普通預金金利0.5%で利息はいくらになるのか 預金1,000万円なら年間5万円になる金利のある世界編

政策

日銀が政策金利を1.25%へ引き上げたことで、住宅ローンや企業融資の金利上昇が注目されています。

しかし金利上昇には、借りる人の負担が増えるという側面だけではありません。

お金を預ける人が受け取る利息も増えます。

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクは、普通預金金利を0.4%から0.5%へ引き上げます。

0.5%という数字だけを見ると小さく感じるかもしれません。

しかし1,000万円を預けていれば、単純計算した年間利息は税引前で5万円です。

長く普通預金の金利がほぼゼロだった日本では、家計のお金の置き場所を考え直すきっかけになる変化です。

普通預金金利0.5%とはどういう意味か

預金金利0.5%とは、単純化すれば100万円を1年間預けると5,000円の利息がつく水準です。

500万円なら2万5,000円です。

1,000万円なら5万円です。

2,000万円なら10万円です。

もちろん実際の普通預金の利息は、銀行が定める方法によって残高や期間などをもとに計算されます。

そのため単純計算と完全に一致するとは限りません。

それでも金利0.5%が家計にどの程度の意味を持つのかを考える目安になります。

1,000万円なら税引前で年間5万円

1,000万円を普通預金に置いている場合を考えてみます。

金利が年0.5%なら、単純計算した年間利息は5万円です。

計算は簡単です。

1,000万円に0.5%を掛けます。

すると5万円になります。

ただし預金利息には税金がかかります。

一般的な銀行預金の利息には、所得税と復興特別所得税、住民税を合わせて20.315%が源泉徴収されます。

5万円の利息であれば、税額は約1万158円です。

したがって税引後の受取額は約3万9,842円になります。

0.5%という表示金利が、そのまま手取り利回りになるわけではありません。

金利0.4%との違いはいくらか

今回、3メガバンクは普通預金金利を0.4%から0.5%へ引き上げます。

差は0.1%です。

1,000万円を預けている場合、0.4%なら年間利息は税引前で4万円です。

0.5%なら5万円です。

差額は年間1万円です。

税引後では約7,969円の差になります。

1年間だけなら大きな金額ではないと感じるかもしれません。

しかし金利がさらに上昇したり、長期間続いたりすれば家計への影響も積み重なります。

かつて普通預金の利息はほとんどなかった

今回の変化が大きく感じられるのは、日本で長期間にわたり超低金利が続いてきたからです。

ゼロ金利政策やマイナス金利政策のもとでは、普通預金金利も極めて低い状態が続きました。

預金をしていても利息はほとんど増えない。

それが当たり前になっていました。

そのため預金金利を比較して銀行を選ぶ意味も小さくなっていました。

政策金利の上昇によって、この状況が変わり始めています。

3メガバンクの普通預金金利0.5%は約34年ぶりの水準となります。

日本は預金にも金利がつく世界へ戻りつつあります。

なぜ日銀が利上げすると預金金利も上がるのか

日銀が政策金利を引き上げると、金融機関同士で資金をやり取りする短期金利にも上昇圧力がかかります。

銀行にとっては預金を集めることの価値も変わります。

さらに銀行同士で預金を獲得する競争もあります。

他行が預金金利を引き上げるなか、自行だけ低い金利を維持すれば、預金者がより金利の高い銀行へ資金を移す可能性があります。

そのため政策金利が上昇する局面では、銀行の普通預金や定期預金の金利も上昇しやすくなります。

日銀の利上げが家計の預金へ波及する仕組みです。

預金が多い高齢世帯ほど恩恵が大きい

金利上昇による恩恵は、すべての世帯に同じように発生するわけではありません。

預金を多く保有している世帯ほど、受取利息が増えます。

今回の記事では、2025年の60代と70代以上の預金額は1世帯あたり約1,600万円で、39歳以下の世帯の約3倍とされています。

そのため金利上昇による受取利息の増加も、高齢世帯ほど大きくなる傾向があります。

みずほリサーチ&テクノロジーズの試算では、今回の0.25%の利上げによって60代と70代以上の世帯では、年間約2万円の収支改善が見込まれています。

