲渡制限が設けられていたり、クラブ独自の入会資格や審査があったりするためです。

会員権を購入できても、クラブへの入会が当然に認められるわけではない点には注意が必要です。

なぜ株式に高い市場価格がつくのか

株主会員制のゴルフ場運営会社が大きな利益を上げているから、会員権価格が高くなるとは限りません。

むしろ重要なのは、その株式を持つことによって得られる会員資格です。

例えば、

都心から近い

コースの評価が高い

歴史がある

会員数が限られている

予約が取りやすい

クラブとして高いブランド力がある

といったゴルフ場であれば、その会員になりたい人が増えます。

ところが新規会員をほとんど募集していなければ、既存会員から会員権を購入するしかありません。

売りたい人が少ないのに買いたい人が多ければ、市場価格は高くなります。

つまり株主会員制ゴルフ会員権の価格には、会社の純資産や利益だけでは説明できないクラブ会員資格としての価値が含まれているのです。

なぜ名門ゴルフ場に株主会員制があるのか

日本の歴史あるゴルフクラブの中には、株主会員制を採用しているところがあります。

その背景には、会員自身がクラブを支え、運営していくという考え方があります。

ゴルフクラブは単なるスポーツ施設ではありません。

特に伝統的なクラブでは、会員同士の交流やクラブ競技、マナー、クラブ文化なども重視されます。

株主会員制では、会員自身が運営会社の株主になるため、ゴルフ場を単に利用する顧客というより、クラブを構成するメンバーという性格が強くなります。

長い歴史の中で会員によるクラブ運営が続いていること自体がブランド価値につながる場合もあります。

その結果、株主会員制であることと名門クラブとしての希少性が結びつくことがあります。

株主会員制なら安全とは限らない

預託金制では預託金返還問題が発生することがあります。

そのため、預託金返還請求権のない株主会員制なら安全なのではないかと思うかもしれません。

しかし、株主会員制にも別のリスクがあります。

株式である以上、運営会社の経営状態が悪化すれば株式の価値が下がる可能性があります。

会社そのものが経営破綻すれば、株主は債権者よりも後順位になります。

また、ゴルフ場の人気が低下すれば、会員権市場で買い手が見つかりにくくなる可能性もあります。

預託金制には預託金返還リスクがあり、株主会員制には株式価値そのものが変動するリスクがあります。

仕組みが違えば、注意すべきリスクも違うということです。

株主会員制でも市場価格が重要になる

株主会員制の会員権についても、市場価格は需要と供給によって変動します。

例えば500万円で購入した会員権が、数年後に1000万円になることもあれば、300万円になることもあります。

特に名門クラブの場合、新しく会員になりたい人が増えても会員数を簡単に増やさないことがあります。

すると既存の会員権に需要が集中します。

限定された会員枠を市場で取り合う形になるため、希少性が価格へ反映されます。

この点では、高級住宅や希少な美術品などにも似た部分があります。

欲しい人が増えても供給量を簡単には増やせないからこそ、高い価格が成立するのです。

預託金制と株主会員制は同じ会員権でも中身が違う

ゴルフ会員権の価格を見るときには、単純に価格だけを比較するのではなく、どのような種類の会員権なのかを確認することが重要です。

預託金制であれば、施設利用権だけでなく預託金返還請求権などがあります。

株主会員制であれば、ゴルフ場運営会社の株式と会員資格が結びついています。

例えば同じ1000万円の会員権でも、

預託金1000万円を含む会員権

株式と会員資格が結びついた1000万円の会員権

では法律上の中身が違います。

したがって、売却方法や経営悪化時の扱い、保有する権利なども異なります。

ゴルフ会員権という名前だけでは、その資産の中身までは分からないのです。

結論

株主会員制ゴルフ会員権とは、ゴルフ場を運営する会社の株式を保有することなどによって、ゴルフクラブの会員資格を持つ仕組みです。

預託金制では、施設利用権と預託金返還請求権などが重要になります。

一方、株主会員制では、ゴルフ場を利用する会員であると同時に、運営会社の株主でもあることが大きな特徴です。

そのため株主総会で議決権を行使するなど、株主として会社運営に関わることもできます。

また、預託金制のように預けたお金を一定期間後に返してもらうという仕組みではありません。

会員権を手放す場合には、基本的には株式と結びついた会員権を第三者へ譲渡することになります。

歴史ある名門ゴルフクラブに株主会員制がみられるのは、会員自身がクラブを支え、運営していくという性格とも関係しています。

ゴルフ会員権はすべて同じものではありません。

預託金制なのか株主会員制なのかを確認することで、その会員権を購入すると何を所有することになるのか、そしてどのようなリスクを負うのかが見えてきます。

参考

日本経済新聞 2026年8月27日 朝刊 ゴルフ会員権値上がり 5カ月連続 低価格帯も人気

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