人生100年時代の税理士の価値とは何か 伴走者編 第1回

税理士
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人生100年時代と言われるようになって久しくなりました。

かつては60歳で定年を迎え、年金生活に入るのが一般的でした。しかし今では、65歳や70歳を超えても働き続ける人が増えています。

長寿化が進む一方で、人生はますます複雑になっています。

年金の受け取り方、退職金の活用、資産運用、相続対策、介護への備え、事業承継など、多くの人が人生後半戦で重要な意思決定を迫られます。

そのような時代において、税理士の役割も大きく変わりつつあります。

税金を計算する専門家から、人生設計を支援する伴走者へ。

今回から「人生100年時代の税理士の価値とは何か」というテーマで考えてみたいと思います。

税理士は何をする人なのか

一般の方に税理士の仕事を尋ねると、多くの人は「税金の申告をする人」と答えるでしょう。

もちろん間違いではありません。

法人税や所得税の申告書を作成し、税務相談に応じることは税理士の重要な仕事です。

しかし、本当にそれだけでしょうか。

長年税理士として活動していると、税金そのものよりも、その背景にある人生の問題に向き合うことが増えてきます。

経営者であれば事業承継。

高齢者であれば相続や認知症対策。

退職を控えた人であれば年金や退職金の活用。

税金は人生の重要な局面に必ず関わっているのです。

だから税理士は税金だけを見ていては務まりません。

人の人生そのものを見る必要があります。

人生後半戦は選択の連続になる

人生100年時代になると、60歳は人生の終盤ではなく後半戦のスタートになります。

定年後に再雇用を選ぶのか。

独立するのか。

年金は65歳から受け取るのか。

繰下げするのか。

自宅は持ち続けるのか。

住み替えるのか。

資産は運用するのか。

取り崩すのか。

以前は制度が比較的単純でした。

しかし現在は選択肢が増えたことで、かえって判断が難しくなっています。

しかも正解は人によって異なります。

だからこそ、制度だけでなく人生全体を見渡せる専門家が必要になるのです。

税理士は人生の節目に立ち会う仕事

税理士という仕事の特徴は、顧客と長期間付き合えることです。

会社設立から関与し、事業拡大を支援し、事業承継を支援し、そして相続まで見届けることもあります。

数十年にわたり同じ家族と関わることも珍しくありません。

医師は病気を治します。

弁護士は紛争を解決します。

税理士は人生の節目に立ち会います。

結婚。

住宅購入。

独立開業。

事業承継。

相続。

人生の大きなイベントには必ずお金の問題があります。

そして、お金の問題には税金が関係しています。

税理士はその入り口に立つ専門家なのです。

AI時代に税理士は不要になるのか

最近はAIの進歩によって、「税理士はいらなくなるのではないか」という声も聞かれます。

確かに申告書作成や税法検索など、機械が得意な分野は増えるでしょう。

しかし、人の人生を理解することは簡単ではありません。

相続で兄弟が対立した時、どのように調整するのか。

事業承継で後継者が悩んでいる時、どのような言葉を掛けるのか。

認知症の親を抱える家族に何を提案するのか。

こうした問題は知識だけでは解決できません。

経験と人間理解が必要です。

AIが発達するほど、人に寄り添う専門家の価値はむしろ高まるのではないでしょうか。

伴走者としての税理士

これからの税理士に求められるのは、単なる申告代行ではありません。

もちろん税務知識は必要です。

しかし、それだけでは選ばれなくなるでしょう。

重要なのは相談者の人生に寄り添うことです。

税金だけを見るのではなく、

家族を見る。

将来を見る。

人生を見る。

その上で最適な選択肢を一緒に考える。

まさに伴走者です。

人生100年時代において、人は何度も岐路に立ちます。

その時に相談できる専門家の存在はますます重要になるでしょう。

結論

人生100年時代は長寿化の時代であると同時に、選択の時代でもあります。

年金、相続、資産運用、事業承継など、多くの課題に向き合わなければなりません。

その中で税理士の役割も変化しています。

税金を計算する専門家から、人生設計を支援する伴走者へ。

AIが進化しても、この価値は失われません。

むしろ人生が複雑になるほど、人に寄り添う専門家の存在は重要になります。

税理士の本当の価値とは何か。

その答えは、税金ではなく人に向き合うことにあるのかもしれません。

参考

税のしるべ 2026年6月15日

インタビュー等「私が見た 税を巡る 点と線」

本郷尚氏に過去のエピソード、資産税関係の最近の動向を聞く、貸付用不動産の相続税評価額の改正は根本的な問題に触れず

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