金利上昇は、預金を多く持つ世帯にとって追い風になります。

若い世帯では逆の結果になる

一方、若い世帯では状況が異なります。

預金が比較的少ない一方、住宅ローンや自動車ローンなどの借入を抱えているケースが多いからです。

預金金利が上昇して受取利息が増えても、それ以上に借入金利の上昇による負担が増える可能性があります。

同じ試算では、29歳以下の世帯は年間約2万2,000円、30代は約2万3,000円の収支悪化になるとされています。

同じ0.25%の利上げでも、預金を多く持つ人と借入を多く持つ人では影響が反対になります。

家計全体ではプラスになる

興味深いのは、家計全体で見ると今回の利上げがプラスになるという試算です。

みずほリサーチ&テクノロジーズによると、0.25%の利上げによって家計全体では年間約4,000億円の収支改善になるとされています。

1世帯平均では年間約6,000円のプラスです。

理由は、日本の家計部門全体では借入金よりも預金などの金融資産が大きいからです。

貸す側として受け取る金利の増加が、借りる側として支払う金利の増加を上回る構造になっています。

ただし平均がプラスだからといって、すべての家計が得をするわけではありません。

平均値だけを見ると実態を見誤る

1世帯平均で年間約6,000円のプラスという数字だけを見ると、利上げは家計にとって良いことのように見えます。

しかし実際には世代や資産状況によって大きな差があります。

預金1,000万円を持ち、借入がない人。

預金100万円で住宅ローン5,000万円を抱えている人。

この2人では金利上昇の意味がまったく違います。

金利上昇局面では、自分が預金者なのか借り手なのかという視点が重要になります。

さらに多くの人は預金も住宅ローンも持っているため、資産と負債の両方を合わせて考える必要があります。

物価上昇率との比較も必要になる

普通預金金利が0.5%になれば、預金者にとっては大きな改善です。

しかし金利だけを見てはいけません。

物価上昇率との比較が重要です。

仮に預金金利が0.5%でも物価が2%上昇すれば、預金の購買力は実質的には低下します。

1,000万円が1年後に額面上増えていても、商品やサービスの価格がそれ以上に上昇していれば、買える量は減る可能性があります。

預金金利が上昇したからといって、すべての資金を普通預金に置けばよいという話ではありません。

生活防衛資金、近い将来使う資金、長期運用する資金を分けて考えることが重要です。

金利のある世界では預金も比較する

超低金利時代には、普通預金金利の違いを細かく比較しても得られる利息の差はわずかでした。

しかし金利が上昇すれば状況が変わります。

普通預金だけでなく、定期預金や個人向け国債などとの金利差も広がる可能性があります。

金融機関によって預金金利に差が出ることも考えられます。

金利のある世界では、現金をどこに置くかという判断にも再び意味が出てきます。

預金はただ置いておくものから、金利を比較して置き場所を選ぶものへ変わっていく可能性があります。

結論

普通預金金利0.5%なら、1,000万円を1年間預けた場合の利息は単純計算で税引前5万円です。

預金利息への税金を考慮すると、手取りは約3万9,842円になります。

長期間、普通預金にほとんど利息がつかなかった日本では大きな変化です。

特に預金を多く持つ高齢世帯では、金利上昇による恩恵が大きくなります。

一方、住宅ローンなどの借入を抱える若い世帯では、預金利息の増加以上に支払利息が増える可能性があります。

金利上昇を得か損かで一律に判断することはできません。

自分がどれだけ預金を持ち、どれだけ借入を抱えているのかによって影響は変わります。

そして借入側で最も身近な影響の一つが住宅ローンです。

次に重要になるのは、金利が0.25%上昇した場合、5,000万円の住宅ローンの返済額が実際にどの程度増えるのかという問題です。

参考

日本経済新聞 2026年9月19日朝刊 預金金利上昇、高齢者に恩恵

日本経済新聞 2026年9月19日朝刊 3メガ銀、普通預金0.5%

日本経済新聞 2026年9月19日朝刊 日銀利上げペース加速 総裁、物価抑制へ「局面変化」

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