リースバックとリバースモーゲージはどちらが有利か 住宅資金調達編

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人生100年時代を迎え、多くの高齢者が老後資金の確保に悩んでいます。金融資産が十分でない一方、自宅という大きな資産を保有している人は少なくありません。

そこで注目されているのが、自宅を活用して資金を調達する方法です。代表的な制度としてリースバックとリバースモーゲージがあります。

どちらも住み慣れた自宅に住み続けながら資金を確保できる仕組みですが、その内容は大きく異なります。

人生後半戦において、どちらが有利なのでしょうか。その特徴と注意点を整理してみたいと思います。

リースバックとは何か

リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却し、その後は賃貸契約を結んで同じ家に住み続ける仕組みです。

自宅を売却するため、まとまった現金を一度に受け取ることができます。

住宅ローンが残っている場合には返済に充てることもできますし、老後資金や介護費用として活用することも可能です。

一方で、自宅の所有権は第三者に移転します。

以後は家賃を支払いながら住み続けることになります。

つまり、資産を売却して現金化する仕組みといえます。

リバースモーゲージとは何か

リバースモーゲージは、自宅を担保にして融資を受ける制度です。

所有権は自分のまま維持されます。

毎月支払うのは主に利息で、元本は死亡後に自宅売却などによって返済されます。

そのため、自宅を手放したくない人には魅力的な制度です。

ただし、あくまでも借金であるため、金利負担が発生します。

また、借入可能額は不動産評価額の一部に限定されることが一般的です。

現金化できる金額はどちらが大きいか

資金調達額だけを比較すると、多くの場合はリースバックの方が大きくなります。

リースバックは自宅そのものを売却するため、まとまった資金を受け取ることができます。

一方、リバースモーゲージは担保評価額の数割程度しか借りられないことが少なくありません。

例えば評価額5000万円の住宅であっても、借入可能額は3000万円程度に制限される場合があります。

まとまった資金が必要な場合には、リースバックの方が有利なケースが多くなります。

住み続ける安心はどちらにあるか

住み続ける安心という点では、リバースモーゲージに優位性があります。

所有権が自分に残るため、賃貸契約の更新を心配する必要がありません。

固定資産税や修繕費は負担しますが、住まいを自分で管理できます。

一方、リースバックでは所有者が変わります。

契約内容によっては将来的に退去を求められる可能性もあります。

また、家賃の支払いが継続的に発生します。

長期的な居住安定性を重視するなら、リバースモーゲージの方が安心感は大きいでしょう。

金利上昇と家賃上昇のリスク

両者には異なるリスクがあります。

リバースモーゲージのリスクは金利上昇です。

多くの商品は変動金利であり、金利が上昇すれば毎月の利息負担も増加します。

長生きするほど支払総額も増えていきます。

一方、リースバックのリスクは家賃負担です。

契約条件によっては家賃改定が行われる場合があります。

また長期間家賃を払い続けるため、結果的に受け取った売却代金の一部を取り崩していくことになります。

どちらも将来の支出増加リスクを抱えている点は共通しています。

相続を考えるならどちらか

相続を重視する場合はリバースモーゲージが有利です。

所有権が残るため、相続人が借入金を返済すれば自宅を引き継ぐことができます。

一方、リースバックでは既に売却しているため、自宅そのものを相続することはできません。

子どもに家を残したいという希望が強い場合は、リバースモーゲージの方が適している場合があります。

ただし、近年は子ども世代が実家を相続したがらないケースも増えています。

相続人の意向も確認しておく必要があります。

本当に有利なのはどちらか

実は、この問いに絶対的な答えはありません。

まとまった資金が必要な人にはリースバックが向いています。

一方、自宅を所有したまま住み続けたい人にはリバースモーゲージが向いています。

重要なのは制度を選ぶことではなく、自分の目的を明確にすることです。

生活費を補いたいのか。

介護費用を準備したいのか。

相続を重視するのか。

住み続けることを優先するのか。

目的によって最適解は変わります。

人生100年時代の住宅資産活用

これからの高齢者は、自宅を単なる住まいとしてではなく資産として考える必要があります。

住宅資産を活用しなければ、十分な資産を持ちながら資金不足に陥る可能性があります。

一方で、安易に制度を利用すると将来の生活基盤を失う危険もあります。

住宅資産活用は老後資金計画そのものです。

金融機関の提案をそのまま受け入れるのではなく、家族や第三者の専門家と相談しながら慎重に判断することが重要です。

結論

リースバックとリバースモーゲージはどちらが有利かという問いに万能な答えはありません。

リースバックは資金調達力に優れていますが所有権を失います。リバースモーゲージは住み続けやすい反面、金利負担と長寿リスクを抱えます。

人生100年時代において重要なのは、自宅を残すことではなく、自宅を活かして安心できる老後を実現することです。

住宅は人生最大の資産です。その資産をどう使うかが、人生後半戦の豊かさを左右する大きな分岐点になるのではないでしょうか。

参考

日本経済新聞
2026年6月13日 朝刊
<メインストーリー>リバースモーゲージの「ワナ」 長生きや金利上昇で利息増

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